2022.11.28
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木造戸建てでも、耐震診断できない建物がある。

更新日:2023年12月15日

木造住宅なのに耐震診断できない

 

 

 耐震診断とは主に旧耐震基準で設計され耐震性能を保有していない建物を、新耐震基準で耐震性の有無を確認することです。安心して暮らすために最低限の耐震性能を備えているかどうか調べることができます。

中古住宅を購入する際に住宅ローン減税を使用する為には様々な要件がありますが、その一つに新耐震基準に適合する必要があります。

 

住宅ローン減税について


 こちらは築年月日が一つの基準になります。中古戸建て住宅の場合は「昭和57年1月1日」に建築された建物というのが一つの目安になり、それ以前の建物は基本的には住宅ローン減税が利用できなくなります。

これらの年数を経過した物件に関しては下記をする事によって利用する可能性があります。

 

  • 所有権移転までに耐震基準適合証明書を取得する
  • 所有権移転までに既存住宅売買瑕疵担保保険の加入手続きを行い、付保証明書を取得する
  • 所有権移転後居住開始までに耐震改修工事を行い、耐震基準適合証明書を取得する

 

これらに当てはまると住宅ローン減税を利用することができます。東京中古一戸建てナビではどのような物件でも①から③までのどれかに当てはめて住宅ローン減税の使用を目指していますが、実はすべての物件がこの対象かといわれるとそうではありません。物件によっては耐震基準適合証明書を取得することが出来ない物件があります。

 

今回はどのようなケースが利用できないかを解説させて頂きます。

 

型式認定工法について

まずはハウスメーカーで建てたケースになります。ハウスメーカーで建てられた家は型式認定工法で建てられています。こちらの建物は耐震基準適合証明書を取得することが出来ません。

正確な言い方はできる可能性は残るが費用面などを考慮すると現実的ではないという事です。

また、できる可能性があるとすれば、そのお家を建築したハウスメーカーのみになります。

これらを理由に型式認定工法はクローズド工法とも呼ばれたりします。

 

型式認定工法についてはこちらで詳しく解説しております。

https://www.chukokodate.com/column/detail/?p=22


 

また、木造住宅以外の工法だと費用面でも現実的なコストでは実現できない為、実質は木造住宅に限られます。

 

つまり木造住宅をメインに検討されるのがよい方法になると思います。

詳しくご説明させて頂きます。

 

まず木造住宅の耐震診断は建築士が実施します。

一般財団法人日本建築防災協会が発行している「木造住宅の耐震診断と補強方法」に準じた診断業務が一般的に行われている耐震診断と言われています。

この耐震診断の方法が的お用されるのが木造在来工法2階建て木造在来工法3階建て2×4工法になりますRC造SRC造鉄骨造軽量鉄骨造などの木造以外の工法は対象外になります。

またログハウスのような工法も対象外となります。

 

 

木造でも特殊な構造について

また、木造住宅であっても構造によっては耐震診断ができない場合があります。

イレギュラーな構造大まかに分けると、立面的混構造平面的混構造スキップフロアがあります。

混構造とは、例えば木造にRC造が含まれている場合など、構造部分にメインとは別に他の構造、材料が使用されている場合を混構造と言います。

 

 

上記図をご覧ください。

一階がRC造になっており、その上に2階建てが建っている建物です。

※こちらの立面的混構造は、耐震診断できる可能性もありますので気になる物件がある際はご相談ください。

 

 

 

上記図のように同じフロアに混構造が混ざっている状態です。

 

このように複雑につながっている建物は耐震診断が対象外になります。

元々木造住宅だったが鉄骨で増築した建物などが平面的混構造の建物になることが多いので、増築や改築が行われている場合は確認が必要になります。

 

 

図のように中2階がある物件になります。

スキップフロアの物件も耐震診断の対象外となります。

新築時からスキップフロアの状態の建物は、その建物を設計した建築士であれば耐震性を判断できる可能性が残りますが、費用面などを考えると候補から外すことも考えられた方がよいと思われます。

 

また、2×4やプレハブ工法で建てられたお家で耐震適合をしていない物件に関しては、耐震補強工事のハードルが上がることになります。なぜかというともともと柱がなく壁で作られた建物になるからです。一階の壁をとると2階が落ちてしまいます。また断熱補強も難しくなります。合板も合わせて耐力壁になっているからです。2×4やプレハブ工法の普及率は30%程度になります。これから家探しをする際は将来性も考えて購入されることをお勧め致します。

 

まとめ

耐震診断や耐震補強工事を行えない家の購入はおススメできません。例えばとりあえず住めればよいなど他の理由があり、将来的には取り壊しを検討している場合などは良いかもしれませんが、購入時に住宅ローン減税が利用できない事や更に耐震診断および耐震補強工事ができない物件は将来的により大きな不安要素になるからです。また、耐震診断も基本的には旧耐震の基準で建てられているのか新耐震基準で建てられているのかでは意味がありません。また旧耐震基準を耐震補強工事をして新耐震基準にするのではあまり意味がありません。

 

日本は災害大国です。地震が起こった際に住む家がないというのはとても怖い事です。まず一度、万が一を想定してみてください。地震が発生し倒壊したり、住める状態ではなくなってしまったときのことを、その解決策が耐震等級3への耐震補強です。つまり性能向上リノベーションになります。という事は、元々耐震診断もしくは耐震補強工事ができない物件を購入しないことが重要なのです。

 

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著者情報

宅地建物取引士 刈田 知彰

      (かりた ともあき)

ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。

私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。

新築戸建てから中古戸建てのことならなんでもご相談ください!

著者情報 刈田知彰

 

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