2023.07.05
不動産ガイド 建築基準法 道路

不動産における接道の重要性とその影響

更新日:2024年3月18日

不動産における接道の重要性とその影響

 

 

 

はじめに

不動産における接道は、物件が公道や私道などの道路にどのように接しているかを示す重要な要素です。接道の種類、幅、方向などは、不動産の価値を大きく左右します。この度のコラムでは、接道の重要性とその影響について詳しく解説していきたいと思います。

接道とは、不動産が道路に接している部分のことを指します。これは、物件へのアクセス可能性、視認性、そして開発可能性を決定します。接道が広いほど、物件へのアクセスは容易であり、視認性も高まります。また、接道が広いと、開発の可能性も広がります。道路によって周辺環境が決まると言っても過言ではありません。

接道義務とは

建築基準法により定められた、建物を建てるための土地が一定の条件を満たす道路に接していなければならないという義務のことを指します。都市計画区域や準都市計画区域内で建物を建てる際には、敷地が幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないというルールがあります。

建築基準法により接道とは、不動産における重要な要素の一つで、特に建物を建てる際には無視できない要素です。接道とは、文字通り、土地が道路に接している状態を指します。接道の有無や幅は、建物の建築可能性や土地の価値を大きく左右します。


日本では、接道義務を満たさないと、原則建物の建設が認められません。これは、道路のない場所に建物が立ち並ぶことを防ぐための措置です。しかし、一部の例外的なケースでは、接道義務を満たさなくても建物の建設が認められることもあります。例えば、セットバックや隣地の買収などの方法で接道義務を満たすことが可能です。

接道義務を満たすためには、道路の定義を理解しておくことが重要です。道路には公道と私道があり、どちらでも接道義務を満たせば建築が可能です。また、接道義務を満たすための道路の幅員や長さなどの詳細な条件は、地方自治体や都市計画により異なる場合があります。

接道に関する情報は、不動産の売買や賃貸、建築などの際に重要な判断材料となります。接道の有無や状況を正確に把握し、適切な判断を行うためには、不動産専門家や地方自治体の建築指導課などに相談することが大事です。

道路について日本の法律上の定義

日本の法律上の定義としては、道路法、道路交通法、建築基準法などの法律が、それぞれ道路の定義を定めています。不動産において接道とは建築基準法の「道路」に対しての意味となります。今回のコラムはこの建築基準法の「道路」についての解説となります。

建築基準法の「道路」とは

建築基準法第42条は、以下の1〜5に該当する場合を道路とし、6に該当する場合を道路とみなしている。

1.道路法の道路(国道、都道府県道、市町村道)で、幅員4メートル(一部区域では6メートル)以上のもの

2.都市計画法、土地区画整理法、旧住宅地造成事業に関する法律、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅および住宅地の供給の促進に関する特別措置法、密集市街地整備法に基づいて造られた道路で、幅員4メートル(一部区域では6メートル)以上のもの

3.建築基準法施行時または都市計画区域編入時にすでに存在していた道で、幅員4メートル(一部区域では6メートル)以上のもの

4.道路法、都市計画法等で新設か変更の事業計画がある道路で、2年以内に事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定した幅員4メートル(一部区域では6メートル)以上のもの

5.土地を建築物の敷地として利用するため、道路法、都市計画法等によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、道路の位置について特定行政庁の指定を受けたもので、幅員4メートル(一部区域では6メートル)以上のもの(位置指定道路)

6.上記にはいずれも含まれないが、建築基準法第42条第2項〜第6項に基づき特定行政庁が指定したため、道路とみなされるもの(42条2項道路、42条3項道路など)
公道・私道の区別はなく、自動車専用道路のみ対象外で、幅員4m以上が道路となる。幅員が4m未満であるなど、それ以外のものは、建築基準法上は「道路」とは位置づけられず、建築基準法関連においては「通路」「道」などと呼ばれる。

なお、建築基準法43条の接道基準を満たさないが、同条第43条2項の接道許可を受けた場合の道路について、「2項道路」や「但し書き道路」と言われます。
注意点としては、この接道許可は、都市計画法による開発許可とは異なり、敷地に対してではなく、その敷地に立つ建築計画に対して行うものになります。

 

接道のついてまとめ

不動産における接道は、その物件が公道や私道などの道路にどのように接しているかを示す重要な要素です。接道の種類や幅、方向などは、不動産の価値を大きく左右します。

まず、接道の種類について考えてみましょう。公道と私道の2つの主な種類があります。公道は一般的には誰でも自由に通行でき、安定したアクセスが保証されています。一方、私道は特定の個人や団体が所有しており、その使用には所有者の許可が必要となる場合があります。これは、将来的なアクセスの安定性に影響を与える可能性があります。また、私道の場合は原則、私道の修繕費用等を負担しなければなりません。

次に、接道の幅です。これは、道路の利便性と安全性に直接関係しています。広い道路は、大型車の通行や駐車スペースとしての利用が可能であり、また緊急車両のアクセスも容易です。一方、狭い道路はこれらの利便性が制限される可能性があります。また、接道の幅員で建てられる建物の大きさもかわります。詳しくはこちら簡単にわかる違法建築物の見分け方「建ぺい率(建蔽率)」「容積率」とは?中古住宅購入時の注意点は?|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ 
前面道路の幅で容積率が変わります。の項目をお読みください。

また、接道の方向も重要です。南向きの接道は日当たりが良く、特に住宅物件においては価値を高める要素となります。北向きや西向きの接道は日当たりが悪く、価値が下がる可能性があります。また、角地に位置する不動産は、2方向以上の接道があるため、価値が高まることがあります。
角地のメリット ~建ぺい率緩和について~|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)

以上のように、不動産における接道は物件の価値を決定する重要な要素です。物件を選ぶ際や価格を評価する際には、接道の種類、幅、方向をしっかりと確認しましょう。

このコラムは、不動産における接道の重要性とその影響について詳しく解説しています。接道の種類、幅、方向などが不動産の価値にどのように影響を与えるのかを理解することは、不動産の売買や賃貸、建築などの際に重要な判断材料となります。接道の有無や状況を正確に把握し、適切な判断を行うためには、不動産専門家や地方自治体の建築指導課などに相談することをおススメします。

 

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著者情報

宅地建物取引士 刈田 知彰

      (かりた ともあき)

ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。

私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。

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著者情報 刈田知彰

 

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