2023.03.31
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住宅ローンを組む時の注意点~住宅ローンの借入限度額について~
最終更新日:2024/3/6
今回は住宅ローンの借入限度額について解説していきたいと思います。
まず、正確な借入限度額を知る方法は金融機関に打診するしかありません。
その方法は事前審査や本審査(本申し込み)を行うことになります。
ですが、事前審査を行う場合には対象の物件が決まっている必要があります。
つまり、対象物件を決めてから事前審査という流れになるのですが、物件を探す前にどのくらい金融機関から借り入れ出来るのかを知りたい方は多いはずです。
実際にどのくらいの額を借入できるのか、どのくらいの借入額にしたら良いのかなど、
このコラムでは住宅ローンの借入限度額に関して解説していきたいと思います。
住宅ローンの借入限度額に影響する要因は大きく分けて4つです。
1.物件の担保価値
2.社会的な属性
3.審査金利や返済比率(返済負担率)など
4.住宅ローン以外の借入
1.物件の担保価値
銀行によって異なります。新築の方が得意な金融機関や中古の方が得意な金融機関、リフォームで担保評価があまり変わらない金融機関などがあります。結局のところ、これから説明する内容をクリアしても住宅ローンの借入ができない可能性があることを理解しましょう。
2.社会的な属性
社会的な属性は、年収、勤続年数、勤務先、年齢、雇用形態です。
雇用形態
雇用形態には正社員、自営業者、契約社員、パート、アルバイト、無職です。
基本的には住宅ローンは正社員の方に向けて作られた商品になっていると思います。
正社員以外の方は借入できる金融機関は限られます。また年収的にみてもアルバイトで年収400万円以上の方などは珍しいと思いますので、雇用形態以外でも問題があると思います。
勤務先
・大手企業
・中小企業
・零細企業
・公務員など
勤務先が安定しているほど、良いとされます。
勤続年数
勤務先も関係してきますが、基本的には1年以上は必要になります。
3年以上お勤めであれば基本的にはどの銀行も問題なくなります。勤続年数が短い場合はその転職がステップアップの為など、理由を先に説明おくとよいでしょう。
年収
年収の大きな分かれ目は400万円になります。こちらも各銀行によってまちまちです。
年齢
年齢は大多数の銀行が80歳時に完済という形になります。つまり50歳の方は30年以下のローンしか組めなくなってしまいます。また、50歳などになると働ける期間が短くなるので、厳しく審査される可能性があります。
3.審査金利や返済比率(返済負担率)など
住宅ローンの審査は返済比率(返済負担率)で審査されます、
返済比率(返済負担率)とは年収に対して年間返済額がどのくらいを占めるのかという比率のことを指します。
例えば返済比率40%の場合ですと、年収1000万円の方の年間返済額は400万円までというわけです。
次に年間返済額はどうやって計算するのでしょうか。こちら年間返済額は借入希望年数と審査金利によって決まります。
審査金利は銀行によってまちまちですが、大きく分けて2パターンあります。フラット35などは借入金利=審査金利になりますので、金利が低い時期には沢山借りることが出来ます。その他銀行にもよりますが、審査金利は3%から4%ぐらいの銀行が多くあります。また、銀行内部によっても審査金利は変わることもあります。申込者の属性をみながら判断されます。
4.住宅ローン以外の借入
住宅ローン以外の借入とは
・クレジットカードのキャッシング
・車のローン
・消費者金融の借入
・携帯電話のローンなどです。
こちらは上記の返済比率に入れて計算されます。その計算方法は銀行によって異なりますが、基本的には月々の返済額が1万円ある場合おおよそ300万円程度借入しているとみなされて計算されますので、住宅ローンの借入がある場合また、月々の返済額が多い場合は5万円だと1500万円借入していることになってしまうので審査が厳しくなってしまいます。
住宅ローンの借入をお考えの場合はまず住宅ローン以外の借入の完済を先に考えなければなりません。また、このような借入の返済に延滞などがあると審査はかなり厳しくなりますので、注意が必要です。昨今特に携帯電話の機種代の未払いなどが原因で住宅ローンの借入が出来なかった人を目にしますので、皆さまも気を付けましょう。
延滞がある場合の対処法
1度や1度なら正直に説明して、理由を伝えます。
また、延滞が多い場合はローンを組むことはかなり難しくなります。このような場合は延滞を解消してから2年間延滞なしで返済していきましょう。クリアすると個人信用情報(ブラックリスト)と呼ばれているデータから消えてなくなります。完済してしまうと、5年から7年程度時間の経過が必要な場合が出てまいります。
下記の表が借入可能額早見表になります。最初の表は厳しい審査の銀行を参考に作成し、下記の表はフラット35を参考に作成しています。
ご年収が500万円の場合で35年間住宅ローンを組む可能な方は上記の表でしたら3294万円フラット35では4429万円借りれすることが可能になります。
住宅ローンの全体の借入上限が存在します。融資限度額というのですがフラット35の場合は8,000万円民間の金融機関は1億、最近では2億の銀行もでてきました。それ以上は個別案件なりますので、その都度相談が必要になります。
上記の二つの表のように住宅ローンを借入出来る額は金融機関によってばらつきがあることがお分かり頂けたと思います。
こららの数値は借入限度額を示した表になりますので、実際の借入額はこの表より少なくすることが望ましいとい思います。
また、表の金額よりも前述の内容によって借入額が少なくなったりする可能性も十分にあります。
一般的に、住宅費は手取り額の30%ぐらいが理想的であると言われていますので、総所得で計算する金融機関の審査は少し甘めに設定してあると思います。
もちろんこれから年収が増える方もおられますので、一概に甘いめに設定してあるとは言い難い側面もありますので、そのあたりも考慮が必要になります。
但し、住宅ローンの支払いが心配なとき、「不動産会社の営業マン」に銀行ローンが通ったら大丈夫です。などの言葉には騙されないようにしましょう。
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著者情報
宅地建物取引士 刈田 知彰
(かりた ともあき)
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
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