2026.04.15
不動産ガイド

相続した実家どうする?売却・賃貸・住む…最適な判断フローチャート

相続した実家どうする?判断フローチャートのイメージ画像

目次

1. 相続した実家、まず何をすべき?

親の実家を相続したとき、多くの方が「どうすればいいか分からない」という状態に陥ります。感情的にはすぐに手放しにくいけれど、放置すれば固定資産税がかかり続け、建物は劣化していく。これは非常に切実な問題です。

まず最初にやるべきことは、以下の3つの「現状把握」です。

  1. 相続登記:2024年4月1日から相続登記が義務化。相続を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料
  2. 建物の状態確認:実際に現地を訪問し、建物の劣化状態・周辺環境を確認
  3. 不動産の評価額確認:固定資産税の納税通知書で評価額を確認。不動産会社に査定を依頼するとより正確

相続した実家のご相談、承ります

『東京中古一戸建てナビ』では、相続不動産の査定・売却・活用のご相談を承っています。

無料会員登録はこちら

2. 選択肢1:自分で住む

こんな方におすすめ

  • 現在賃貸に住んでおり、住居費を削減したい
  • 実家の立地が通勤・通学に便利
  • 思い出のある家を残したい

メリット

  • 住居費が大幅に減る:家賃やローン返済がなくなる
  • 「小規模宅地の特例」が使える:相続税評価額が最大80%減額される(条件あり)
  • 思い出の家を残せる

注意点

  • 築年数が古い場合、リフォーム費用が数百万円〜1,000万円超かかることがある
  • 兄弟姉妹がいる場合、遺産分割の公平性が問題になることがある
  • 固定資産税・メンテナンス費用は自己負担

3. 選択肢2:売却する

こんな方におすすめ

  • すでに自宅を所有しており、実家に住む予定がない
  • 遺産分割で現金化が必要
  • 遠方にあり管理が難しい

メリット

  • まとまった現金が手に入る:遺産分割がスムーズになる
  • 維持費の負担がなくなる:固定資産税・メンテナンス費から解放
  • 「相続空き家の3,000万円特別控除」が使える可能性(条件あり)

「相続空き家の3,000万円特別控除」とは

相続した空き家を売却する際、一定の条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。主な条件は以下の通り。

  • 被相続人(故人)が一人暮らしだった家であること
  • 1981年5月31日以前に建築された家屋(旧耐震基準)
  • 相続開始から3年後の12月31日までに売却
  • 売却価格が1億円以下
  • 耐震リフォーム済み、または更地にして売却(2024年改正により、譲渡後に買主が耐震改修・除却を行う場合も適用可能に)
  • 適用期限:令和9年(2027年)12月31日まで(延長済み)
  • 相続人が3人以上の場合は控除額が1人あたり2,000万円に縮小(2024年改正)

4. 選択肢3:賃貸に出す

こんな方におすすめ

  • 立地が良く賃貸需要が見込める
  • 将来的に自分で住む可能性がある
  • 家を手放したくないが、維持費を賄いたい

メリット

  • 家賃収入が得られる:維持費以上の収入になれば不労所得に
  • 資産を保持できる:将来の選択肢を残せる
  • 建物の劣化を遅らせられる:人が住むことで換気・通水が行われ、空き家より劣化が遅い

注意点

  • 築古物件はリフォームしないと借り手がつかないことが多い
  • 空室リスク・滞納リスクがある
  • 大家としての管理業務(修繕対応・入居者トラブル等)が発生
  • 「相続空き家の3,000万円特別控除」は賃貸に出すと適用外になる

💡 施工現場からのアドバイス

相続した実家の問題を先送りにして「とりあえず空き家のまま」にする方が非常に多いのですが、これが最もコストがかかる選択肢です。

空き家は人が住まないことで急速に劣化します。換気がされないとカビが発生し、通水しないと配管が錆びて使えなくなります。1年放置しただけで雨漏り・シロアリ・害獣侵入が発生するケースも珍しくありません。

私がご相談を受ける中で最も多い後悔は、「もっと早く決断していればよかった」という声です。空き家を3年間放置した結果、建物の劣化が進んで売却価格が500万円下がったケースもありました。

相続後6ヶ月以内に方針を決めることを目標にしてください。

5. 選択肢4:空き家のまま維持する

年間の維持コスト

  • 固定資産税・都市計画税:10〜20万円/年
  • 火災保険(空き家は割高):3〜8万円/年
  • 最低限のメンテナンス(草刈り・清掃・通水・換気):5〜15万円/年
  • 年間コスト合計:18〜43万円

空き家のリスク

  • 「特定空家」「管理不全空家」に指定されると固定資産税が最大6倍:2023年12月施行の改正で、「特定空家」に加え「管理不全空家」(放置すれば特定空家になる恐れがある空き家)も住宅用地特例の解除対象に。固定資産税が最大6倍に
  • 近隣トラブル:草木の繁茂、害虫・害獣、防犯上の問題で近隣からの苦情
  • 資産価値の下落:建物は使わないと急速に劣化し、売却時の価格が下がる

6. 判断フローチャート

以下の質問に順番に答えて、最適な選択肢を見つけましょう。

Q1:自分(または家族)が実家に住む予定がありますか?

  • はい → 「自分で住む」を検討。リフォーム費用を見積もりましょう
  • いいえ → Q2へ

Q2:将来的に住む可能性はありますか?

  • はい → 「賃貸に出す」を検討。ただし3,000万円特別控除が使えなくなる点に注意
  • いいえ → Q3へ

Q3:実家の立地は良いですか?(駅徒歩15分以内、人口増加エリア等)

  • はい → 「売却」がおすすめ。立地が良ければ高値で売れる可能性大
  • いいえ → Q4へ

Q4:建物の状態は良いですか?(築30年以内、大きな修繕不要)

  • はい → 「売却」または「賃貸」。建物価値が残っているうちに活用
  • いいえ → 「更地にして売却」を検討。建物の解体費用は木造で100〜200万円程度

7. 相続した実家にかかる税金

相続税

基礎控除額は「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」。例えば相続人が2人なら4,200万円。遺産総額がこの金額を超えなければ相続税はかかりません。

固定資産税・都市計画税

相続した瞬間から毎年かかる税金。住宅が建っている土地は「住宅用地の軽減措置」で固定資産税が最大1/6になっていますが、更地にするとこの軽減がなくなります。

譲渡所得税(売却時)

売却した場合、利益(譲渡所得)に対して課税されます。

  • 所有期間5年以下(短期):税率 約39.63%
  • 所有期間5年超(長期):税率 約20.315%

※相続の場合、被相続人の取得日を引き継げるため、ほとんどのケースで「長期」に該当します。

8. 相続から売却までの手続きと期限

  1. 相続発生(被相続人の死亡)
  2. 3ヶ月以内:相続放棄をするなら家庭裁判所に申述
  3. 4ヶ月以内:被相続人の準確定申告
  4. 10ヶ月以内:相続税の申告・納付
  5. 遺産分割協議:相続人全員で遺産の分け方を決定
  6. 3年以内:相続登記(2024年4月〜義務化)
  7. 相続開始から3年後の12月31日まで:「相続空き家の3,000万円特別控除」の適用期限

9. まとめ

  • 相続登記は3年以内に必ず行う(2024年4月〜義務化)
  • 選択肢は「住む」「売る」「貸す」「維持する」の4つ
  • 空き家のまま放置が最もコスト高。年間18〜43万円+建物劣化リスク
  • 売却する場合は「3,000万円特別控除」の期限(相続から3年後の12月31日)に注意
  • 相続後6ヶ月以内に方針を決めるのが理想
  • 迷ったら不動産のプロに査定・相談
刈田知彰

宅地建物取引士 刈田 知彰(かりた ともあき)

中古住宅売買の専門家。不動産業界16年のキャリアを持ち、新築マンション販売から中古戸建て・リノベーション専門へ転向。「買ってからがスタート」をモットーに、構造・耐震・断熱など建物の本質を見極めた住まい選びをサポートしています。

その他読んで頂きたい関連コラム

会員様限定の『非公開不動産』を閲覧したい!

カンタン無料会員登録で、一般には公開されていない物件情報をご覧いただけます。

今すぐ無料会員登録

お電話でのお問い合わせ:0120-246-991

会員様限定の「非公開不動産」を閲覧したい!カンタン無料会員登録

現在87件ご紹介可能!

売主様のご要望で一般には公開していない
「非公開不動産」を会員様だけに限定公開しています。

今すぐ無料会員登録