エコキュートとは?
エコキュートは、電気を使用してお湯を供給するための給湯設備の一種です。ヒートポンプ技術を利用し空気の熱で湯を沸かすことができる電気給湯機です。冷媒として、フロンではなく二酸化炭素を使用している機種の商品名である。"エコキュート"という言葉は、「エコロジー(環境にやさしい)」と「キュート(可愛らしい)」を組み合わせた造語で、省エネルギーかつ環境に優しい特徴があります。「エコキュート」の名称は、日本の電力会社・給湯機メーカーが使用している愛称で関西電力の登録商標になります。エコキュートの正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」といいます。電気温水器のように金属に電気を流したりするよりも効率が良く、安い夜間電力を使用して効率良くお湯を沸かすので、とても省エネです。従来の電気温水器やガス給湯器よりもランニングコストを抑えられることができます。
以下に、エコキュートの主な特徴と仕組みについて説明します
エコキュートの特長
ここでは、エコキュートの代表的な特徴について解説していきます。
1.給湯にかかる費用が比較的安い
エコキュートはヒーターで加熱をするのではなく、大気の熱をヒートポンプで圧縮して少ない電力でお湯を作ります。
また、夜間の安い電力を使用してお湯を作るので給湯にかかる電気代が安く済みます。
2.大気の熱を使うのでエコ
エコキュートは再生可能な大気中の熱を使ってお湯を作りますので、環境にもお財布にもやさしい給湯機器です。
3.電力のピークシフトに貢献
エコキュートは多くの電力を使う昼間の時間帯は電気を使わず、電力使用量の少ない夜間に運転するため、昼間の電力需要を夜間の時間帯に移行させるピークシフトに貢献します。オール電化住宅の場合は深夜電力が安くなりその時間帯に電力を使いお湯を沸かします。
※設定によって、昼間の電力を使う場合もあります。
エコキュートの仕組み
エコキュートは、下記のような仕組みでお湯を作ります。
1.大気中の空気の熱をヒートポンプユニット内の熱交換器の冷媒が取り込む。
2.取り込まれた熱が、ヒートポンプ内の圧縮機にて高温になる。
3.高温になった冷媒(CO₂)は、ヒートポンプ内の水側熱交換器で水を温めてお湯をつくります。
4.お湯を貯湯ユニットに貯めてます。
5.水側熱交換器で熱を奪われた冷媒(CO₂)は膨張弁に運ばれて、低温になります。
6.貯湯タンク内の高温のお湯は、設定温度になるよう水を混ぜて利用します。
7.貯湯タンク内に貯められたお湯は、お風呂や台所、洗面などに給湯され利用されます。
動作原理(ヒートポンプ技術)
エコキュートは、冷媒に二酸化炭素 (CO2、R744) を用いる。ファンを回転させ外気をヒートポンプ内に取込み、ユニット内のCO2を暖めます。ここではより高温の外気から熱交換器を介してより低温の冷媒を暖めます。すなわち外気の熱エネルギーを冷媒に取り込む。
暖められたCO2を圧縮機に送り圧縮することで、約90℃の高温にする。この高温になったCO2を別の熱交換器を介してタンクの水を温める。すなわち冷媒の熱エネルギーを水に転移し湯とする。その後CO2を膨張弁にかけて膨張させ低温にする。この後、1.の段階に循環する。
省エネルギー
ファンを回転させることを除けば、基本的に圧縮機駆動に電力が使われるのみであり、外気の熱を汲み上げるという意味からヒートポンプと呼ばれる。通常の電熱機器より発熱の効率が3倍から5倍程度良くなるが、外気温が下がると能率が低下し、また貯湯中に熱のロスがあるので総合効率はさらに低下するため、他熱源との比較でのコストメリットが低下する特徴があります。
利便性
一般的に、エコキュートは給湯タンクに蓄熱されたお湯を使用することで、安定した給湯が可能です。
災害時等はを貯湯ユニットに貯められたお湯を利用することも可能です。
エコキュートはエネルギー効率が高く、環境への負荷が少ない給湯設備として注目されています。ただし、設置環境や気候条件によって効果が異なるため、具体的な設置前には慎重な計画と検討が必要になります。
エコキュートのメリットは?
1.エコキュートは外部の空気、天然熱源を活用し、従来の電気給湯器に比べて優れたエネルギー効率を実現します。また、電気代が安い時間帯「主に安い夜間電力」を活用に稼働するので電気代が安くなります。夜間電力が安いプランは深夜料金が高くなりますので、暮らしに合った電力契約タイプを選ぶ事が重要です。
2.再生可能エネルギーの活用により、CO2排出が少なく、環境に配慮した給湯ソリューションとなっています。再生が可能な大気中の熱を使ってお湯をつくりますので、環境にやさしく、地球温暖化を防ぐためにも貢献できます。
3.万が一の災害時にエコキュートの貯湯タンク内にお湯が貯まっていれば、非常時に利用できる。
取り扱っている業者によっては給湯省エネ事業関連の補助金が受けられる場合があります。
エコキュートのデメリットは?
1.設置するための初期費用が高くなります。但し、長期的なエネルギーコスト削減を見込めます。
2.お湯切れの不安がある。泊りの来客が多いと少々不安です。
3.夜間の運転音が気になる。
4.設置スペースが必要。以外に重要なポイントになります。必要なスペースの大きさは製品によっても異なりますが、一般的には貯湯タンクユニットが幅900mm前後、奥行き3000mm前後でヒートポンプユニットが幅550~650mm、奥行き600~750mm程度となります。
5.シャワーの水圧が弱い。
6.気温の依存性。ヒートポンプ技術は外気温に依存するため、低温環境では効率低下が見込まれます。
などのデメリットがありますがシャワーの水圧が弱いのが気になる方は290KPa~360KPa程度の高圧力型のエコキュートがあります。
また、お湯切れが心配な場合には大きめな貯湯タンクのラインナップもあります。利用量にあったエコキュートを選ぶことでデメリットは解決します。
エコキュートのメンテナンスとは?
貯湯タンクはエコキュートにおいて沸き上げたお湯をためておく重要な箇所ですが、タンクには不純物やゴミが溜まりやすいです。
貯湯タンクの掃除を怠ると、不純物やゴミを含んだ不衛生なお湯で入浴することになってしまいます。
エコキュートの貯湯タンクの掃除手順は、下記の通りです。
給水止水栓を閉める
電源扉を開け、漏電遮断器を「切」にする
逃し弁レバーを上げ、約1分間待つ
排水栓を左に回して開ける
排水がキレイになったら排水栓を閉める(2分が目安)
排水が止まったら給水止水栓を開き、お湯が出ることを確認する
お湯が出たらすぐに逃し弁レバーを戻す
漏電遮断器を「入」にする
混合水栓のお湯側を開き、お湯が出ることを確認する
一見手順の多そうに見える貯湯タンクの掃除ですが、タンク内部に沈殿した不純物やゴミは、排水栓から簡単に流すことができます。
タンクの取り外しなどは不要で上記手順により簡単に掃除できるため、一ヶ月に一度くらいの頻度で行いましょう。
貯湯ユニットの清掃(水抜き)
貯湯タンクの給水口ストレーナーの掃除
エコキュートの自分でできるメンテナンスとしては、貯湯タンクの給水口ストレーナーの掃除も必須です。
給水口ストレーナーはお湯を配管に流し込む際の入り口であり、ゴミが貯まるとお湯の出が悪くなります。
給水口ストレーナーの掃除手順は、下記の通りです。
給水止水栓を閉める
電源扉を開け、漏電遮断器を「切」にする
逃し弁レバーを上げ、約1分間待つ
給水口ストレーナーを外してブラシなどで掃除する
給水口ストレーナーを装着する
給水止水栓を開き水漏れが無いか確認する
逃し弁レバーを戻す
漏電遮断器を「入」にする
混合水栓のお湯側を開き、お湯が出ることを確認する
給水口ストレーナーの掃除におけるポイントとしては、必ず漏電遮断器をオフにしてから行うこと、ストレーナー自体の掃除はブラシなどで行うことが重要です。
浴槽フィルターの掃除
エコキュート本体のメンテナンスに加え、浴槽フィルターの掃除も重要です。
浴槽フィルターとは、浴槽内部に取り付けられた金具の内側にあるフィルターのことです。お風呂に溜めたお湯をエコキュートに送る際に、浴槽の大きな汚れをろ過する効果があります。エコキュートの中でも特に汚れが溜まりやすい場所なのでこまめに清掃しましょう。
お湯は給水口ストレーナーから入り、浴槽フィルターから出ていく形となっています。
給水口ストレーナー同様に、浴槽フィルターが汚れたりゴミが詰まっていたりすると、お湯の出が悪くなります。
そのため、浴槽フィルターは1ヶ月に1度以上の頻度で掃除をするのが望ましいです。
1.浴槽フィルターを外す
2.フィルターを水洗いして汚れを落とす
3.汚れが激しい場合は、使い古したハブラシなどで汚れを落とす
4.浴槽フィルターを元に戻す
以上、浴槽フィルターの清掃は完了です。
フィルターを掃除する際には、髪の毛などの大きなゴミを取り除いた後で、ブラシなどで細部を掃除してください。
なお、掃除後にフィルターを取り付けずにシャワーを使用してお湯を流すことは、故障の原因になるため注意が必要です。
必要であれば、取扱説明書を参照の上で洗剤を使って汚れを落としてもよいかもしれません。
エコキュートと浴槽をつなぐ配管の清掃
エコキュートのメンテナンスにおいては、エコキュートと浴槽をつなぐ配管(ふろ配管・追い焚き配管)の掃除も重要です。
その理由は、エコキュートと浴槽をつなぐ配管はお湯の通る頻度が高く、汚れが溜まりやすいためです。
エコキュートには自動配管洗浄機能も搭載されており、この機能を使うことで配管を最低限綺麗に保つ頃はできます。
しかし、自動洗浄機能には限界があるため、半年に一度ほど手動での掃除を行うのがおすすめです。
掃除の方法としては、薬局・ドラッグストアなどで販売されているお風呂用配管洗浄剤などを用い、洗浄剤ごとの指示に従って行ってください。
1.循環口が浸かるように浴槽の水を溜める(残り湯でも可能)
2.浴槽の水に洗剤を溶かす
3.洗浄ボタンを押して1時間程度待つ(洗浄)
4.浴槽の水は一度捨てる
5.循環口が浸かるように再び浴槽の水を溜める
6.洗浄ボタンを押して30分程度待つ(すすぎ)
7.浴槽の水を抜いて完了
漏電遮断器や逃し弁の動作確認・点検
エコキュートのメンテナンスにおいては、漏電遮断器や逃し弁の動作確認・点検も必須です。
漏電遮断器はエコキュートが漏電した際に自動的に電気をオフにする装置です。
漏電遮断器が正常に作動していないと、家全体のブレーカーが落ちて上がらない状態を招いてしまいます。
そのため、定期的な点検によって漏電遮断器の動作を確認することが重要です。
確認手順は、下記の通りです。
電源扉を開けて点検ボタンを押す
漏電遮断器が「切」になれば正常と判断できる
漏電遮断器を「入」に戻し扉を閉じる
また、貯湯タンクの圧力が高くなった際に膨張した水を排出してタンクの安全を守る、逃し弁の点検も行いましょう。
逃し弁が正常に動作しない場合には、タンクの変形や故障、水漏れなどを招きかねません。
逃し弁の動作確認は、沸き上げ・沸き増しを行っていない時間帯に、下記の手順で行ってください。
逃し弁レバーを上げる
排水が始まれば正常と判断できます。
逃し弁レバーを戻して完了です。
凍結防止ヒーターの動作確認・点検
漏電遮断器や逃し弁の動作確認に加えて、凍結防止ヒーターの動作確認・点検も合わせて行いましょう。
外気温が氷点下になる厳寒期には、エコキュートの配管が凍結したりその他の箇所が故障したりするリスクも高まります。
そのため、毎年冬になる前に凍結防止ヒーターの電源を入れ、正常に機能するかどうかを確かめるのがおすすめです。
また、例年よりも厳しい寒さが見込まれる場合などには、別途保温カバーなどを用意するのも一つの手です。
水漏れの点検
エコキュートのセルフメンテナンスとしては、水漏れの点検も挙げられます。
貯湯タンクや周辺の配管から水漏れがあると、正常に運転していてもお湯がたまらない・量が少ないといった症状に見舞われることも多いです。
水漏れの原因としては、下記のようなものが挙げられます。
エコキュートの寿命
長期間に及ぶ不使用
凍結などによる配管の損傷
上記のうちエコキュートの寿命が原因である場合には、本体の交換も視野に入れる必要があります。
なお、集合住宅で水漏れが起きた場合には被害が階下に及びケースもあるため、早急に発見して対処しなくてはなりません。
そのような事態を防ぐためにも、日頃から水漏れがないかを確認しておくのがおすすめです。
エコキュートの寿命は?
エコキュートの寿命は約10~15年といわれています。エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯タンクの2構造でできており、 ヒートポンプユニットで約10~15年 、 貯湯ユニットは約5~15年 といわれています。
エコキュートの選択は具体的な環境や条件によって異なりますので、検討の際にはこれらの要素を考慮することが重要です。
エコキュートメーカー 一覧
① 三菱電機のエコキュート
東京都千代田区丸の内に本社を置く三菱グループの大手総合電機メーカーである三菱電機のエコキュートは、約0.01ミリのごく微細な「マイクロバブル」を利用した自動配管そうじと入浴時のリラックス効果が得られるのが特徴です。エコキュートシャア率NO1とのことです。
② パナソニックのエコキュート
パナソニック株式会社(英: Panasonic Corporation)は、パナソニックホールディングス傘下の日本の大手電機メーカー。エアコンや洗濯機などといった白物家電分野をはじめ、照明器具・配線器具、B2B向けの空調事業などの分野などに重点を置く会社になります。様々な家電に「AIエコナビ」を搭載しているパナソニックは、エコキュートにも「AIエコナビ」を搭載しています。AIがご家庭ごとの使用状況や湯温をチェックすることで、高い省エネ性を実現しています
③ 日立のエコキュート
株式会社日立製作所(ひたちせいさくしょ、英: Hitachi, Ltd.)は、日本の電機メーカーであり、世界有数の総合電機メーカー 。日立グループの中核企業であり、春光グループの春光会、芙蓉グループの芙蓉懇談会、旧三和銀行の取引先企業で構成されるみどり会の会員企業でもあります。日立のエコキュートはエネ性能も業界トップクラスであり、給湯容量320L以上460L未満におけるエコキュートと460L以上550L未満におけるエコキュートでは、省エネ性能No.1 を獲得しています。
④ ダイキンのエコキュート
ダイキン工業株式会社(ダイキンこうぎょう)は、大阪府大阪市北区梅田に本社を置き、約170か国に事業展開し世界五大陸42か国に拠点を持つ空調機、化学製品メーカーであるダイキンは、主にルームエアコンや室外機などの住宅設備を専門に扱うメーカーです。空調専門メーカーとしての技術を活かし、耐久性や安定性に優れたエコキュートが魅力です
⑤ コロナのエコキュート
株式会社コロナ(英: CORONA CORPORATION)は、新潟県三条市に本社を置く、暖房機器・暖房器具や住宅設備機器などの製造販売を行う電機メーカーであるコロナは2001年に世界で初めてエコキュートを発売したメーカーになります。
⑥ 東芝のエコキュート
株式会社東芝(とうしば、英語: TOSHIBA CORPORATION)は、日本の総合電機メーカーです。2017年に事業の分社化・子会社化を完了させているが、電池事業部門 などの事業などは残存しており事業持株会社となっています。
東芝のエコキュートの特徴として、菌の増殖を抑える「銀イオンの湯」が挙げられます。銀イオンを発生するユニットをお湯張り水路に搭載しており、入浴後の浴槽に残ったお湯の除菌・防臭をしてくれます。東芝の試験結果によると、銀イオン設定により菌の繁殖を99%抑制したと報告しています。残り湯を安全に生活用水に活用できるため、月々の水道光熱費の削減につながります。
エコキュートの価格は?
エコキュート設置の価格相場
工事費用を含めたエコキュートの価格は、だいたい45万〜70万円になります。もちろん、種類やタンクの大きさによって異なります。基礎工事や配管工事を追加したり、設置場所を変える場合は、追加料金がかかります。工事費込みの価格であっても、基礎などの追加工事の可能性があることを頭に入れておきましょう。
エコキュート単体の価格相場は
エコキュートを設置するためには、エコキュート単体の価格相場も知っておきたいです。価格は、メーカーやタンクの大きさによって異なります。また寿命があるため、高額すぎるものは費用対効果が悪くなるかもしれません。エコキュート単体の価格相場についてです。
価格相場は20万から35万円程度
エコキュート単体の価格相場は、タンクの大きさや販売店、メーカーにより違いますが、おおよそ20万〜35万円が目安と認識しておいてください。
ガス給湯器と比較すれば、初期費用は高くなります。まずは、見積もりを取って、各メーカーのエコキュートの価格を比較してみましょう。
エコキュートは、ネットや家電量販店、リフォーム業者などで購入できますが、訪問販売には注意が必要です。価格相場から驚くほど離れた価格や、ローンを提示してくる可能性があり、工事についても信用できない可能性が高まります。
「初期費用がかからない」「期間特別割引」「有名電力会社に関係している」「モニター募集」などを謳い文句に訪問販売をしている業者は詐欺かもしれないため、更に注意が必要です。訪問業者により購入を決めたとしても、相見積もりは必ず行いましょう。
寿命があるため売れ筋は20万円前後のもの
他のお湯を沸かす機器の寿命は、13年程度になっていますが、エコキュートは複雑な作りをしているため、もっと寿命が短くなる可能性も懸念されます。そのため、25万円前後の商品が売れ筋になっています。またこの価格は、節電によって元が取れることも考慮されています。
また、故障したエコキュートは、保証期間を過ぎている場合、新しく買い替えたほうが安値になる可能性もあります。「お湯があまり出ない」「水漏れしている」「温度が不安定」などの不具合は、故障前、あるいは故障している時のサインです。
寿命が短くなってしまう原因として挙げられるのは、設置場所が良くない、あるいは入浴剤や水質も故障の要因になることが多いようです。安値の商品ではないので、短期間で買い替えないためにも、今回ご紹介した定期的なメンテナンスや専門家によるメンテナンスをおすすめします。
ポイント
設置する際の費用を抑えるためには、一つの業者に見積もり依頼するのではなく、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。そうすれば、業者ごとの価格を比較でき、最も費用が安い会社や、アフターサービスがしっかりしている企業を選ぶことができます。
設置場所の基礎工事が重要
エコキュート設置の際に重要なのが設置個所の基礎になります。基礎工事の流れを解説します。まずは、基礎となる位置を決め、工事を始めます。エコキュートのタンクは、満水状態であれば500〜600kgにもなり、かなりの重量となります。
つまり、地面の凍結による地盤押上げや、地震などに耐えられるように、基礎工事はしっかりと行う必要があります。余計なトラブルに見舞われないように、安心できる業者を選びましょう。
エコキュート設置の際の補助金は?
エコキュート設置の際の補助金には、2023年「給湯省エネ事業」の後継事業にあたる給湯省エネ2024事業がりようできます。
補助対象となる給湯器は? 助額は?補助の対象となる高効率給湯器とは?
対象の給湯器は表1、それぞれの補助額については表2の通りです。2023年事業よりも補助金額は増額されています。
補助金事務局に登録されている製品のみが対象になります。対象の製品は公式ホームページ上で製品型番検索が可能です。
①ヒートポンプ給湯機(エコキュート)
エネルギーの使用の合理化等に関する法律施行令(昭和54年政令第267号)第18条第26号に掲げる電気温水機器であって、原則、「電気温水機器のエネルギー消費性能の向上に関するエネルギー消費機器等製造事業者等の判断の基準等(平成25年3月1日経済産業省告示第38号)」1(2)に規定する表における区分ごとの基準エネルギー消費効率以上の機器であること。
「おひさまエコキュート」については、おひさまエコキュートに適した測定方法が確立されていないため、前述の基準エネルギー消費効率を満たしていないものも対象とする。
②電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリッド給湯機)
熱源設備として電気式ヒートポンプとガス補助熱源機を併用するシステムで、貯湯タンクを持つ機器
一般社団法人日本ガス石油機器工業会の規格(JGKAS A705)で、年間給湯効率が108.0%以上のもの。
③家庭用燃料電池(エネファーム)
都市ガスやLPガス等から水素を作り、その水素と空気中の酸素の化学反応により発電するもの
一般社団法人燃料電池普及促進協会(FCA)の製品登録に必要な要件を満たしたもの。
①ヒートポンプ給湯機(エコキュート)の補助金額は
8万円から13万円
インターネットに接続可能な機種で、昼間の再エネ電気を積極的に自家消費する機能を有するものであること。
補助要件下限の機種と比べて、5%以上CO2排出量が少ないものとして、a又はbに該当するものであること。(a.2025年度の目標基準値(JIS C 9220 年間給湯保温効率又は年間給湯効率(寒冷地含む))+0.2以上の性能値を有するもの、又は、b.おひさまエコキュート)などにより、補助金額が異なります。
補助対象にならないものは?
・中古品、又はメーカー保証外の機器
・住宅以外に設置するもの
・従前より省エネ性能が下がる機器
・補助事業にかかる経費が補助額を下回る工事
・DIYの工事
・施主支給や材工分離による工事
などは補助対象になりません。
補助対象者は?
給湯省エネ補助金の補助対象者は全世帯であり、戸建て・マンション・アパートの区別もありません。
補助対象者としての要件は以下の通りです。
1.給湯省エネ事業者と契約を締結し、以下①~④のいずれかの方法により本事業の対象設備である高効率給湯器(対象機器)を導入する
①新築注文住宅に、対象機器を購入し、設置する方法【工事請負契約】
②対象機器が設置された新築分譲住宅(戸建または共同住宅等)を購入する方法【不動産売買契約】
③リフォーム時に、対象機器を購入し、設置する方法【工事請負契約】
④既存給湯器から対象機器への交換設置を条件とする既存住宅(戸建または共同住宅等)を、購入する方法【不動産売買契約】
2.対象機器を設置する住宅の所有者等である方
補助対象になる住宅は?
給湯省エネ補助金の対象となる住宅は以下の通りです。いずれも戸建・共同住宅は問いません。
1.新築住宅である:1年以内に建築された住宅で、かつ居住実績がない住宅をいいます
2.既存住宅である:建築から1年が経過した住宅、または過去に人が居住した住宅をいいます
いずれも戸建・共同住宅の別は問いません。
リフォームの場合、別荘や賃貸住宅、シェアハウスも対象、店舗併用住宅の場合は住宅部分のみ対象です。
申請期間は?
工事の引渡し、または工事発注者(補助対象者)による対象機器の利用開始のいずれか早い方で交付申請を行うことができます。
■対象となる工事の着工:2023年(令和5年)11月2日以降
■事業者登録できる期間:2023年事業に登録済み業者は継続参加できる。今から2023年事業に新規登録してもOK。2024年事業の登録開始時期は未発表
■交付申請できる期間:2024年3月(未発表)~終了時期未発表(予算が尽きたら終了)
■申請の方法:ポータルサイトからのオンライン申請のみ
申請のワンポイント
補助金申請は工事完了・引渡し後に一括して行うことができますが、工事着工後であれば予約申請を行うことができます。
補助金への注目度は高まる一方で、2023年事業の「こどもエコすまい支援事業」では申請終了日を待たずに予算が尽きてしまいました。
補助金を見込んで工事を契約したのに、肝心の補助金が受けられない・・・そんな悲劇をできる限り防ぐために、申請予約を積極的に利用していくことをお勧めします。
他の補助金と併用できるの?
他の補助金との併用は
・国の補助金で、補助対象(=住宅リフォーム)が重複する制度との併用は不可
※ただし住宅省エネ2024キャンペーン補助金は併用可能
・各自治体の補助金で、国費が充当されている制度との併用は不可。それ以外は併用可能。
お問合せ先
給湯省エネ2024事業【公式】 (meti.go.jp)
併せてお読みください。
関連サイトの「増改築.com」では更に詳しくリフォームの補助金について解説しています。
【2024年最新版】高断熱窓に最大200万!『住宅省エネ2024キャンペーン』とは? - 戸建てフルリフォーム・フルリノベーションなら増改築.com® (zoukaichiku.com)
エコキュートまとめ
今回はエコキュートについてまとめてみました。エコキュートは現在では約3割のご家庭に採用されています。世界基準はカーボンニュートラルです。家庭で使用するエネルギーの3割が給湯に関してになります。その為、給湯省エネ設備に関しては、エコキュートをはじめエネファームなどの採用は不可欠になってくると思います。最後に、マイホームで、省エネに関する設備は給湯システムだけではありません。エアコンなどの熱源やある意味では電気や水道、ガスを使用する設備もそうです。何かでも、住宅の断熱性能は重要なポイントとなりますので、性能向上リノベーションをご検討の方は是非お問い合わせ下さい。また、省エネ関連コラムも多数掲載しておりますので、是非ご覧ください。まずはこちらから2025年住宅の省エネ基準適合義務化|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)。
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著者情報
宅地建物取引士 刈田 知彰
(かりた ともあき)
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
新築から中古まで戸建てのことならなんでもご相談ください!
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増改築.comでは中古住宅を購入してフルリノベーションするメリット|戸建てフルリフォームなら増改築.com (zoukaichiku.com)を解説しております。