2023.06.28
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住宅ローンを借換した場合住宅ローン控除はどうなる?
更新日:2024年3月18日
最近はネット銀行の台頭などにより、住宅ローンの金利が過去最低水準となっています。金利が下がったことにより、借り換えを検討されておられる方も多いのではないでしょうか。また過去最低水準ということは今後数年後に金利が上昇する可能性も含んでいます。その際、変動金利で借入されている場合固定金利への借り換えを検討する可能性もあります。
このように住宅ローンを借換えした場合、住宅ローン控除はどうなるのでしょうか。
一定の要件とは次のすべての要件を満たす場合です。
(1)新しい住宅ローン等が当初の住宅ローン等の返済のためのものであることが明らかであること。
(2)新しい住宅ローン等が10年以上の償還期間であることなど住宅借入金等特別控除の対象となる要件に当てはまること。
この取扱いは、例えば、住宅の取得等の際に償還期間が10年未満の借入金(いわゆるつなぎ融資)を受け、その後に償還期間が10年以上となる住宅ローン等に借り換えた場合も同じです。
なお、住宅借入金等特別控除を受けることができる年数は、居住の用に供した年から一定期間であり、住宅ローン等の借換えによって延長されることはありません。
借換えによる新たな住宅ローン等が住宅借入金等特別控除の対象となる場合には、次の金額が控除の対象となる住宅ローン等の年末残高となります。
例えば、
・A=借換え直前における当初の住宅ローン等の残高
・B=借換えによる新たな住宅ローン等の借入金額(当初金額)
・C=借換えによる新たな住宅ローン等の年末残高
とすれば、
(1) A≧Bの場合
対象額=C
(2) A
対象額=C×A/B
となります。
上記のように借り換えても住宅ローン控除の適用を受け続けることは可能です、ですが注意しなければならない点もあります。
注意点その1
借りる人の合計所得金額が3,000万円以下であること、ローンの返済期間が10年以上であることは言うまでもありません。借り換えによって返済年数を短くする場合は注意しましょう。
加えて、以下の点に留意する必要がある。
注意点その2
住宅ローン控除の適用期間は延長されない。
住宅ローン控除の期間は、その家に住み始めたときからカウントされます。そのため、借り換えをしても控除期間は通算で中古住宅の場合は10年間、新築住宅の場合は13年間のままとなり延長されることはありません。
注意点その3
借り換え後、控除額の再計算が必要になる場合があります。
住宅ローン控除は、年末のローン残高に基づいて行われます。借り換えをした場合、諸費用の増加により返済額が増える場合があります。その場合、年末調整の際に借り換え後の住宅ローン控除対象額が調整されます。ここで知っておきたいのは、借り換え前の返済額より多くなった場合、住宅ローン控除額が増えないように調整が入るということです。借り換えたローンの年末残高で控除額が計算されるわけではありません。
注意点その4 時期によっては確定申告が必要です。
会社員の場合、通常2回目以降は確定申告の必要はなく、年末調整で手続きが完了することがほとんどです。しかし、場合によっては確定申告が必要になることもあります。
また、10月以降に借り換えを行う場合は、新たに証明書を添付する必要がありますが、証明書の発行が遅れると年末調整に間に合わない可能性があります。
したがって、借り換えのタイミングには注意が必要である。
住宅ローンを借換えした場合でも住宅ローン控除は基本的には適用できることがわかりました。注意点は適用要件、期間、控除額、借り換え時期になります。借り換えの際は十分に借換え先に金融機関に相談して慎重に進めていくことが重要です。
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住宅ローン減税を詳しく知りたい方はこちらまで。 住宅ローン減税について(令和4年度税制改正後の制度について)|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)
住宅ローン減税 中古住宅取得後に耐震改修工事を行う場合について|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)
住宅ローン減税を徹底解説します!|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)
参考サイト
No.1233 住宅ローン等の借換えをしたとき|国税庁 (nta.go.jp)
著者情報
宅地建物取引士 刈田 知彰
(かりた ともあき)
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
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