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目次
1. 相続した実家、まず何をすべき?
親の実家を相続したとき、多くの方が「どうすればいいか分からない」という状態に陥ります。感情的にはすぐに手放しにくいけれど、放置すれば固定資産税がかかり続け、建物は劣化していく。これは非常に切実な問題です。
まず最初にやるべきことは、以下の3つの「現状把握」です。
- 相続登記:2024年4月1日から相続登記が義務化。相続を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料
- 建物の状態確認:実際に現地を訪問し、建物の劣化状態・周辺環境を確認
- 不動産の評価額確認:固定資産税の納税通知書で評価額を確認。不動産会社に査定を依頼するとより正確
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2. 選択肢1:自分で住む
こんな方におすすめ
- 現在賃貸に住んでおり、住居費を削減したい
- 実家の立地が通勤・通学に便利
- 思い出のある家を残したい
メリット
- 住居費が大幅に減る:家賃やローン返済がなくなる
- 「小規模宅地の特例」が使える:相続税評価額が最大80%減額される(条件あり)
- 思い出の家を残せる
注意点
- 築年数が古い場合、リフォーム費用が数百万円〜1,000万円超かかることがある
- 兄弟姉妹がいる場合、遺産分割の公平性が問題になることがある
- 固定資産税・メンテナンス費用は自己負担
3. 選択肢2:売却する
こんな方におすすめ
- すでに自宅を所有しており、実家に住む予定がない
- 遺産分割で現金化が必要
- 遠方にあり管理が難しい
メリット
- まとまった現金が手に入る:遺産分割がスムーズになる
- 維持費の負担がなくなる:固定資産税・メンテナンス費から解放
- 「相続空き家の3,000万円特別控除」が使える可能性(条件あり)
「相続空き家の3,000万円特別控除」とは
相続した空き家を売却する際、一定の条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。主な条件は以下の通り。
- 被相続人(故人)が一人暮らしだった家であること
- 1981年5月31日以前に建築された家屋(旧耐震基準)
- 相続開始から3年後の12月31日までに売却
- 売却価格が1億円以下
- 耐震リフォーム済み、または更地にして売却(2024年改正により、譲渡後に買主が耐震改修・除却を行う場合も適用可能に)
- 適用期限:令和9年(2027年)12月31日まで(延長済み)
- 相続人が3人以上の場合は控除額が1人あたり2,000万円に縮小(2024年改正)
4. 選択肢3:賃貸に出す
こんな方におすすめ
- 立地が良く賃貸需要が見込める
- 将来的に自分で住む可能性がある
- 家を手放したくないが、維持費を賄いたい
メリット
- 家賃収入が得られる:維持費以上の収入になれば不労所得に
- 資産を保持できる:将来の選択肢を残せる
- 建物の劣化を遅らせられる:人が住むことで換気・通水が行われ、空き家より劣化が遅い
注意点
- 築古物件はリフォームしないと借り手がつかないことが多い
- 空室リスク・滞納リスクがある
- 大家としての管理業務(修繕対応・入居者トラブル等)が発生
- 「相続空き家の3,000万円特別控除」は賃貸に出すと適用外になる
💡 施工現場からのアドバイス
相続した実家の問題を先送りにして「とりあえず空き家のまま」にする方が非常に多いのですが、これが最もコストがかかる選択肢です。
空き家は人が住まないことで急速に劣化します。換気がされないとカビが発生し、通水しないと配管が錆びて使えなくなります。1年放置しただけで雨漏り・シロアリ・害獣侵入が発生するケースも珍しくありません。
私がご相談を受ける中で最も多い後悔は、「もっと早く決断していればよかった」という声です。空き家を3年間放置した結果、建物の劣化が進んで売却価格が500万円下がったケースもありました。
相続後6ヶ月以内に方針を決めることを目標にしてください。
5. 選択肢4:空き家のまま維持する
年間の維持コスト
- 固定資産税・都市計画税:10〜20万円/年
- 火災保険(空き家は割高):3〜8万円/年
- 最低限のメンテナンス(草刈り・清掃・通水・換気):5〜15万円/年
- 年間コスト合計:18〜43万円
空き家のリスク
- 「特定空家」「管理不全空家」に指定されると固定資産税が最大6倍:2023年12月施行の改正で、「特定空家」に加え「管理不全空家」(放置すれば特定空家になる恐れがある空き家)も住宅用地特例の解除対象に。固定資産税が最大6倍に
- 近隣トラブル:草木の繁茂、害虫・害獣、防犯上の問題で近隣からの苦情
- 資産価値の下落:建物は使わないと急速に劣化し、売却時の価格が下がる
6. 判断フローチャート
以下の質問に順番に答えて、最適な選択肢を見つけましょう。
Q1:自分(または家族)が実家に住む予定がありますか?
- はい → 「自分で住む」を検討。リフォーム費用を見積もりましょう
- いいえ → Q2へ
Q2:将来的に住む可能性はありますか?
- はい → 「賃貸に出す」を検討。ただし3,000万円特別控除が使えなくなる点に注意
- いいえ → Q3へ
Q3:実家の立地は良いですか?(駅徒歩15分以内、人口増加エリア等)
- はい → 「売却」がおすすめ。立地が良ければ高値で売れる可能性大
- いいえ → Q4へ
Q4:建物の状態は良いですか?(築30年以内、大きな修繕不要)
- はい → 「売却」または「賃貸」。建物価値が残っているうちに活用
- いいえ → 「更地にして売却」を検討。建物の解体費用は木造で100〜200万円程度
7. 相続した実家にかかる税金
相続税
基礎控除額は「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」。例えば相続人が2人なら4,200万円。遺産総額がこの金額を超えなければ相続税はかかりません。
固定資産税・都市計画税
相続した瞬間から毎年かかる税金。住宅が建っている土地は「住宅用地の軽減措置」で固定資産税が最大1/6になっていますが、更地にするとこの軽減がなくなります。
譲渡所得税(売却時)
売却した場合、利益(譲渡所得)に対して課税されます。
- 所有期間5年以下(短期):税率 約39.63%
- 所有期間5年超(長期):税率 約20.315%
※相続の場合、被相続人の取得日を引き継げるため、ほとんどのケースで「長期」に該当します。
8. 相続から売却までの手続きと期限
- 相続発生(被相続人の死亡)
- 3ヶ月以内:相続放棄をするなら家庭裁判所に申述
- 4ヶ月以内:被相続人の準確定申告
- 10ヶ月以内:相続税の申告・納付
- 遺産分割協議:相続人全員で遺産の分け方を決定
- 3年以内:相続登記(2024年4月〜義務化)
- 相続開始から3年後の12月31日まで:「相続空き家の3,000万円特別控除」の適用期限
9. まとめ
- 相続登記は3年以内に必ず行う(2024年4月〜義務化)
- 選択肢は「住む」「売る」「貸す」「維持する」の4つ
- 空き家のまま放置が最もコスト高。年間18〜43万円+建物劣化リスク
- 売却する場合は「3,000万円特別控除」の期限(相続から3年後の12月31日)に注意
- 相続後6ヶ月以内に方針を決めるのが理想
- 迷ったら不動産のプロに査定・相談を
宅地建物取引士 刈田 知彰(かりた ともあき)
中古住宅売買の専門家。不動産業界16年のキャリアを持ち、新築マンション販売から中古戸建て・リノベーション専門へ転向。「買ってからがスタート」をモットーに、構造・耐震・断熱など建物の本質を見極めた住まい選びをサポートしています。
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