更新日2023/11/22
建物の建築時期は、銀行融資や住宅ローン減税の利用、火災保険などの判断基準になります。中古住宅購入の場合、取得費用や税制優遇措置に違いが発生します。現在、所有している物件の場合だと大体何年住んでいるのかわかると思いますが、中古住宅の場合、建物を見たただけで大まかな築年数しかわからいですし、大がかりなリフォームを行っている場合は大まかな築年数ですら間違えてしまう可能性もあります。今回はこの建物の完成について解説したいと思います。
中古住宅を購入する場合、耐震基準や築年数のわずかな違いが、取得費用や減税額に大きく影響することがあります。チラシなどや販促資料に記載してある場合は良いですが、書いていなかった場合(違反になります)や個人間取引の場合は自分で調べることにより取引の成功につながります。また、自分の実家など築年数を知らない場合もあると思います。このような場合「どうやって調べれば良いのか」と思われた方もおられるのではないでしょうか。今回は築年数の調べ方についても解説させて頂きます。
しかし、東京には、築年数が不明な中古戸建てが多数存在します。調査してみても、本当にわからない物件もあります。
中古住宅の築年数は販売チラシやインターネット広告などでは、例えば「2008年4月」と書かれていますが、日付は書かれていないことが多いです。
建物の正確な新築年月日は、「不動産登記簿謄本」で確認することができます。
では、建物の新築日とはいつなのでしょうか?
骨組みが完成したとき?上棟したとき?屋根や壁が完成し、鍵を取り付けたとき?壁紙は完成していないとダメなのでしょうか?どれが正解でしょうか。
実は一般的に新築の場合は、建築工事が完了し、建築基準法に基づく「完了検査」が行われた日を不動産登記簿謄本(登記事項証明書)に表示します。
お手元に建物の「検査済証」がある場合は、「検査年月日」を確認してみてください。
登記簿上の新築年月日と一致しているはずです。
(建物の検査を受けていない場合など、検査年月日が一致しない場合もあります)。
ここでは、新耐震と旧耐震の見極め方について解説していきます。
住宅ローン減税をはじめ、様々な減税や優遇制度を利用する際の、基準となる、新築年月日は、昭和57年(1982年)1月1日以後に新築された住宅となります。ところが、本来は、昭和57年(1982年)1月1日が直接、旧耐震基準か新耐震基準かを判断する基準ではないのです。実際には昭和56年(1981年)6月1日以降に確認申請が受理されているかどうかになります。すなわち、旧耐震基準か新耐震基準かの判断は、建築確認済証の発行日が昭和56年(1981年)6月1日以降なのかそれ以前かが基準となります。かなりのレアケースではあると思いますが、昭和57年(1982年)1月1日以降の旧耐震の建物も存在している可能性があります。旧耐震と新耐震の本当の見極め方を知っておくことが、新耐震基準の中古戸建てを購入するつもりが、旧耐震基準の中古戸建てを購入してしまったなどの失敗をしないようすることが、東京で中古戸建ての購入を成功させる秘訣となります。
これは、多くの書類から正確な情報を把握する必要があるため、実は難しい作業となります。プロに確認することが重要です。
建築年月日、完成日にちなんで、建物の建築タイミングについても触れたいと思います。
新築住宅の場合建物が完成するまでおおよそ4カ月から半年ほど工期がかかります。新生活の4月に合わせて住みたい場合は約半年前には工事を始めておきたいところです。また、建物を建築する際の良い季節や悪き季節はあるのでしょうか?
基礎工事は冬や真夏を避ける
建物の建築は、まずは基礎工事から始まりますが、時期によっては工事が進みにくいこともあります。特に冬季は注意が必要です。寒さが厳しい時期に基礎工事をすると、凍害が起こり、十分なコンクリート強度を得られない可能性があります。また、雨が良く降る時期にも注意が必要です。基本的には基礎工事は約一か月間ほどかかりますが、全てに日に雨が降らないなんてほぼないですし、コンクリートは元々セメントと水です。神経質になるほどでは基本的にはないのですが、但し、コンクリート打設中の雨は注意が必要です。コンクリートの強度を出すにはセメントと水の割合が重要で、計算された配合通りでないと強度が弱くなります。
水和反応が始まるのはコンクリートの打設後なので、その前に雨が混ざるとセメントと水の割合が変わってしまい、想定していた強度が出ない可能性があるのです。ただし、コンクリート1㎡に必要な水の量は、150~200リットルと大量なので、多少の雨なら影響はほとんどないと思われます。
逆に、夏場の基礎工事にも注意が必要です。気温が高すぎるとコンクリートが固まるときにひび割れが起こり、強度が下がる可能性があります。地域によっても環境はかわりますので、丈夫な基礎を作れる時期を選んで着工しましょう。
また、雨の多い梅雨の時期は住宅の建材として使用される木材が濡れてしまうことから、施工を避けたほうがいいと考えられるケースもあります。こうしたポイントを踏まえると、「4~5月の着工」「梅雨の時季までに屋根の組み上げ」もしくは、「10月~11月の着工」が理想的なスケジュールといえそうです。
建物が完成すると建物の固定資産税が新たにかかる。
土地や建物などの不動産を所有している場合は、固定資産税が発生します。固定資産税いくらかかるのかも考えてから、家を建てる時期を決めるのも一つの方法です。
固定資産税を計算する際に覚えておきたいルールをいくつかご紹介します。
固定資産税はその年の1月1日時点で所有しているかどうかで判断します。建物が1月2日に完成した場合は約一年分建物の固定資産税がかかりません。建物の固定資産税がかからない=得とはなりません。
建物が建っている土地の200平米以下の部分に関しては固定資産税が1/6になるのです。
また、新築住宅は120平米以下の部分に関しては最初の3年間は建物の固定資産税が1/2になります。
土地の固定資産税評価額が高いときは、更地のまま所有する期間を短くし、早く建物を建てて宅地にすることで税額を抑えられることがあるのです。固定資産税についても考慮して、土地を購入するタイミング、建物を竣工するタイミングを決めるようにしましょう。
不動産広告を見て、賃貸・売買で物件を探しているとき、同じ建物でも築年数が不動産業者によって違っているのを見つけたことはないでしょうか。その現象は、不動産によって「建物が完成した日」・「外構工事と検査が終了した日」など、掲載する情報の基準が異なることが原因です。 新築住宅は見た目は完成しているのに完了検査を受けずにそのままの状態で放置している会社も中にはあります。ただ、便宜上完成していることにしたいので、新築年月日を記載しているのだと思います。また、この完成時期のタイミングで、国や自治体の優遇施策が利用できないなんてことも考えれれますので注意しましょう。建物の完成は見た目では実はわからないのです。
今回は、建物の新築年月日の調べ方や関係する内容について解説させて頂きました。おさらいですが、建物の新築年月日は基本的には登記簿謄本(全部事項証明書)で調べることができます。その中でも、様々な減税や優遇制度を利用する際の、基準となる、新築年月日は、昭和57年(1982年)1月1日以後に新築された住宅となります。築年数については、この新耐震か旧耐震に線引きされる、昭和57年が一番大きな差になります。また、実際に築年数(どの年代の建築基準法に対応しているか)に応じて弱点がありその弱点に合わせたリフォームやリノベーションを行わなければなりません。その為、築年数は必要なリフォーム・リノベーションを計算する上で非常に有益な情報になります。しかし、建物は、劣化します。それは、建物の設計はもちろん、周りの建物との関係、自然災害の影響を受けいるかどうかによってもかわりますので、築年数だけを基準にすると、本来必要なリフォームを見過ごしてしまう可能性もあります。また、暮らし方や将来計画によっても必要なリフォームは変わります。東京中古一戸建てナビは、数多くのリフォーム実績を有している建築会社となりますので、中古住宅購入+リフォームをご検討中の方は是非お問い合わせをお願い致します。
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著者情報
宅地建物取引士 刈田 知彰
(かりた ともあき)
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
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