目次
1. はじめに|リノベーション費用の「相場感」をつかもう
「中古一戸建てを買ってリノベーションしたいけど、いくらかかるの?」。これは私がお客様から最も多く受ける質問のひとつです。
不動産業界16年の経験から申し上げると、リノベーション費用は「どこまでやるか」で大きく変わります。同じ築25年の家でも、300万円で済む場合も1,500万円かかる場合もあるのです。
この記事では、部位別・予算別の費用相場と、失敗しないためのポイントを現場のリアルな数字でお伝えします。
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2. フルリノベーションの費用相場
まずは、家全体をリノベーションする「フルリノベーション」の相場です。
| 建物規模 |
フルリノベ費用目安 |
| 延床60~80m2(2階建て) |
800万~1,200万円 |
| 延床80~100m2(2階建て) |
1,000万~1,500万円 |
| 延床100~120m2(2階建て) |
1,200万~1,800万円 |
| 延床120m2以上 |
1,500万円~ |
フルリノベーションとは、構造体(骨組み)だけ残して内装・設備・断熱をすべてやり直す工事です。「スケルトンリノベーション」とも呼ばれます。新築同様の住み心地になりますが、新築を建てるより約3~5割安く済みます。
3. 部位別のリノベーション費用
部分的なリノベーションの場合の費用目安です。
| リノベ内容 |
費用目安 |
工期目安 |
| キッチン交換 |
80万~200万円 |
3~7日 |
| 浴室交換 |
80万~150万円 |
3~5日 |
| トイレ交換 |
20万~50万円 |
1~3日 |
| 洗面台交換 |
15万~40万円 |
1~2日 |
| 水回り3点セット(キッチン+浴室+トイレ) |
200万~400万円 |
1~2週間 |
| 水回り4点セット(+洗面台) |
250万~450万円 |
1~2週間 |
| 外壁塗装 |
60万~120万円 |
2~3週間 |
| 屋根塗装・葺替え |
50万~150万円 |
1~2週間 |
| 間取り変更 |
50万~200万円 |
2~4週間 |
| フローリング張り替え |
30万~80万円 |
2~5日 |
私のお客様で最も多いのが「水回り3点セット+フローリング+クロス」という組み合わせで、費用は300~500万円程度です。見た目が劇的に変わるので、満足度が高いプランです。
4. 構造補強(耐震・断熱)の費用
見た目のリノベーションよりも優先すべきなのが、構造補強(耐震・断熱)です。家族の安全と快適性の基盤であり、私は必ず最初に検討することをお勧めしています。
| 工事内容 |
費用目安 |
対象 |
| 耐震診断 |
10万~25万円 |
全ての中古住宅 |
| 耐震補強工事 |
100万~200万円 |
特に旧耐震(1981年前) |
| 断熱リフォーム(壁・天井・床) |
100万~250万円 |
築20年以上 |
| 内窓設置 |
30万~80万円 |
全ての住宅におすすめ |
| 基礎補強 |
50万~150万円 |
基礎にクラックがある場合 |
特におすすめなのが内窓の設置です。断熱性能が劇的に向上し、結露防止・防音効果もあります。2026年度の「先進的窓リノベ2026事業」で補助金が出るため、リノベーションと同時に施工するのがお得です。
5. 費用を左右する5つの要因
- 築年数:古いほど補強箇所が増え、費用が上がる傾向
- 建物の状態:雨漏り・シロアリ被害があると追加費用が発生
- 希望するグレード:ハイグレードの設備を選ぶほど高額に
- 間取り変更の有無:構造壁の移動が伴うと費用増
- 施工会社の選択:大手と地元工務店で約2~3割の価格差があることも
???? 施工現場からのアドバイス
リノベーションで最もよくある失敗が「解体してみたら想定外の劣化が見つかった」というケースです。壁を開けたら雨漏りで柱が腐食していた、床下にシロアリ被害があった、といった事例です。
だからこそ、見積もり時には必ず「予備費用として総額の10~15%を見込んでおいてください」とお伝えしています。1,000万円のリノベーションなら、100~150万円の予備費を確保しておくと安心です。
6. 予算別モデルプラン
| 予算 |
できること |
おすすめの人 |
| 300万円 |
水回り3点セット交換 |
築15年以内で水回り中心に更新したい方 |
| 500万円 |
水回り+フローリング+クロス |
見た目も機能もリフレッシュしたい方 |
| 800万円 |
上記+断熱+耐震補強 |
構造補強も含めて安心の住まいにしたい方 |
| 1,200万円以上 |
フルリノベーション |
新築同様の住まいにしたい方 |
私の経験では、500~800万円の予算帯が最もコスパが良いゾーンです。見た目も機能も大きく向上し、構造補強も組み込めるため、安全性と快適性のバランスが取れます。
7. 補助金・減税制度をフル活用
リノベーションに使える補助金・減税制度を整理します。
| 制度名 |
補助内容 |
ポイント |
| みらいエコ住宅2026事業 |
リフォーム最大100万円 |
旧省エネ基準未満の住宅が対象 |
| 先進的窓リノベ2026事業 |
内窓設置等に補助 |
断熱リノベと組み合わせがお得 |
| 住宅ローン減税 |
ローン控除の適用拡大 |
省エネリノベで対象になる場合あり |
| 固定資産税の減額 |
耐震・バリアフリー工事で減額 |
工事完了後に申請 |
| 区市町村の独自補助 |
自治体により異なる |
事前に各自治体のHPで確認 |
特に注目すべきは、「みらいエコ住宅2026事業」と「先進的窓リノベ2026事業」の併用です。内窓設置と水回りリフォームを同時に行うことで、補助金を最大限に活用できます。なお、補助金制度は毎年内容が変わるため、必ず最新情報を確認してください。
8. 失敗しないための5つのルール
- 構造補強を最優先にする:見た目より安全性が先。耐震・断熱は必ず検討
- 予備費用を確保する:総額の10~15%を予備費として見込む
- 複数社から見積もりを取る:最低3社から見積もりを取り、内容と価格を比較
- 完成イメージを共有する:写真や図面で「こうしたい」を明確に伝える
- 工程表をもらう:いつ何が完成するかを明確にし、進捗を確認する
私の経験では、「完成イメージの共有不足」がトラブルの最大の原因です。「思っていたのと違う」を防ぐために、PinterestやInstagramで理想のイメージを集めて施工会社と共有することをおすすめします。
9. リノベーション会社の選び方
リノベーションの成否は、施工会社選びで決まると言っても過言ではありません。
選ぶ際のチェックポイント
- 実績と施工事例:同様の工事実績があるか確認
- 見積もりの詳細さ:「一式いくら」ではなく、内訳が明確な見積もりを出す会社
- 保証内容:工事後の保証期間と範囲を確認
- 担当者の対応:質問に丁寧に答えてくれるか。相性も大事
- 中間マージンの有無:元請け・下請けの構造を確認。直接施工だとコストが抑えられる
10. まとめ|リノベーションは「投資」である
中古一戸建てのリノベーションは、単なる「修繕」ではなく「住まいへの投資」です。
この記事のポイント:
- フルリノベーションは800万~1,500万円が目安
- 水回り3点セットで200~400万円、耐震補強で100~200万円
- 500~800万円の予算帯が最もコスパが良い
- みらいエコ住宅2026事業で最大100万円の補助金
- 予備費用として総額の10~15%を見込むこと
- 構造補強を最優先に、見積もりは最低3社から
リノベーションで大切なのは、「正しい順番で、正しいパートナーと進める」ことです。まずはリノベーション向きの物件探しから始めてみませんか。
宅地建物取引士 刈田 知彰(かりた ともあき)
中古住宅売買の専門家。不動産業界16年のキャリアを持ち、新築マンション販売から中古戸建て・リノベーション専門へ転向。「買ってからがスタート」をモットーに、構造・耐震・断熱など建物の本質を見極めた住まい選びをサポートしています。
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