最終更新日:2024/3/5
そもそも相場とは、商品が取引される、その時その時の値段。市価。時価。比喩的に、ねうち。
という意味と、現物をやりとりせず、相場の変動に応じて株券などを売買して利益を得る、投機的取引。という意味があります。
不動産相場とは
不動産相場、不動産の価格とは、相場価格とは、過去の成約価格から予測される、今の不動産取引価格のことです。 売出し価格や査定価格とは違うことに注意しなければなりません。
住まいを購入することを決めたら、大きな問題となるのが「価格」です。不動産は個別性の高い資産であるため、売り出される価格が妥当かどうかを判断するのは非常に難しいと思います。特に仲介物件は、売主と買主の交渉によって最終的な販売価格が決定されますので、スーパーのように値段が決まっているわけではなく交渉して決めていくものです。取引価格を決める上で多くのウエイトを占めるのはやはり相場ではないでしょうか。
まずは、不動産価格に関する基本的な考え方や評価方法などを少しでも理解して頂きたいと思いますので、解説していきます。
(1)価格の基本概念を理解する
不動産は2つとして同じものはありません。同じ地域の土地でも、土地の形状、面積、方位、接する道路、土地の状態や状況など様々な要素によって、価格が大きく異なることがあります。また、同じマンションの建物であっても、階数、間取り、部屋の向き、管理状況等によって価格が異なります。このように、不動産価格の妥当性を判断する際には、各物件の特性を踏まえて検討することが必要です。
(2)取引時点が変われば価格も変わる
また、不動産市場には、市場全体の動きがあります。同じ不動産であっても、取引の時点が変われば、価格も大きく変化することがあります。したがって、不動産価格を判断する際には、市場全体の動向を考慮した上で、取引時点に応じて検討する必要もあります。
(3)最終的には売主と買主の合意の価格
不動産取引は、スーパーで買い物をするときのように、表示された価格に対して「買うか買わないか」を選ぶことで成立するものではありません。売主と買主が個別に希望条件を調整し、合意に至って初めて価格が確定することを忘れてはいけません。
このように、不動産価格は個々の「取引」ごとに決定されるため、客観的なデータだけでは完全に検証することができないのです。不動産購入で後悔しないためには、①できるだけ多くの情報を集め(専門家からのアドバイスも含む)、自分自身で価格の検証を十分に行うこと、②最終取引の相手方と誠実に交渉し、自分自身が納得できるようにすることが大切です。
心構え・・・
①は騙されたり、騙されたわけではないにしろ損をしない為に、②は双方が得をし納得するために。
不動産の売買を目的とした評価を一般的に「価格評価」といいます。価格評価にはさまざまな方法がありますが、ここでは、不動産流通推進センターが発行する「価格評価マニュアル」※を参考に、宅地(土地)・マンションの価格評価のおおまかな仕組みを紹介します。ただし、価格評価には個々の物件に合わせた専門的な検討が必要であることをご留意ください。
(1)取引事例比較法(土地・マンションの価格評価の基本的な方法)
土地やマンションの場合、「取引事例比較法」によって評価されることが多い。取引事例比較法とは、売買の対象となる不動産(以下「対象不動産」という)と類似する不動産の取引事例等の価格と比較することにより、対象不動産の価格を評価する方法です。まず、対象不動産と取引事例等となる不動産を比較し、取引事例等の価格を基に対象不動産のおおよその価格水準を評価する。その上で、市場全体の動向を勘案し、取引時期の違いを考慮した一定の調整を行う。
他の取引事例等との比較
対象不動産の個別特性を取引事例等と比較します(例えば、土地の場合、土地価格を対象不動産の価格に調整します。(例えば、土地であれば、対象不動産までの道路の形状、面積、方位、状態等、マンションであれば、階数、間取り、部屋の向き、面積等を比較します)比較項目ごとに対象不動産が取引事例等となる不動産に対して優劣があるかどうかにより、取引事例等の価格を調整し、対象不動産の概算価格を査定します。例えば、対象不動産が取引事例となる不動産に対して10%劣っていると判断した場合、取引事例となる不動産の価格を10%減価させるといったものです。
(2)取引事例等の選定に当たっての留意点
対象不動産と類似した不動産を事例として選定しないと、対象不動産の価値を大きく見誤ることになるため、慎重な事例選定が必要です。以下は、取引事例の選定が不適切な例です。
土地の場合
住宅地での取引例として近隣の商業地を選択
例えば一低層と商業地域では建てれる建物が大きく異なります。注意すべきは同じ町名でも用途地域が分かれている可能性があります。
宅地の通常の取引事例として、住宅地にある広い土地を選択する。
広い土地逆に狭い土地、大きさによって評価額がかわります。狭い土地はわかりやすいと思います。狭小住宅や住宅を建てる事さえままならない土地と、普通のよくある土地では価値が違って当然です。また広い土地も実は同じです。例えば500㎡を超える土地は開発許可を受ける必要があったり、制約を受ける可能性があるからです。細かく事例の条件の確認の必要があるのです。
宅地の取引事例として、10年前の事例を選択する。
1年の間でも相場はかわります。10年前の事例はもう別のどこかの事例になります。
分譲マンションの場合
中古マンションの取引事例として新築マンションを選択する
ファミリーマンションの取引事例として、ワンルームマンションを選定。
比較的新しいマンションの取引事例として、築数十年のマンションを選定するなど。
(3) その他の留意点
対象不動産の価格の鑑定評価は、取引事例等と比較し、取引時の価格を修正することだけで完結するものではありません。その他の要素も加味して、最終的な鑑定評価額を決定する必要があります。また、価格査定を行う際には、不動産会社などの専門家に相談することも重要です。
不動産の価格には根拠があります。また1つとして同じ物件はありません。非常に難しいです。また、買う側目線でも同じことが言えます。好みがあるからです。例えば世間的には南向きの方が人気がありますが、北向きが好きな方もおられます。値段は5%から10%と南向きと北向きでは差が発生しますので、北向きの方からしたらお得になります。そういった考え方で、自分の好みや許容範囲内で安く購入する事もできますし、それを知らなければ損をして購入している可能性もあるのです。また、ここまで、全て勉強して情報集して完璧ですという方もおられると思います。ただ最終的には売主と買主の合意の価格が一番重要なので、自分の根拠を相手に押し付けるという行為はNG行為になります。いざ購入を決めた時は誠心誠意交渉しましょう。
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著者情報
宅地建物取引士 刈田 知彰
(かりた ともあき)
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
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