2023.05.22
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中古住宅の選び方と注意点

更新日:2024年3月12日

中古住宅を選ぶ際のポイントや注意点を解説

 

 

はじめに

フラット35の利用者調査では中古住宅に融資した割合は2011年では12.1%程度でしたが、2021年には過去最高の24.7%となっています。今後中古市場のシャアは更に増えると予測されます。中古住宅はマイホーム購入の1つのスタンダートとしてますます重要になります。ところが、中古住宅は新築住宅と比較して注意すべき点が多くなります。今回は中古住宅の選び方と注意点について解説していきたいと思います。中古住宅を購入する際には様々なポイントがあります。まず、大きなポイントとなるのがその中古住宅が建てられた年代です。

建てられた年代は以下の3つに分ける事です。

1981年以前)の建物 ➡旧耐震基準の建物

 

②(1981以降2000年以前)の建物 ➡81-00(ハチイチゼロゼロ)住宅 ※新耐震基準

 

③(2000年以降)の建物 ➡2000年基準の建物

 

の3つの年代に現在は分けることが可能になります。建築基準法の改正に伴い必要なリフォームが変わります。このように中古住宅を選ぶポイントが数多く存在します。こちらのコラムを読んで頂ければわかりやすいと思いますが、

築年数別おススメ性能向上リノベーション|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)

 

中古住宅は耐震性能そして断熱性能が不足している建物がほとんどです。つまり、耐震性能が担保されている物件を選ぶのか、耐震補強を行う必要があります。一番重要な事になります。

 

今回のコラムはその他、基礎的な目線で解説していきたいと思います。

 

 

 

予算の設定について

中古住宅の予算を決めておくことが重要です。予算に合わせて探すことで、無駄な時間や労力を省くことができます。

予算設定には大きな要素が3つあります。

・物件の購入費、リフォーム代金

・中長期的なランニングコスト

・実際の支払い根拠の検証

 

・物件の購入費、リフォーム代金

実際に購入する物件やリフォーム代金、その他所得に必要な諸費用等です。

・中長期的なランニングコスト

家を購入してからも維持費用が発生します。例え全てキャッシュで購入してもそれで終わりではありません。

住宅を購入した後には将来的な維持費メンテナンス費用も考慮する必要があります。その他、固定資産税火災保険などの支払いが定期的に行われるので、これらの負担を見越して予算を設定しましょう

出費だけではありません。住宅ローンを組まれる方は住宅ローン控除により当初10年から13年は税金が少なくなったり還付されたりします。

・実際の支払い根拠の検証

実際の支払い根拠の検証とは、例えば住宅ローンを組んで物件を購入する場合、いくらまでなら住宅ローンを組むことが可能かによって、買える物件(探すべき物件)が変わります。実際にはローンを組める額よりも、月々の返済にフォーカスして検討するのがよいでしょう。

詳しくはこちらのコラムも参考にしてください。

『不動産を購入時の予算について』不動産購入時に知っておいた方が良い事|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)

 

 

立地の確認

場所と交通アクセスは中古住宅の立地は重要な要素です。通勤や通学の利便性、近くに必要な施設やサービスがあるかどうかを確認しましょう。また、将来的な地域の発展やインフラ整備の計画もチェックしておくと良いでしょう。近年後期高齢化の為、都市部集中型になる事が予想されます。東京中古一戸建てナビでは東京都23区内をメインでお探しの方が多いと思いますが、そうでない方は注意しましょう。

周辺環境も重要な要素です。治安や騒音、近隣の開発計画などを調査し、快適な生活が送れるかどうかを確認しましょう。

 

建物の調査

建物の調査には2種類あります。実際に建物を調査する現地調査、関係書類を調査する机上調査です。机上調査では、書類の有無を確認しましょう。構造について調査することも重要です。建物の築年数や前の所有者の履歴、地震や水害などの被害の有無などを確認しましょう。また、建物の構造調査を行うことで、潜在的な問題や耐久性について評価することができます。

不動産売買時に必要な書類は下記コラムを参考にしてください。

不動産売却に必要な書類まとめ|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)

工法や構造の確認

一戸建てを購入する際にリフォームついでに間取り変更を行いたいと思っている方もおられるのではないでしょうか。ですが、リノベーションを行って間取り変更はその工法や構造によって変更できる間取り、変更できない間取り、変更しにくい間取りに分かれます。

一戸建て住宅に最も多いのは「木造軸組工法」になります。柱と梁で構造が組まれている工法で、壁をとって間取りの変更をするのが比較的容易であるため、大幅に間取り変更することができますが、同じ木造でも「2×4工法」は、で建物を支える構造のため、壁が取り払えないケースが多く、間取りの変更に制約が生じます。「RC(鉄筋コンクリート)造」はラーメン構造と壁式構造の2タイプありますが、ラーメン構造なら可能になります。「プレハブ工法」は素材によって木質系、鉄骨系、コンクリート系に分かれます。一般的に「鉄骨系プレハブ工法」は柱と梁の構造なので一部分を除きますが、間取りの変更がわりとしやすく、木質系、コンクリート系は壁式構造となり間取り変更がしにくい場合が多くなります。このように工法や構造によって変更できる間取り、変更できない間取り、変更しにくい間取りに分かれますので、注意しましょう。

 

物件の状態とリフォーム費用

中古住宅は建物の状態に注意が必要です。実際に建物を調査する現地調査を行い、内部の設備や配管、屋根、外壁などを点検し、修繕やリフォームが必要な場合にかかる費用を見積もりましょう。但し破壊を伴わない調査は死角も多く万全調査とは言い難いです。性能向上リノベーションを予定している場合は、リフォーム費用・リノベーション費用が高額になるため、その費用も考慮に入れてください。

 

間取り

中古住宅の間取りは、築年数に応じてですが、現在の間取りとは異なった構成になっています。例えば襖で仕切られただけの和室などプライバシーの低い間取りが多いです。間取りに関しては将来の生活スタイルに合っているかどうかを確認しましょう。将来的な家族の増減や、部屋の用途の変更に対応できるかを考えます。また、将来的な売却時に需要がある間取りかどうかも考慮すると良いでしょう。

 

不動産会社に選定

中古住宅を購入する際は、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。業界経験や評判、提供されるサービスなどを調べ、専門家の助言を受けることで安心して取引ができます。更にリフォームを行う場合は特に不動産取引とリフォームが密接にかかわってきます。下記コラムも参考にしてください。

中古戸建ては誰と探すかが重要です!|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)

見学と専門家の助言

中古住宅を選ぶ際には、現地を見学することが必要です。内部の状態や周辺環境を実際に確認し、自分の目で判断することも重要です。また、性能向上リノベーションを熟知した営業マンや建築士などの専門家の助言を受けることで、より客観的な意見やアドバイスを得ることができます。

 

法律と契約内容

中古住宅の購入には建築基準法や民法を初め、様々の法律が絡んできます。契約書や重要事項説明書を十分に理解することが重要です。

 

税金の確認

中古住宅を所有する際や購入後に、固定資産税や場合によっては不動産取得税などの支払いが発生します。また、売却する際にも税金がかかる場合もあります。また払うだけではなく、住宅ローン控除などの税金が控除され戻ってくる制度などもあります。これらの費用を事前に確認し、将来的な負担を見越して計画を立てましょう。

住宅ローン減税を徹底解説します!|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)

 

補助金の確認

補助金には様々な種類の補助金が存在します。

重大ニュース!!! 最大245万円 省エネリフォーム支援強化補助金誕生!?|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)

【2023年】令和5年版 中古住宅購入時の補助金を解説|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)

 

 

補助金には予算や補助金の対象期間が存在しますので、売買のスケジュールを確認しながら進めて行くことが重要です。場合によっては予算が終わってしまったり、手続きが間に合わない可能性がありますので注意が必要です。

 

マンションの場合の注意点

マンションを購入する場合には、管理組合の規約や管理費、修繕積立金の状況などを確認することが重要です。また、共用施設や駐車場の利用条件や費用、管理会社の信頼性などもチェックしましょう。


 

購入前の調査と交渉

中古住宅を購入する前には、所有権や抵当権の調査、現在の所有者との交渉などを行うことが重要です。必要に応じて、法律事務所や土地家屋調査士などの専門家に相談し、スムーズな取引を進めましょう。

 

また、人気のある中古住宅は他の買い手との競争が激しくなることがあります。気に入った物件を見つけた場合は、早めに判断し、必要な手続きを進めることが重要です。物件の予約や頭金の用意など、スムーズに進めるためにも準備をしておきましょう。性能向上リノベーションではその性質上、見積もりまでのタイムラグが発生してしまいます。人気物件は概算の見積もりで進んでいくことも考慮する必要があります。

 

契約不適合責任と物件の調査

 中古住宅の売主は、契約不適合責任を負っています。売主から提供された物件の調査資料や報告書を詳細に確認し、情報の正確性を確認しましょう。また、自身でも物件の調査を行い、問題やリスクがないかどうかを確認しましょう。

 

長期的な計画の考慮

中古住宅を購入する際には、将来の計画を考慮することも重要です。居住期間や家族構成の変化、再販価値などを考え、長期的な視点で判断しましょう。自分のライフスタイルや将来の目標に合致しているかどうかを考慮します。

 

 

 

住宅ローンの選択

中古住宅を購入する際には、適切な住宅ローンを選ぶことが重要です。金利や返済条件、借入額、金利の種類、諸費用などを比較検討し、自分の経済状況に合ったローンを選びましょう。専門家や金融機関との相談を行うこともおすすめです。例えばネット銀行は金利が安いですが、1000万円を超えるようなリフォーム資金は借入することができません。良いタイミングで銀行の事前審査などを行いながら進めて行く必要があります。

 

 

まとめ

ここまで、中古住宅を選ぶうえでのポイントと注意点を解説してきました。更に詳しく解説しようと思うここには書ききれない程の量になってしまうぐらい不動産取引は難しいものになります。現在は、保証やルールなど、一般消費者目線(有利)の法律が増えています。中古住宅の場合は不動産関係業者ではなく一般の方が売主の場合も数多く存在します。その為、中古住宅の選び方と注意点を考慮しながら自分のライフスタイルや将来の計画に合った理想的な住まいを見つけることをお勧めします。購入前には、できるだけ多くの情報を収集し、慎重に判断することが重要です。また、不動産の購入は大きな財務的な取引ですので、専門家のアドバイスや家族や友人の意見も参考にしましょう。

そして、中古住宅には良い点だけでなく、マイナス要素も存在する場合があります。例えば、周囲の騒音や不便な立地条件、近隣の問題など他にもいろいろありますが、マイナス面についても目をそらさずに検討することが、購入後後悔しない選び方となります。将来的に売却する場合にも影響を与える可能性があるため、慎重に判断しましょう。

 

さいごに

中古住宅を選ぶ際は、感情に左右されず冷静な判断を心がけましょう。外観や内装の魅力に惑わされず、建物や立地の実際の状態や将来性を重視しましょう。将来的な投資価値や生活の快適性を考慮し、合理的な判断を行うことが大切です。

 

中古住宅の選び方と注意点を考慮しながら、自分の要求や条件に合った物件を見つけることが大切です。時間をかけて慎重に調査し、将来の満足度と経済的な安全体の確保を心がけましょう。最終的な決断を下す前に、何度も物件を見学し、必要な情報を収集することが重要です。

 

中古住宅の選び方と注意点を踏まえて、自分のニーズや条件に最も適した物件を見つけるために、じっくりと時間をかけて検討しましょう

 

 

 

下記にコラムではリノベーションを行うことを前提とした中古住宅の選ぶ際のポイントをまとめています。是非ご覧ください!

リノベーションに適した中古住宅ってどんなもの?選ぶ際のポイントとは?|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)

 

著者情報

宅地建物取引士 刈田 知彰

      (かりた ともあき)

ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。

私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。

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著者情報 刈田知彰

 

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