2022.11.30
不動産ガイド 建築・リノベーション 旧耐震 築年月日 性能向上リノベーション

目指せ中古住宅でも耐震等級3! 年代別 建物の耐震性能と注意点

 

目指せ断熱等級3

はじめに

中古住宅を購入するうえでのポイントの一つに、2000年6月以降に建てた(正確に建築確認申請された)家かどうかという分かりやすい指標があります。

  なぜ2000年6月以降なのかご存じでしょうか。

  実は2000年以降に建てられた家は阪神淡路大震災での教訓から建築基準法が改正され、基礎の形状・柱頭、柱脚、筋交いの接合部の接合方法・金物の指定・耐力壁のバランス計算などが必要になっています。

 そのため比較的安心できる指標となっているのです。

 

  日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の調査によると、1950年から2000年までに建てられた、2階建て以下の木造在来工法住宅の9割以上の家の耐震性能が不足しているとのことです。

  そしてこの基準が現行の建築基準法となっていることから、常識的に不動産業者の立場からも安心してご紹介できる指標となっています。現行の耐震基準をクリアしている建物は「耐震等級1」となっています。

  また、平成12年4月1日には「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が施行されており、住宅性能表示制度が始まっているので、性能表示がされた物件か否か、そして、取得している物件では、どのような性能を示しているのかを確認できる可能性はあります。

 

  しかし、ここで一つの問題が発生しています。その問題とは「耐震等級1」は本当に安心して住める家なのかということです。

  先の熊本地震では現行の耐震基準である「耐震等級1」の1.25倍の耐震性能である「耐震等級2」の建物が倒壊しているという現実があります。このことから現行の「耐震等級1」という指標は東京中古一戸建てナビでは最低基準と考えており、「耐震等級3」まで性能向上させる耐震補強が必要だと考えているのです。

  他にも、断熱性能、省エネ基準の問題もありますが、今回は耐震をメインに話していきたいと思います。 

省エネ基準に関してはこちらのページをお読みください。https://www.chukokodate.com/column/detail/?p=18

 

  そこでハイウィルでは現行最大等級である「耐震等級3」を基本仕様として取得できるように、物件調査を行いご提案させて頂いております。

 

それぞれの築年数でのポイント

  建物の経年劣化という意味での築年数も重要となりますが、建築基準法の改正によって大きく築年数を分けることができます。

  先ほど、2000年(平成12年)という一つの目安があったように1981年(昭和56年)にも大きな建築基準法の改正が行われました。改正前の建物を(旧耐震)それ以後を新耐震と呼ぶようになりました。現在は住宅ローン減税の基準も1981年(昭和56年)で設けられています。

 

 

  2000年以降に建てられたお家は、阪神淡路大震災での教訓から建築基準法が改正され、基礎の形状・柱頭、柱脚、筋交いの接合部の接合方法・金物の指定・耐力壁のバランス計算などが必要になっています。そのため比較的安心できる指標となっているのです。

  このようなことから誰もが比較的手の出しやすい建物となりますが、中古住宅の流通では割高なものが多いといえます。しかも、何度も言いますが、2000年基準で建てられた家も熊本地震では倒壊してしまっています。

  但し、耐震補強も2000以前のものとは比較的に簡単になりますし、再利用できる部材も多い事から安価な性能向上リノベーションが可能になるのが特徴になります。

 

  次に中古住宅を購入する上で、最も戸数も多く注目すべきポイントになってくるのが、2000年以前の(新耐震基準)物件になってきます。​通常、日本の中古住宅は築20年~30年を過ぎてくると不動産としての査定の評価がゼロに近づいていきます。解体を前提とした『古屋付き土地』として売られることも多いです。そうした築古物件は土地代のみで購入できる可能性もあります。

新耐震基準の特徴として、壁量規定の強化はされたものの現行基準との比較では、耐力壁(筋交い等)は大幅に不足していると言わざるを得ません。(筋交いではじめて平金物が使われ始めた時代です) もちろんこの年代で耐力壁配置バランスも考慮はされていませんでした。構造接合部の納め方も耐震金物などはなく筋交いの柱頭、柱脚部に釘で留めているだけといったものが多い時代の建物となります。梁に羽子板ボルトなどが設置され始めた時代になりますが、柱や土台への配慮はされていない時代の建物となります。2016年の熊本地震では、土台が基礎から抜けてしまう被害が多数報告されています。

 建物内部全体の工事(内部スケルトン工事)が必要になります。

 

  旧耐震基準の建物に関しては、圧倒的に 壁量が不足しています。またほぼすべての建物が基礎に鉄筋が入っていない、いわゆる無筋基礎であることから、基礎補強が必須になります。築60年を超えると大谷石で基礎を作っている場合や、玉石基礎であることもあります。昭和初期の建物になるとそもそも基礎がない?というケースに遭遇することもありました。その為、旧耐震基準で建てられた建物では、基礎補強プラス内部・外部のスケルトンリフォームを購入の思案の段階から念頭に置いておく必要があります。

 

※基礎に関しては、1971年に建築基準法改正があり、木造の基礎の規定が加わり、基礎の布基礎化が定められた為、71年以後は布基礎で家を建てられている可能性があります。

 

 各耐震基準の物件金額リフォーム内容のイメージを表にすると

 

このようなイメージです。

その年代に合わせて効果的なリフォームを行い耐震等級3を目指しましょう。

詳しいリフォーム工事内容や費用につきましては関連サイトの増改築.comをご覧ください。
耐震補強工事リフォームをケース別に徹底解説網羅!|戸建てフルリフォームなら増改築.com® (zoukaichiku.com)

 

著者情報

宅地建物取引士 刈田 知彰

      (かりた ともあき)

ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。

私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。

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著者情報 刈田知彰

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