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東京で中古戸建て購入時の注意点『縄伸び・縄縮みとは?』
更新日:2024年3月18日
『縄伸び・縄縮み』という言葉を初めて聞かれたことがある方も多いと思いますが、今回は『縄伸び・縄縮み』について解説していきたいと思います。
そもそも縄伸び・縄縮みとは?何のことでしょうか。
まず縄伸びのとは?
実測面積と登記面積は必ずしも一致するとは限らないというのは皆さまご存じだと思います。この実測面積と登記面積を比べた時に実測面積が登記面積よりも大きい場合のことを縄伸びと呼ばれます。
縄縮みとは
逆に縄縮みとは実測面積が登記面積よりも小さい場合に縄縮みと呼ばれます。
「なぜ縄伸び・縄縮み」と呼ばれるかというと江戸時代末期土地の面積を図る際に麻縄を利用して測っていたため、実際に図った際に縄が伸びていたから登記面積が小さくなった(縄伸び)逆に縄が縮んでいたから登記面積が大きくなった(縄縮み)事に由来します。
実際のなぜ差異が生じたのか諸説では税金逃れや測量技術力不足などと言われていますが、本当の原因は分かっていません。
しかし、実際に事実として登記面積と実測面積は食い違っていることがあります。
現在の取引は公簿売買でおこなわれることが多いので中古戸建てや土地の購入時には注意が必要です。
例えば公簿で100㎡の土地を購入したのに、実際に測量したところ90㎡しかなかったなど起こる可能性があるのです。1割面積が小さくなるのなら、売買価格は1割引きして欲しいところですが、契約書には売主及び買主は公簿面積と実測面積との間に差異が生じてもお互いに異議を申し立てないとともに、売買代金増減の請求をしないものとすると明記されていることが多いです。このような場合、1割近い差があるのなら先に教えてもらいたいところです。
以下の場合には登記面積は実際の実測面積と同じか誤差であることが多いです。割と安心して取引することができます。
国土調査が行われた。
土地区画整理事業が実施済みである。
土地改良がおこなわれた農地である。
比較的新しい分譲であり分譲時に測量が行われている
このように新築戸建て住宅の場合は割と公簿面積と実測面積に差がない(誤差)ことが多いですが、築年数が古い物件は更に注意が必要です。
例えば言い方が極端ですが、お金がない売主は測量を依頼するお金もありません。それに加え隣地との境界が不明確な場合は更に対処が難しくなります。このような物件で公簿取引は非常に危険です。
まず参考になるのがこちらです。
公図と現況のずれについては国土交通省に都市再生街区基本調査|地籍調査Webサイト (chiseki.go.jp)で確認することができます。
また、全国的に見ても7割以上現況と公図はずれていることを知っておきましょう。
実際の対策
1境界の確認
まず境界があるかどうかを確認することから始めます。
2資料の収集及び確認
次に公図や地積測量図などを所有者や法務局に確認し入手します。
3現地で照合調査
入手した資料を基に『縄伸び・縄縮み』しているかを確認します。
ここまでの調査結果を基に買主の場合は決めなければなりません。
・境界が分からない隣地と交渉中
・縄伸びしている
・縄縮みしている
などの場合購入するのかしないのか、これから測量する場合はどうするのか、
など状況に合わせて決めなければなりません。
また、売却予定の物件の場合はこの後不明な点があった場合は不動産会社ではなく専門家に調査依頼をする必要があります。
もちろん不動産会社がアドバイスや専門家の紹介はしてくれます。
不明な点が発生した場合まずは、専門家へ相談をすることをおススメします。前述のように面積に大きな誤差がある場合は売買時、または引き渡し後に問題になるケースが多々あります。例えば購入した土地に思っていたプランが入らないや売主の場合は損害賠償請求をされるなどが考えられます。
土地家屋調査士へ依頼し確定測量を行う事が最善です。このような場合は様々なバリエーションが考えられますので、協議しながらケースに合わせた対応が重要となります。
東京23区では、思っている以上にこのような物件多いです。購入の場合は基本的には売主に対応してもらう事が多いですが、隣地の主張やタイミングによっては取引に影響してくる場合もあります。そのような場合も購入決定できるように最適な処置や対策をアドバイスをさせて頂きながら進めさせて頂きます。
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著者情報
宅地建物取引士 刈田 知彰
(かりた ともあき)
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
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