更新日2024/2/23
土地や住宅を探していると、よく目にするのが「旗竿地」タイプの土地です。一般的にリーズナブルな価格で購入できますが、今回はそのメリット・デメリットについて解説していきたいと思います。
旗竿地とは、細い路地の奥にある奥まった土地のことです。ポールに旗を立てたような形をしているため、「旗竿地」と呼ばれています。また、「路地状敷地」とも呼ばれることがあります。
図面の敷地①が旗竿地に該当します。
(1)土地価格が安い
旗竿地の地価は、総面積や立地などの条件が似ている整形地の7~8割程度が一般的です。そのため、地価の高い人気エリアであっても、旗竿地は比較的購入しやすいといえます。また、リーズナブルな土地が多いほど、建築に予算を割くことができるのもメリットです。さらに、道路から見える部分が少ないため、土地を分割すれば、外装材や外観デザインにかける費用を抑えることも可能です。
また、旗竿地は整形地に比べて、固定資産税や相続税の評価額が低くなります。旗竿地を選ぶことで、土地の購入費用だけでなく維持費も抑えることができるため、長く土地を所有し続けたい場合にもおすすめです。
(2) 静かな環境で生活できる
旗竿地の旗の部分奥まっているに家を建てることで、道路や通行人からの騒音が家に届きにくくなります。そのため、プライバシーが保たれた静かな環境で生活しやすくなります。また、前面道路や土地の境界がしっかり確保されていれば、防犯面でも安心です。
子供やペットに安全な遊び場を提供したい場合にも、旗竿地は適しています。旗竿地は間口が狭く、庭で遊んでいるうちに誤って道路に飛び出してしまう危険性が低いため、安全な住環境に繋がります。
(3) 路地部分を生かしたプランニングができる。
整形地に住宅と駐車場を建てる場合、駐車スペースを確保するために不整形にならざるを得ないケースが多々あります。一方、旗竿地であれば、路地部分を駐車場として利用し、奥の旗竿部分に大きな家を建てることも可能です。また、ご家族の趣味やライフスタイルによっては、路地部分におしゃれなアプローチや花壇を作ることも可能です。
(1)日当たり・風通しが悪い
旗竿地は住宅密集地にあることが多いため、周囲の整形地に比べて日当たりや風通しが悪くなってしまいます。
これらのデメリットをカバーするために、採光を取り入れる間取りのすることが重要になります。リビングを2階に持ってくるなども有効です。
(2)建築コスト、インフラコストが高い
旗竿地は間口が狭く路地もあるため、工事車両の出入りや大型什器の搬入・搬出が困難です。そのため、職人の作業負担が増え、工事費の増加や工期が長期化することも珍しくありません。また、旗竿地に水道、電気、ガスなどのインフラ設備を新たに設置する場合にも注意が必要だ。旗竿地では、これらのインフラ設備の引き込み距離が長くなることが多く、インフラ工事のコストと時間がかかることも注意点。
(3)駐車場の確保が難しい
旗竿地の場合、間口部分を道路として利用します。そのため、間口部分に駐車することが間口の関係上難しくなります。特に幅員が 2m 未満の場合は、車の通行すら困難となります。
このように、駐車スペースが限られているため、間口の幅によっては、駐車しにくいか、駐車スペースを作ることが不可能になります。
上記で解説してきたように旗竿地はクセの強い土地になります。そんな中で旗竿地の注意点は建て替えが可能か?になります。旗竿地にも沢山の種類にわけることがあります。旗の棒の部分が共有の場合や棒の部分が細い場合などの場合は現在建物があったとしても再建築できるとは限りません。新築住宅の場合はまだ安心ですが、中古住宅の場合は注意しましょう。また、旗竿地は担保評価を厳しくみられる場合がありますので、住宅ローンを利用するときは注意しましょう。
旗竿地の注意点はたくさんありますが、ポイントを抑えればコストパフォーマンスが高いというメリットがあるので、限られた予算でマイホームを建てたい方には最適です。土地購入の前に、自分が建てたい工務店でどのような建物が建てられるのか、自分にとってのメリット・デメリットを再確認した上で、物件の検討をしてみてはいかがでしょうか?
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著者情報
宅地建物取引士 刈田 知彰
(かりた ともあき)
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
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