最終更新日:2024/3/6
本コラムでは、中古戸建てのリノベーションにかかる費用について詳しく解説します。リノベーションは、最近注目を集めている建築分野の1つであり、中古住宅の再利用や耐震補強などによって、新築当初より快適な住環境を手に入れることができます。しかし、リノベーションには多額の費用がかかるため、事前にしっかりと見積もりを取り、費用を抑える方法を知っておくことが大切です。
リノベーションは、新築に比べて比較的安価であるだけでなく、既存の建物を再利用して環境にも優しく、個性的な住まいを実現することができます。本コラムでは、リノベーション費用のまとめ、今後のリノベーションにおけるトレンド、リノベーションによって得られるメリットについて解説します。
リノベーションの需要の増加とその背景について
近年、リノベーションの需要が増加しています。その背景には、以下のような理由が挙げられます。
中古住宅の需要の増加
新築住宅に比べて、中古住宅の価格が安価であることから、中古住宅を購入してリノベーションする人が増えています。
節約志向の強化近年、環境問題やエネルギー問題などが注目を集めています。そのため、構造体の再利用するリノベーションやリノベーションによって省エネ性を高めることで、光熱費の削減やCO2削減などにつなげることができます。
耐震補強の需要の増加
阪神・淡路大震災や東日本大震災をきっかけに、耐震性の強化が求められるようになりました。最近では能登半島地震なども発生しその重要性が再度注目されています。リノベーションによって、耐震補強を行うことができます。
などを理由にリノベーションは注目を集めています。
続いて、リノベーションにかかる費用の見積もり方法や、費用を抑える方法について紹介します。さらに、リノベーションにおける失敗例や成功例を交えながら、リノベーションにかかる費用のポイントについて解説します。リノベーションに興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
リノベーションにかかる費用の概要
一戸建てのリノベーションにかかる費用は、建物の規模やリノベーション内容によって大きく異なります。ここでは、リノベーション費用の内訳や平均的な相場、そして費用を決定する要因について解説します。
リノベーション費用の内訳
一般的に、リノベーション費用は以下のような項目で構成されます。
・設計費用:構造計算など、正確な耐震や断熱などの性能を計算する為には、建築家や設計事務所に依頼する必要があります。デザインなどもこだわる場合はデザイン費用もかかります。普通のリフォームでは設計費用が発生することは少ないので、確認しましょう。会社によっては、設計費用を求められます。
・工事費用:リノベーション工事の実施費用。リノベーションの工事内容は多岐にわたります。壁の取り壊しや床の張り替え、配管や電気配線の取り替えなど、屋根や屋外壁工事など工事の規模により費用は大きく異なります。
・建材費用:新しい建材の購入費用。例えば、壁紙やフローリング、キッチンや浴室の設備などです。
・家具・家電費用:新しい家具や家電を購入する費用です。例えば、テレビやエアコン、ソファやベッドなど。
・その他諸費用:印紙税や手数料、保険料などやローンを利用する場合は手数料など、その他必要な諸費用。
などが必要になってまいります。
リノベーション費用の平均的な相場は、以下のように大きさやその仕様で大きく異なってまいります。
・設計費用:50万円〜150万円程度
・工事費用:100万円〜1500万円程度
・建材費用:100万円〜1500万円程度
・家具・家電費用:50万円〜200万円程度
上記の金額に加え、その他諸費用や税金、手数料、保険料などを考慮する必要があります。
リノベーション費用を決定する要因
リノベーション費用は、以下のような要因によって決定されます。
・建物の規模:リノベーション対象の建物の規模が大きいほど、費用も高くなります。
・リノベーションの内容:リノベーションの内容によっても費用は異なります。例えば、キッチンや浴室のリフォームだけならば比較的費用は抑えられますが、壁を取り壊して間取りを変更する場合は費用が高くなります。
・建材の選択:建材によって費用が異なります。高級な建材を選択する場合は費用も高くなります。
・職人の人件費:職人にかかる人件費も費用に影響します。職人の技術や経験に応じて、費用が変動することもあります。近年は職人の不足により年々人件費が高くなっています。
・地域差:地域によっても費用が異なることがあります。大都市圏や人口密集地帯は、費用が高くなる傾向があります。また、駐車場代などの諸費用なども異なります。
これらの要因に加え、オプション工事やリノベーション中に発生するトラブルなども費用に影響します。そのため、リノベーションを行う際には、しっかりと費用の見積もりを行い、余裕を持った予算を計画することが重要です。
まとめると、一戸建てのリノベーションにかかる費用は、建物の規模やリノベーションの内容、建材の選択、職人の人件費、地域差などの要因によって異なります。費用を抑えるためには、しっかりと費用の見積もりを行い、余裕を持った予算を計画することが必要です。また、プロのアドバイスを受けたり、リノベーションの施工業者に相談することで、費用を抑えつつ理想的なリノベーションを実現することが可能です。
リノベーションを行う際に、費用を抑える方法にはいくつかのポイントがあります。以下にそのポイントを紹介します。
DIYでできることについて
リノベーションには、DIYでできることもあります。例えば、壁紙の張り替えや塗装、フローリングの張り替えなどは、比較的簡単に自分でできる作業です。DIYを行う事で、費用を抑えることができます。
中古材を活用する方法について
新しい建材を使うよりも、中古材を活用することで費用を抑えることができます。中古材は、リサイクルショップやネットオークションなどで入手することができます。中古材を使うことで、オリジナリティのあるデザインを実現することもできます。
工務店の選び方について
工務店を選ぶ際には、見積もりだけでなく、施工実績や施工方針、保証内容などをしっかりと比較することが重要です。また、施工実績を実際に見学することで、工務店の技術力や施工品質を確認することもできます。
プロのアドバイスを受ける方法について
リノベーションに関する知識や技術を持つプロのアドバイスを受けることで、費用を抑えながら理想的なリノベーションを実現することができます。プロに相談することで、費用対効果の高いリノベーションを計画することができます。
以上の方法を取り入れることで、一戸建てのリノベーションにかかる費用を抑えることができます。しかし、DIYや中古材の利用には技術や知識が必要です。施工する為に工具などを購入すると以外に高くついてしまうこともありますので注意が必要です。
また、工務店の選び方にも注意が必要です。十分に情報を収集し、プロのアドバイスを受けながら、費用を抑えつつ理想的なリノベーションを実現することをお勧めします。
一戸建てのリノベーションにかかる費用を正確に把握するためには、工事の規模や内容によって異なる見積もりを取得する必要があります。リノベーション費用の見積もりについて、見積もりの流れやポイントについて解説します。
リノベーション費用の見積もりの流れ
リノベーション費用の見積もりの流れは、以下の通りです。
現地調査
リノベーションを行う建物の現地調査を行います。建物の構造や間取り、電気や水道などの設備状況などを確認し、リノベーションの範囲や必要な工事内容を把握します。
設計
リノベーションの設計を行います。リフォーム会社や建築家によって異なりますが、3D CADを使用して設計図を作成することが一般的です。
見積もり作成
設計図をもとに、リノベーション費用の見積もりを作成します。見積もりには、材料費、工事費、設計費、施工管理費などが含まれます。
見積もり提示
見積もりを提示し、契約が成立した場合には、工事を開始します。
リノベーション費用の見積もりのポイント
リノベーション費用の見積もりを比較する場合には、以下のポイントに注目することが重要です。
見積もりの詳細さ
見積もりが詳細であれば、費用がどのように計算されたのかが把握しやすく、比較もしやすくなります。逆に、見積もりが簡略化されていたり、不明な項目が多かったりする場合には、後々追加費用が発生することもあるため、注意が必要です。
見積もりの項目
見積もりには、材料費、工事費、設計費、施工管理費などが含まれますが、どのような項目が含まれているかによって、費用の見積もりが異なります。
【見積もりのポイント】
見積もりには、以下のポイントを考慮することが重要です。
仕様やデザインに関する明確なイメージを持つこと
リノベーション費用は、リフォームする部位や素材、仕様によって大きく異なります。そのため、事前にリフォームのイメージを明確に持つことが大切です。具体的には、リフォームする部位、使いたい素材、イメージするデザインなどを明確にすることが重要です。
見積もりを依頼するリフォーム業者を選ぶこと
リノベーション費用は、業者によって大きく異なります。そのため、見積もりを依頼する前に、信頼できる業者を選ぶことが大切です。業者選びのポイントとしては、実績や口コミ、施工内容などを調べることが挙げられます。
見積もり内容を確認すること
見積もりを受け取ったら、必ず内容を確認しましょう。見積もりの中には、必要のない工事や余分な工事が含まれている場合があります。そのため、見積もり内容をよく確認し、不明点があれば業者に質問することが大切です。
追加費用についても確認すること
リノベーション費用は、予期せぬ追加費用が発生することがあります。そのため、見積もりを依頼する前に、追加費用についても確認することが大切です。また、追加費用が発生した場合には、工事内容や金額についての説明を求めることも重要です。
リノベーション費用の見積もりのポイントまとめ
リノベーション費用の見積もりには、仕様やデザインに関する明確なイメージを持つこと、信頼できる業者を選ぶこと、見積もり内容を確認すること、追加費用についても確認することが重要です。見積もりを依頼する前に、しっかりと準備をして、費用のコントロールを行いましょう。
リノベーションにおいては、慎重に計画を立てなければ、思わぬトラブルが起こることがあります。失敗例から学び、同じ失敗を繰り返さないようにすることが大切です。本記事では、リノベーションにおける失敗例とその費用について解説します。
【リノベーションにおける失敗例について】
リノベーションにおける失敗例としては、以下のようなものがあります。
・予算オーバー
リノベーションは、計画を立てる前にしっかりと予算を決めることが重要です。予算を超えた結果、計画が中止されたり、妥協せざるを得なくなったりすることがあります。
・工期の延長
工事中に予期せぬトラブルが起こった場合、工期が延びることがあります。また、工事計画が甘く、工期が延びることもあります。ある程度延長を許容できる予定を組んでいきましょう。
・施工ミス
施工ミスがあると、やり直しが必要になることがあります。そのため、時間と費用がかかり、計画通りに進まなくなることがあります。
・設計ミス
設計ミスがあると、完成後に使い勝手が悪かったり、機能的に不具合があったりすることがあります。
【リノベーション費用に対してローンを組む場合の注意点】
一戸建てのリノベーションには多くの費用がかかるため、住宅ローンを活用する人が多くいます。しかし、ローンを組む際には注意すべきポイントがいくつかあります。以下では、リノベーション費用に対してローンを組む場合の注意点について詳しく解説します。
【住宅ローンの種類について】
住宅ローンには様々な種類がありますが、リノベーションを行う場合には、「リフォームローン」と「一般住宅ローン」の2つがあります。リフォームローンは、既存住宅の改修に特化した商品で、一般住宅ローンは新築住宅や中古住宅の購入に特化した商品です。リノベーションを行う場合には、リフォームローンを利用することが一般的です。
【ローンの返済期間や金利について】
ローンを組む際には、返済期間や金利についても注意が必要です。返済期間は、短ければ10年、長ければ35年ほどあります。長期間返済する場合、金利が上がる可能性があるため、金利の変動リスクに対しても十分な検討が必要です。また、金利は固定金利と変動金利がありますが、中古戸建てを購入してリノベーションを行う場合はフラット35リノベがおすすめです。固定金利は、金利の変動リスクがないため、長期間返済する場合には安心です。
今後のリノベーションにおけるトレンドについて
現代の住宅リノベーションにおけるトレンドは、持続可能性、テクノロジー、エネルギー効率の高い住宅そしてスペース最適化に重点が置かれています。
持続可能性は、再利用可能な素材の使用、エネルギー効率の向上、および環境に配慮した設計に焦点を当てています。リノベーションプロジェクトで、リサイクル可能な素材やエネルギー効率の高い設備を使用することで、環境に配慮した住宅を実現することができます。
テクノロジーは、スマートホームテクノロジーを含め、コンピュータ技術の進歩によってもたらされた進歩です。スマートホームシステムは、セキュリティ、エネルギー効率、照明、およびエンターテインメントの制御を自動化することができ、快適な生活空間を作り出すことができます。
エネルギー効率の高い住宅へのニーズが高まると予測されます。断熱性能の高い建物や太陽光また、住宅所有者が長期的な住まいづくりをすることで、リノベーションの需要が高まることが期待されます。そのため、維持管理やリノベーションに適した設備機器や建材の使用がトレンドになっています。
スペース最適化は、都市部において狭いスペースの中で最大限の機能性を実現することに焦点を当てています。このトレンドでは、オープンプランキッチン、マルチファンクションルーム、テレワークスペースおよび多目的家具などが人気を集めています。
これらのトレンドは、持続可能性、テクノロジー、エネルギー効率の高い住宅およびスペース最適化を通じて、より機能的で快適な住宅空間を実現するために、今後も引き続き進化し続けることが期待されます。
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著者情報
宅地建物取引士 刈田 知彰
(かりた ともあき)
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
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