2023.02.08
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住宅の電気代が必ず安くなる方法~省エネ・再エネ住宅普及促進はなぜ行われるのか?~

更新日2024/2/16

省エネ・再エネ普及促進

 

 

 

はじめに

 昨今電気代の値上がりが社会問題になっています。

 

 東京都の電気代はこの一年半で6割以上値上がっていますが、なんとフィンランドやスウェーデンでは5倍から10倍上がっているそうです。地域差がありますが、一番厳しい地域では月収の半分が電気なんて地域も存在するとのことです。

 

 現在、世界中でエネルギーが高騰しています。光熱費の値上がりは、日本だけではなく、世界中の問題になっています。

 

 

なぜ電気代が高くなるのか

貿易統計価格

こちら東京都提供の資料になります。

日本の電気代の算出の参考になる、貿易統計価格資料になります。すべてのエネルギーが急激に高騰しています。倍どころではなく4倍や6倍になっています。燃料費調整額という制度があり、こういった燃料の高騰に合わせて電気代も高騰してしまうのです。

 

そこで電気代を住宅の省エネ・再エネ化が必要になるのです。

 

住宅の電気代を確実に安くする方法は3つ

その方法とは「住宅の省エネ・再エネ化」です。その内容か下記の3つになります。​​​​​​

・高効率家電・設備(省エネ)

・太陽光発電(再エネ)

・断熱性能、気密性能のUP(断熱)

を採用する方法です。

 

・高効率家電・設備とはエコキュート・エコジョーズ・エネファームなどを指します。

実は住宅の光熱費の3割から4割を占めるのが給湯システムになります。

これらの商品はイニシャルコストはかかりますが、今のそしてこれから電気代などの光熱費やその元となるエネルギー価格を考えると検討してみる価値は十分になります。

 

・太陽光発電

太陽光発電、太陽熱利用システムそしてEV充電器や蓄電池です。

東京都では2025年から新築住宅等には太陽光の設置が義務化されます。

太陽光発電4キロシミュレーション

約6年で回収可能という試算が出ています。

 

・断熱性能、気密性能のUP(断熱)

そしてこの3つ中で一番大事なのが断熱・気密です。いくら高効率の家電で節約や太陽光で発電できたとしても建物が外気の影響を受けやすいと意味がなくなります。

 

建築物省エネ法により、2020年に省エネ基準適合が義務付けられました。この法律により2025年以降は省エネ基準を満たしていない建物は建てることができなくなりました。

 

省エネ基準を満たしていない家は2025年まで建てられていますので購入の際は注意が必要となります。また更に2030年までには「ZEHレベル」断熱等級5+1次エネ等級6が適合義務化される予定になっていますので、断熱性能にも着目する必要があるのです。

 

 

 

夏熱くて、冬寒い家の原因の約6割は窓になります。

現在すでに一戸建てにお住まいの方や中古戸建てを東京都で検討されている方はまず窓の断熱性能を上げることが重要です。

 

現在補助金も充実しています。

 

 

従来の日本の家は断熱性や気密性がとても低い家となっています。2025年の断熱基準を基準とすると約9割の家が満たしていません。

今のお住まいもトイレやお風呂場に行くと寒い、料理を作っているときに足元から冷えるなどと思われていませんか。

 

部屋間の寒暖差によるヒートショックヒートショックには気をつけて!|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)が起こる可能性が高まりますし、それだけではなく(窓)サッシに冬場結露が起こっていませんか、結露を拭くだけで大変ですが、結露は目に見える範囲だけで起こっているのではありません。結果、カビやダニの増殖、アレルギー反応を起こし、喘息などの原因に、構造躯体の腐敗・腐食につながるのです。

 

冬の寒さは寒いから我慢すればいいだけではなく建物の寿命健康にも影響があるのです。

 

これから住宅を購入する上ではこれらを意識した住宅を購入する必要があります。

 

今からでもできる電気代の節約方法を伝授

 電力の単位と電気料金は計算できることはご存じですか、電気代を節約するにしても、自分がどれだけの電力を使っているかを知らないと節約の方法もわかりません。自分がどれだけ電力を使っているか、どのくらいの電気代を使っているのかをまずは電力の単位について、解説していきます。

 電力の単位には、家電の仕様書などに記載されている「kW(キロワット)」と、電気代の明細書などに記載されている「kWh(キロワットアワー)」という2つの単位があります。
kW(キロワット)は、使用電力を示す単位です。例えば、30Wの電球を光らせるためには30Wの電力が必要です。100Wの電球は、100Wの電力が必要ですが、30Wの電球と100Wの電球を比べると当然100Wの電球の方が当然明るくなりますが、その分多くの電力を消費してしまいます。
kWh(キロワットアワー)は、「kW(キロワット)」に「h(アワー)」を加えた「kWh(キロワットアワー)」で、電力を1時間、消費または発電した場合の電力量を示す単位です。例えば、消費電力1200Wのドライヤーを10分使用するとしたら1200W×(10分/60分)=200Wh(0.2kWh)が消費電力量です。

電気料金は、消費電力量から計算できます。この記事中では、1kWhあたりの電気代は、31円/kWh(平成26年4月に公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が発表した新電力料金目安単価)と仮定し計算しています。ちなみに2022年7月21日以前の電気料金の目安単価は1kWhあたり27円、2014年(平成26年)以前の目安単価は1kWhあたり22円でした。

例えば、100Wの電球を1時間(1h)つけていた場合、消費電力量は100W×1h=100Wh=0.1kWhで、電気料金は0.1kWh×31円=3.1円となります。もし、24時間つけっぱなしにしていたら、3.1円×24で約74.4円、さらに7日間つけっぱなしだと約520.8円が電気料金となり、毎月の電気代に加算されます。22円の時代だと同じ条件だとしたら、1日52.8円7日で、369.6円現在と比較すると現在は約1.4倍になりこれだけの差がでています。
※実際の1kWhあたりの電気料金は、電力会社やプランで異なっています。利用している電力会社は、1kWhあたりいくらの契約になっているか、電気代の明細書で確認をしてみてください。

こちらの表は電気の使用割合の例になります。

エアコンが38.3%
冷蔵庫12.0%
照明14.9%
給湯3.1%
炊事7.8%
洗濯機・乾燥機1.8%
温水便座0.3%
テレビ・DVD8.2%
パソコンルーター
待機電力0.4%
他8.8%

夏の19時頃の集計となっていますのでエアコンや照明の使用割合が高くなっていることとなっているのと冷蔵庫は常に高い電力使用量になっていることが分かります。

以下でそれぞれの電気代が安くなる節約方法について解説したいと思います。

エアコンの節電の裏ワザは?

 エアコンの節約方法ですが、その前にもやることがあります。夏場の熱気の多くは窓から室内に入り込むことは知られてきています。夏の冷房時に入り込む熱の約73%が窓や扉などの開口部からになります。そこで有効な方法がカーテンになります。カーテンで窓からの熱の侵入を防ぎましょう。
カーテンは、日差しを遮るだけでなく、屋外からの熱気も防ぎます。また、冷房の冷気が逃げるのを防ぐため、冷房が効率的に使えます。外出時にもカーテンを閉め、室内の温度上昇を少しでも抑えましょう。特に厚手のカーテンや遮熱カーテンだとより効果を発揮します。

エアコンのフィルターを小まめに掃除
 エアコンのフィルターは、2週間に1度をめどに掃除をしましょう。フィルターのほこりは、水洗いをするか掃除機で吸いとりましょう。フィルターが目詰まりしているエアコンでは冷暖房の効果が下がり、無駄な電気を使います。例えば、6畳用(2.2kW)のエアコンのフィルターを清掃した場合、年間で電気31.95kWhの省エネになり、年間で約990円の節約になります。

エアコンの室外機の周りにものを置かない
 エアコンの室外機の吹出口に物を置くと、冷房の効果が下がります。室外機の吹き出し口付近やその周辺にものを置いたり、カバーで覆ったりしないよう注意してください。
また、室外機に直射日光が当たると、室外機が温まり冷房効果が低下します。できれば植木やすだれなどで吹出口の邪魔にならないように日陰を作るとより効果的です。

扇風機やサーキュレーターを併用して空気を循環させよう
 空気は、温度が高いと上へ、低いと下へ移動する性質があります。なので、エアコンは上の方についています。エアコンを作動したときも部屋の下のほうだけが冷たいという「温度むら」ができてしまいます。「温度むら」ができていると、エアコンは部屋の上の温かい空気を吸い込んで、まだ部屋が冷えていないと勘違いして部屋を冷やしすぎてしまいます。そこで、エアコンの風向を上方向や水平方向に調整したり、扇風機やサーキュレーターの風を天井へ向けて当てたりして、空気を上から下に循環させましょう。
少し暑いと感じたら、まずは設定温度を下げるよりも、エアコンの風量を強くしたり、扇風機やサーキュレーターを一緒に使ったりすると、同じ温度でも体感温度はより涼しく感じます。

外から帰ってきたらまず換気をしよう
 夏場、家にから帰ってきたら、エアコンを入れる前に、まず、窓を開けて部屋の換気を行う事がポイントです。換気のポイントは、部屋の対角線にある2つの窓を開けて空気の動線を作ることです。部屋の対角線にある2つの窓を開けることで、空気が通りやすくなり部屋全体を換気できます。また、窓が1つしかない部屋の換気は、扇風機やサーキュレーターを窓の外へ向けて設置しましょう。締め切った室内は思った以上に熱がこもっています。まずは、換気を行い部屋の温度を下げてから、エアコンを利用することがポイントです。

冷蔵庫の節電の裏ワザは?

 冷蔵庫の開閉は庫内の冷気が逃げてしまう原因です。冷蔵庫内の温度が上昇すると冷蔵庫は再度庫内を冷すために電力消費量がアップしてしまいます。開閉の回数をできるだけ少なくしたり、開閉時間を短くしたりすることで、節電につながります。また、庫内の温度設定を控えめにすると消費電力が小さくなります。設定温度はできるだけ夏は「中」、冬は「弱」に設定しましょう。周囲の温度が22℃の時、設定温度を「強」から「中」にした場合、年間で電気61.72kWhの省エネになり、約1900円節約できます。

食材を詰め込み過ぎない
 冷蔵庫内に食材を詰め込みすぎると、吹き出し口からの冷気の流れが悪くなり、庫内が均一に冷えなくなります。エアコンと同じような状態です。庫内の温度が上昇すると冷蔵庫は庫内を冷やすために冷却運転を行い、つまり消費電力が増えます。また、庫内の見通しが悪くなるため、ドアの開閉時間が長くなる原因にもなります。ものを詰め込んだ場合と、半分にした場合を比較すると年間で電気43.84kWhの省エネとなり、約1360円節約できます。
できるだけ庫中を整理し冷気の流れが良い状態に保ちましょう。冷蔵庫の中は普段利用していないものや片付けがめんどうくさい食品などが埋まっていませんか。それらを片付けるだけで効果があります。冷凍庫は逆でものを詰め込んでいる方が良いので冷凍庫にはなるべく物を詰め込んでおきましょう。

熱いものは冷やして
 沸かした麦茶やカレーなど熱いものをそのまま冷蔵庫にしまっていませんか?庫内の温度が上がり、冷やすのに余分なエネルギーが消費されてしまいます。それだけではなく他の食品にも悪影響を及ぼすため、熱いものは冷ましてから入れましょう。

冷蔵庫は壁から適切なスペースを取って設置しよう
 冷蔵庫は、庫内を冷やすために外に放熱をしています。そのため放熱のため周囲に隙間(放熱スペース)を空けることにより、冷蔵庫の周囲が壁などに接していると効率よく放熱できるようになります。冷蔵庫の設置に必要な放熱スペースは、一般的には、冷蔵庫の側面0.5~2cm、上部5~30cm以上と言われています。冷蔵庫の機種によっては背面にも隙間が必要な機種もありますので、詳しくは説明書やカタログで確認してください。上と両側が壁に接している場合と片側が壁に接している場合と比較すると、年間で電気45.08kWhの省エネとなり、約1400円節約できます。

照明の節電の裏ワザは?

照明器具の掃除で明るさアップ
 ランプやかさが汚れると、明るさは極端に低下します。ダイニングキッチンなどの汚れやすい場所の照明は、こまめにお手入れしましょう。

点灯時間を短くしよう
 必要のない明りはこまめに消しましょう。長時間部屋を空けるときは消した方が経済的です。ただし、蛍光ランプの場合は、極端に入切するとランプの寿命が縮むので注意しましょう。

12Wの蛍光ランプ1灯の点灯時間を1日1時間短縮した場合、年間で電気4.38kWhの省エネになり、約135円節約できます
9Wの電球形LEDランプ1灯の点灯時間を1日1時間短縮した場合、年間で電気3.29kWhの省エネになり、約100円節約できます
電球形蛍光ランプに取り替える
54Wの白熱電球から12Wの電球形蛍光ランプに交換(年間2,000時間使用)、年間で電気84.00kWhの省エネになり、約2600円節約できます。

電球形LEDランプに取り替える
54Wの白熱電球から9Wの電球形LEDランプに交換(年間2,000時間使用)、年間で電気90.00kWhの省エネになり、約2790円節約できます。

家電や生活習慣での節電の裏ワザは?

テレビでは?
 省エネモードに設定し、画面の輝度を下げ、必要な時間以外は消しましょう。
電源を切る際は、リモコンの電源ではなく、本体の主電源を切り、旅行などで長時間使わない場合はコンセントからプラグを抜きましょう。テレビゲーム後にはゲームの電源だけでなく、一緒にテレビの「主電源」も消しましょう。

洗濯では?
 洗濯はまとめて洗いをしましょう。ですが、詰め込むと汚れがきれいに落ちませんので、洗濯は容量の80%程度を目安にするとよいです。便利ですが、衣類乾燥機や浴室乾燥機の使用もなるべく使わないようにしましょう。

トイレでは?
 夏は、温水洗浄便座のコンセントからプラグを抜き使用を控えましょう。または、温水のオフ機能やタイマー節約機能を利用しましょう。昔ながらのカバーを使ったりするのも一つの手です。

ライフスタイルでは?
 人のいない部屋の照明・エアコン・暖房器具を消すなど、少しの生活習慣が省エネ・節電につながります。家族みんなでリビングに集まっているとその部屋だけに電気使用が集中できるので有効です。

家電製品を買い替えた方がおトクかも?
 家にある家電製品の購入はバラバラだとは思いますが、長く使っている家電はございませんか。昨今の家電製品の省エネ性能の発展はめざましく、例えば、2010年と2020年の製品では、年間消費電力量や機能が大きく異なります。古い製品を使い続けるよりも、思い切って最新の製品へ買い替えることが節電に繋がります。同じエアコンを30年近く使っていて省エネエアコンに買い換えた時に月々の電気代が驚くほど安くなって買い換えた方が機能面はもちろんですが、コスト面でもお得だったなんて話も聞きます。

エアコンや冷蔵庫など、最新の省エネ家電は、10年前の製品と比べて年間消費電力量や電気代がどのくらいおトクなのでしょうか?
1kWhあたりの電気代を31円と仮定し計算しています。

エアコン
 今どきの省エネタイプのエアコンは10年前と比べると約17%の省エネで、年間の電気代で約5140円もおトクです。

冷蔵庫
 今どきの冷蔵庫は10年前と比べると約40~47%の省エネで、約6063円~7910円もおトクです。

照明器具
 電球形LEDランプは一般電球と比べると約86%の省エネで、約2862円もおトクです。

テレビ
 今どきのテレビは9年前と比べると約42%の省エネで、約1846円おトクです。

などなど電気代も高くなっているので、「kW(キロワット)」を参考にして電気代の節約を目指しましょう。
 

 

 

まとめ

 今回は電気代が安くなる方法について解説させて頂きました。電気代の大きなポイントは給湯システム・冷暖房・照明です。国の政策もあり、現在は補助金も充実していますので、この機会に省エネについて検討してみてはいかがでしょうか。

 

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著者情報

宅地建物取引士 刈田 知彰

      (かりた ともあき)

ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。

私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。

 

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著者情報 刈田知彰

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