更新日2024/2/24
道路の調査シリーズ第3弾です。今回は告示建築線について解説していきます。
過去の記事はこちら
道路シリーズその①~2項道路について~|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)
道路シリーズその➁~位置指定道路~|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)
告示建築線はその性質上建築基準法42条1項5号道路の補足になります。
話は、建築基準法の旧法にあたる市街地建築物法に遡ります。今では建物を建てる許可は建築主事がおろしていますが、当時(昭和25年以前)は警視総監が許可をしていました。その時に狭あい道路(主に4m未満の道路)をより安全に利用する為、警視総監が建築線を当時指定し、これを公示によって公表されていたので、告示建築線と言われています。市街地建築物法は昭和25年の建築基準法と同時に廃止されましたが、告示建築線は引き継がれまして、建築基準法42条1項5号道路とみなすとされました。
つまり告示建築線は建築基準法42条1項5号道路の一つと考えます。建築基準法42条1項道路は原則幅員4m以上と決まられていますが、告示建築線は狭あい道路に指定されていますので、現況幅員が4mないものも存在するのです。
そこで告示建築線について注意すべき点についてお話します。
図のように4m以上(中心後退ではない可能性もあり)を保たなければならないのでセットバックの可能性があります。また、L形側溝の外側までを道路の幅とします。
1 2項道路です。2項道路は原則として道路の中心線から2m後退したところが敷地と道路との境界線になりますが、告示建築線は必ずしも2m後退したところとは限りません。場合によっては2.727m後退する必要があります。また必ずしも中心から後退というわけでもございません。
警視総監が定めた建築線を確認する必要があります。告示建築線が18尺(5.545m)と定められている場合半分で2.727mとなります。
2 1項5号道路ですので、幅員が4m以上の場合、そこで調査を終わらせてしまう可能性があり、見過ごすことがあります。
告示建築線に指定されていた場合、現状ですでに幅員が4mあるのだが上記のように2.727m後退する必要がある可能性があり、もっと広げなければならないことも十分考えられるのです。
4mでもさらにセットバックする必要があるので、注意が必要なのです。
基本的には道路の調査と同じです。
1つ目は道路管理者の調査を行う。
管理方法が複雑な場合はそこも含めて検討することが重要です。
2つ目は建築基準法上の道路を確認する。
3つ目告示建築線に該当する場合は告示建築線の後退ラインは【建築基準法担当部署】で直接確認す必要があります。
中心後退もしくは一方後退の可能性もあります。
最後に現地確認を行いましょう。
道路の調査(告示建築線)についての解説でしたが、いかがでしたでしょうか。関係ない方には興味のない話ですが、実家の建て替えなどで「初めて知ってビックリした」とか「思った家が建てられなかった」等のことが無いように気を付けましょう。また、所有物件でセットバックの必要がある場合などは、リフォームで乗り切るという考え方もあります。そのような方も東京中古一戸建てナビにご相談くださいませ。
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著者情報
宅地建物取引士 刈田 知彰
(かりた ともあき)
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
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