2022.09.30
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注意必須!買ってはいけない中古住宅の見分け方

更新日2024/8/1

注意必須!買ってはいけない中古住宅の見分け方

 

 

1.はじめに

 マイホームは人生において最も高い買い物の一つによく挙げられます。

 物件の流通により、昨今は新築だけでなく中古の物件も購入しやすくなりました

新築の物件と中古物件の違いは単純に新しい古いではなく保証・保険の問題もあります。新築住宅のメリットは10年の保険がついている点があります。万が一不具合や欠陥があった場合でも対処してもらえるのが利点になります。

 中古住宅の場合ですと保証の期間は、売主が業者の場合で2年、売主が一般の方の場合だと3カ月あったらいい方で、引渡より一週間や場合によっては契約不適合責任免責といって最初から保証をしないケースも存在します。

 

 また、戸建てを売却するタイミングは設備などが古くなって壊れるタイミングと重なることも多くなってしまいますし、売却の期間、給湯器や水回り設備のパッキンは人が使用しないと急激に劣化してしまうので無事に引き渡したいという売主の意思とは反対に、事実として使用していた時は全く問題なく使えていたのに、引渡のタイミングで壊れてしまったなどの事例が発生してしまいます。

 中古住宅の悪い部分は知らずにトラブルに巻き込まれる可能性が高い、ここになります。ですが性能向上リノベーションを行う事で保証に関しては解決します。つまり中古物件でも建物に関して心配事をなくすことも可能にはなります。

 

 今回は買ってはいけない中古住宅と題しまして、中古住宅の利点から購入する上で(一部は新築にも言える内容です)重要なポイントや注意するべきポイントなど中古住宅を購入する前に知って頂きたい事について、解説していきたいと思います。

 

 

2.中古住宅の魅力について

ここでは中古住宅の魅力について解説していきます。

価格の手頃さ

 新築住宅に比べて、築年数分、使用している分、中古住宅は一般的に価格が安くなります。購入の初期費用を抑えることができるというのが、中古住宅が選ばれる一番多い理由となります。実際に国土交通省住宅局が行った「令和3年度市場動向調査」によると中古住宅を選んだ理由でもっとも多かったのが、「予算的に見て中古住宅が手頃だったから」という理由になります。実際に中古住宅の全国の平均価格は2959万円で新築建売住宅の平均4250万円、注文住宅平均5112万円と大きな差があります。

 

周辺環境の確立

 中古住宅の多くはすでに成熟した住宅地に位置することが多く、生活環境や交通の利便性が確立しています。周辺環境を調査することによって、購入後こんなはずじゃなかったと後悔する可能性が低くなります。

 

物件数の多さと多様性

 中古市場は新築市場よりも小さく2割にも満たないものになります。ところが、エリアを限定して物件を探している場合は、新築住宅にプラスして中古住宅の選択肢を増やすことで物件が見つけやすくなります。また、新築の建売住宅と比べた建物の大きさや間取りなどの内容も千差万別です。こちらはリスクとも表裏一体ですが。

 

独特の味わい

 中古住宅には独特の味わいが存在します。経年劣化や過去のオーナーの趣味など、新築にはない独自の雰囲気や味わいを楽しむことができます。レトロな、ヴィンテージ建物として利用できます。

 

即時入居可能

 基本的には修繕やリノベーションが必要な場合を除き、中古住宅は即時に入居可能になります。住宅にそこまで興味のない方は特にこのメリットは大きいと思います。注文住宅を例にだすと、注文住宅の場合は、まず土地探しが必要となります。土地が見つかったら設計の打ち合わせ、そして建築、完成後にやっと入居できます。どんなに早くても半年、基本的には1年ぐらいは入居までに時間を有します。

3.中古住宅のリスク

ここからは中古住宅のリスクについて解説していきます。
経年劣化
 中古物件は、新築とは違い当然経年劣化が進行しています。このため、購入時はメンテナンスや修繕が必要なタイミングになることが多くあります。

隠れた欠陥
 前述で経年劣化についてふれましたが、中古住宅は見た目には分からない内部の欠陥や問題点が存在する可能性が新築住宅に比べ高いという問題が付きまといます。最低でもボードに穴を開けるなど破壊を伴う調査を行わないと隠れた欠陥は見つからない、見つかりにくいというのが問題です。

リノベーションの必要性
 築年数にもよりますが、中古住宅は設備や間取りが現代のライフスタイルや設備と比較して使い勝手が悪いものが多くあります。使い勝手を良くするためには、リノベーションが必要となる場合があります。

情報の不足
 中古住宅の過去の履歴や必要書類等が不足していることがあり、詳細な確認や調査が必要となることがあります。
例えば検査済証に代わる調査は、中古住宅を購入する際に、このような調査をすることはほぼ不可能なので、購入後の調査になってしまいます。

検査済証がない!? 対処法は?|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)
結局のところ中古住宅の購入時に調査を行わずに購入せざるおえないケースが数多く存在します。

4.予算と希望条件のマッチング

 中古住宅の購入を考える際、最も基本的な点は自身の予算と物件の希望条件が適切にマッチングしているかを確認することです。
 

購入予算の設定
 マイホームを現金一括で買われる方は分かりやすいですが、住宅ローンを利用される方は、初期費用や頭金の額、ローンの条件等によって月々の返済額を決め、住宅ローンの審査を行い住宅ローン借り入れ可能額を割り出し、予算を決めなければなりません。

将来のリノベーションや修繕費用を含めた総予算を明確にする
 中古住宅を購入する場合に一番費用が不透明なのがリフォーム・リノベーション費用になります。特に性能向上リノベーションのような建物全体をフルリフォームする場合は費用も高額になります。予算不足や予算オーバーにならないように注意が必要です。
 また、将来的にかかる修繕費用の把握も重要事項になります。特に中古住宅の場合は既に傷みが進行している可能性や修繕が必要なサイクルが新築と比べ早く来ると思うので必要費用を把握しておきましょう。安さのみで中古住宅を購入した場合このようなリフォームや修繕費用を考慮していない場合修繕費を用意できずに後悔する可能性が高くなります。

 

隠れたコストも考慮しておく
 不動産を購入した場合、修繕費の他に登記費用や固定資産税などの税金、仲介手数料など、物件価格以外にかかる費用を把握し、総予算内に収めるよう計画しましょう。

希望条件のリストアップ
立地条件
 駅からの距離、周辺の環境、生活施設の利便性など、希望するエリアや立地の条件を明確しておきましょう。

 

建物の条件
 建物についても同じで、間取りや広さ、建築年数、建物の材質やデザインなど、建物の希望条件をリストアップしておきましょう。

その他の条件
 条件の中には高額な費用が掛かるものと少しの費用で済むものに分かれると思います。例えばカーポートをつけたい屋上庭園を造りたいなどの高額な費用が掛かる場合はその下調べも必要です。

5.予算と条件のマッチング

実際の物件探しを行う際の基本的なステップや考慮点について
 

物件検索
 自身の予算と希望条件をもとに、不動産情報サイトや仲介業者を通じて物件探しスタートです。

優先順位の設定
 不動産を購入する際の難しい点ですが、希望条件にすべてマッチする物件は予算よりも高額になってしまうか、物件が見つからないため、優先順位を明確にする必要があります。何を最優先とするか、どの条件を優先するのか、逆に諦めるのかなど優先順位を明確にして決断する必要があります。

 完璧な物件は存在しないという認識のもと、柔軟性を持ちながら物件探しを行いましょう。但し、中古住宅の場合は耐震性能が著しく欠けている物件も数多く存在します。その際は性能向上リノベーションを行うのですが、予算の関係上性能向上リノベーションを行えない場合はそういった物件は買ってはいけない中古住宅になります。

住宅の履歴のチェック
 中古住宅を購入する際、物件の過去の履歴は大きな参考情報となります。実は履歴には前所有者の取り扱いや、過去のトラブル、修繕履歴など、購入時に考慮すべき多くの点が含まれます。

前所有者への確認
 全所有者への確認内容は以下のような内容を確認しておくと良いでしょう。

所有期間
 中古住宅では所有者が変わっている場合がある。例えば、物件が短期間で何度も売買されている場合、何らかの問題がある可能性が考えられます。また、所有期間が短い売主の場合、物件の情報が少ないことが考えられます。物件を大切に使用していたのか、それとも放置していたのかなど、前々所有者の取り扱いの様子の確認は難しくなります。

過去のトラブルの確認
 過去のトラブルには以下のようなことが考えられます。

災害履歴
 過去の地震や水害、火事などの災害に遭っていないかの確認。

訴訟履歴
 物件や近隣住民のトラブルで訴訟になった過去がないかをチェック。

修繕・リノベーション履歴
実施日: いつ、どのような修繕やリノベーションが行われたのかの履歴。
内容: 修繕やリノベーションの具体的な内容や、使用された材料などを確認する。
業者: どの業者が作業を行ったのか、その業者の評価や信頼性も参考にする。

物件の使用履歴を確認しておく
 過去に物件が住居としてのみ使われていたのか、事務所や店舗、賃貸物件として使用されていた場合、居住に影響が出る可能性があるため、利用用途や状況の確認は必要です。

 また、空き家期間も確認しておくと良いでしょう。
 長期間空き家となっていた場合、売主も知らない想定していない、建物の劣化や害虫の発生などのリスクが高まります。

売却理由
 前所有者が物件を売却した主な理由や背景を探ることも重要です。売却理由を知る事により、物件やその環境に隠れた問題点を探る手がかりになる場合があります。
 

6.注意すべき点建物の構造的な問題経年劣化に関する問題過去の災害や事故の影響について

注意すべき点
 中古住宅の購入を検討する際、以下の3つの大きなポイントに特に注意が必要です。

建物の構造的な問題

基礎の問題
 基礎は建物を支える重要な部分になります。地盤沈下は土地の問題になりますが、ひび割れなどの基礎に関する問題は、将来的な大きな修繕のリスクにあたります。基礎が弱い場合には基礎補強が必須です。基礎補強が必要な可能性が高い建物は昭和56年(1981年)以前の建物(基礎)や以前に地震などによりダメージを受けている基礎になります。

耐震性
 古い建物の場合、こちらも昭和56年(1981年)以前の建物になりますが、現行の耐震基準に適合していない可能性が高くなります。耐震診断を受けることを検討する必要があります。現在の耐震は建築基準法で耐震等級1という基準になっていますが、

配管・電気設備
 古い配管や電気設備は故障のリスクが高く、更新が必要な場合もあります。

経年劣化に関する問題

屋根・外壁の劣化
 雨漏りや断熱性の低下などの問題が生じる可能性があります。この劣化を放置しておくと加速的に建物の寿命を縮めます。目に見えないところは分かりにくいですが、中古住宅を見学する際にカビ臭さを感じたら、雨が侵入してカビが発生したり、腐ったりしている可能性が非常に高くになります。このような物件は購入を見送るか性能向上リノベーションを行う必要があります

内部の劣化
 床や壁、天井の傷や変色、古い設備など、内部の経年劣化もチェックポイントとなります。

 傷はその種類やできている場所によります。窓回りやボードのつなぎ目クロスのつなぎ目などは問題が少なく、逆に何ともない部分に傷がある場合は、構造上問題のある場合やバランスの悪い家はクロスにひびが入ってしまう事が多くなります。天井の変色にも注意が必要です。変色の原因は雨漏りや水漏れが主な原因です。動物の糞尿の可能性もあります。結露が起こってる場合はじわじわと構造体にダメージを与えてきます。またカビやダニの発生につながり、健康面にも被害を与えてしまいます。

防水層の劣化
 バルコニーや浴室などの防水層の劣化もそうです。水はじわじわと浸食していきます。放置していると、後々のトラブルの原因となる可能性があります。

過去の災害や事故の影響

浸水履歴
 過去の台風や豪雨による浸水の履歴があるか確認しましょう。浸水経験がある物件は、再度のリスクが通常の物件より高まります。


火災履歴
 過去の火災の履歴や、火災による修繕の履歴を確認。
 

近隣の工場や事故
 物件の近隣に大きな工場や高圧電線がある場合、健康への影響や騒音などのリスクを考慮する。

7.立地と環境のチェック騒音や振動の問題地盤の強度や浸水リスク近隣住民や施設との関係

中古住宅を検討する場合建物ばかりに目が行きがちですが、不動産ですから当然土地にも十分気を付けるべきです。

立地と環境のチェック

中古住宅を選ぶ際、物件そのものの良し悪しも大切ですが、その立地や環境も重要な選定基準となります。

騒音や振動をチェック
 中古住宅は街が成熟しています。つまり、どこに何があり、どのような騒音が発生するのか新築住宅よりも分かりやすいのです。できることなら平日と休日の朝昼夜と確認することが望ましいです。

交通機関をチェック
 特に鉄道や大通りの近くでは騒音や振動が問題となることがあります。現地での実際の騒音レベルを確認し、日中や夜間の状況も考慮しましょう。また夜間のメンテナンス工事頻度も確認しましょう。


施設の影響チェック
 学校や公園、スーパーマーケットなどの施設の近さによる騒音を確認しましょう。幼稚園なども子供の声が絶え間なく聞こえてきます。例えば定年や子育てなど、在宅時間が多くなったり自身の状況が変わった際に後悔しないように検討しましょう。

建築予定地のチェック
 新たな建築物や道路が計画されている場合、将来的な利便性の向上もですが、騒音や振動の増加が考えられます。
 

地盤調査チェック
2000年以降に建てられて中古住宅の場合は、地盤調査報告書が存在します。地盤の強度や沈下のリスクを確認するための調査結果が必要となります。またそれ以前に建てられた建物の場合は調査報告書がある事は稀なので、チェックポイントを紹介します。

①川、池、沼が近い

➁以前田んぼだった

③盛土

④過去の地盤調査データがある場合は参考にする

⑤現在の建物に傾きや地盤が原因だと思われるひび割れがないか

⑥地盤が原因だと思われるクラックなどが周りのコンクリートや外構などに表れていないか

また、エリアにもよりますがこちらのサイトもご確認下さい。

元々どんな土地だったの?実は調べられます。|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)

「ちょっとこの土地危険そうだな」と思った場合は、少々安くても購入を見送った方が無難です。

地形と水位チェック
低地や河川の近くでは浸水リスクが高まる。また、高台でも雨水の流れによっては浸水のリスクがあります。

ハザードマップなども利用して確認しましょう。

近隣住民や施設との関係

近隣の住民
 近隣住民との関係は、生活の質に大きく影響する。事前に近隣とのトラブルの有無やコミュニティの雰囲気を把握するのがよいと思います。
 

公共施設の利便性
 最寄りの駅やバス停、学校、病院、公園などの公共施設の位置とアクセス性を確認。住み慣れていないエリアの場合特に入念な調査が必要です。
 

商業施設
 日常生活に必要なスーパーマーケットやコンビニ、ドラッグストアなどの商業施設の近さと営業時間をチェック。
駅を利用する場合は駅とスーパーマーケットの動線も考慮しながら検討しましょう。

8.金銭面での注意点予算オーバーのリスク修繕費用や隠れたコストの確認について

 金銭面での注意点について、中古住宅の購入にあたり、金銭面での計画や配慮は非常に重要です。未計画や情報不足からくる予算の逸脱や後悔を避けるためのポイントを以下にまとめました。

予算オーバーのリスク
 最初に明確な予算を設定することで、物件選びの際の範囲が明確になります。予期せぬ出費や後から発見される問題に備えて、設定予算の一定割合(例: 10%)を余裕として確保するのが望ましいです。また住宅ローンを利用する場合は予算より少し多めで審査しておくことが望ましいです。
 また住宅ローンを組む場合は、金利、返済期間、月々の返済額、諸費用の額、金利の種類、返済方法などを事前にしっかりと把握しておきましょう。

 

修繕費用や隠れたコストの確認
 何度も言いますが、中古住宅を購入する場合は隠れた欠陥が最大の不安要素になります。 購入前に物件の現状を確認し、必要となる修繕やリフォームの内容を特定しておきましょう。
 リフォームを行う場合は当然ですが、リフォームをほとんど行わない場合も、 専門家や業者による見積もりを取得し、修繕にかかる費用を予測し将来のリフォームに備えましょう。また、
中古住宅の購入には、物件価格以外にも登記費用、仲介手数料、税金などの隠れたコストが発生することがある。これらのコストを確認し、総額に組み込み検討しましょう。

 

9.買ってはいけない土地のポイント

ここでは買ってはいけない土地について解説します。

①険なエリア(ハザードマップに記載している危険な地域)に該当する

結論買ってはいけません

 洪水、津波、土砂災害などの災害が想定される地域はハザードマップに記載されています。

ハザードマップは国、都道府県、市区町村、地方自治体によって災害リスクが想定されている地域を示した地図です。

このマップの示す地域に該当する場合はリスクがあります。

 

 またマップだけでなく、海抜を確認したり現地周辺を確認したりことも忘れてはいけません。

ハザードマップは水害の法改正について(現在調整中)でも記載していますが、令和7年度までに変更される可能性が高いので、ハザードマップがいつ頃変更されたものなのかを確認しましょう。

 

➁地盤が不安定

結論買ってはいけません

 現在、新築住宅では地盤の調査そして地盤の保険が必ずついてまいります。

中古の場合は保険や保証がありませんが、その分と言っては何ですが築年数分実績を積み重ねています。建物をみれば地盤が強いか弱いのかは一定確認することが出来ます。すぐにわかる確認点としては建物が傾いていたり基礎が割れていたり、ピックアップしたい所は基礎と上がり框などが分かりやすいと思います。この辺りは専門家の判断に任せた方が良いかもしれません。

このような地盤が弱い物件も地盤補強を行う事は技術的には可能ですが、費用面などを考えると、建て替えた方が良い可能性が高くなります。

 

③道路接道条件が悪い

結論場合によっては買ってもよい、中にはお得な物件もある

 道路との接道や道路の種類は不動産にとって最も重要な事の1つになります。

接道の関係で再建築不可物件になってしまったり、幅員の関係でセットバックが必要になり再建築の際に同規模の建物が建てられなかったりします。

再建築不可物件は住宅ローンが使えなかったり、金利が高かったり借入期間(返済年数)が住宅ローンは基本35年に対して20年など短くなってしまう可能性もあります。

セットバックが必要な物件も同じで違反物件や既存不適格物件は住宅ローンの利用できない借入の条件が悪くなる可能性が高くなりますので、再建築不可物件や違反物件は買ってはいけない物件だと言われることが多いです

 

 ただ、再建築不可物件にも既得権があります。確かに住宅ローンは利用できないことが多い物件ですが、キャッシュで購入する場合は他の物件と比較しても格安で購入することができます。

但し、再建築不可物件は地震なので倒壊した場合でも再建築することができません。つまり地震が起きても倒壊すること恐れのない建物にしておく必要があるのです。

 

④境界がはっきりしていない

結論 購入しても良いが要注意

 不動産の取引は基本的には境界を明示して取引を行います。

しかし中には境界が決まっていない物件もあります。全体にない場合も一部だけない場合も、境界がないとひとまとめに行っても、意味合いはいろいろあります。

注意が必要な場合は境界の明示がされていない場合で境界を決める隣地とも話が全く進んでいない場合は注意が必要です。坪単価が高いエリアだとブロックの厚み分境界がずれるだけで、何十万や何百万と土地の価値が変わってくることも考えられます。

 もし心配がある場合は購入を見合せる必要があるかもしれません。購入を検討している物件がこのような物件の場合は、第三者なるべくなら専門家の土地家屋調査士の先生に先に相談しておくことをお勧めします。場合によっては得をしたり損をしたり、将来考えられる紛争を起こらなくしたり解決してもらえたりします。

 

⑤周辺の住環境が悪い場合や土地に将来性がない

結論 買わない方が良い

 周辺環境は人によって好みが異なるポイントの一つになります。例えば高台に建つ一軒家眺望がとても良い物件があります。眺望が良いので購入を決める方もおられると思いますし、眺望は良いが物件まで坂がかなりきついので購入はやめておきますという方もおられるのではないでしょうか。何が言いたいかというと、将来的に過疎化する場所は選ばない方が良いという事です。日本は後期高齢者の割合が高くなり、人口は減っていきます。例によって坂がきつい物件を買う方は多いでしょうか。駅近ブランドが数年前から高くなっております。この傾向はもっと顕著になります。また、駅によっても栄える駅と衰退する駅がでてきます。周辺の住環境が整っており、今後人の流入が多いエリアかどうか将来性があるエリアかどうか見極めることが重要になります。

 

⑥狭小地や土地の形がいびつな不整形地

結論 買わない方が良い

大きい土地なら大丈夫ですが、狭小地例えば同じ50㎡の土地でも三角形の土地と正方形の土地では建てられる建物が全くといっても違いますし、建築できる面積として使用できる範囲もかわります。建築コストや将来的な修繕コストを考えた場合変形地で他の土地より安く売られているよりも高い買い物になってしまう可能性があります。

 

メリットは土地の坪単価が極端に高いエリアなどで土地が安く購入する出来る可能性があがることや税金が安い事また特殊な建物の形状になることが多いので、特殊な建物が好きでチャレンジしたい方にはよいと思います。

 

もう一点、注意点として一般的な生活動線ではなくなるので、売却時に売りにくくなります。

 

※狭小地とは狭い土地のことを指します。住宅ローンの利用にも影響がある可能性があります。

 

⑦土地が周囲より低い位置にある

結論 購入しない方がよい、要検討

ポイントは水分です。雨水の流入や湿気が溜まりやすくなります。水分は建物の一番の敵になります。他のみ隣地から雨水が流れてきやすい土地があったりしますので、タイミングが難しいですが、雨の日に確認をする事をお勧め致します。

 

10.買ってはいけない中古住宅(建物)のポイント

ここでは買ってはいけない中古住宅(建物)について解説します。

①再建築不可物件や違法建築物

結論 購入してはいけません。

再建築不可物件とは文字通り再建築できない建物を指します。再建築不可の一番多い理由は「接道義務を果たしていない」です。再建築不可物件は火災が起きて家が燃えてしまっても建て替える事ができないのです。また、2025年より、再建築不可物件は大規模な修繕も行う事が出来なくなってしまいます。現在、再建築不可物件にお住いの方は速やかにご相談ください。

違法建築物とは違法に建てられた建物になります。その理由は様々あります。原則購入は控えた方が良いのは事実ですが、絶対にというわけではありません。違法建築物も再建築不可物件と同様に、2025年より、大規模修繕を行うことができません。
但し、内容によってはのちのリフォームによってカバーできる可能性がある分再建築不可よりは選択の幅が広がります。但し、銀行ローンが利用できない可能性が高くなります。

既存不適格とは法改正によって現行基準に適合しなかった物件を指します。厳密に言えば今ある中古住宅のほとんどが既存不適格の物件になります。こちらはあくまで、方は守ってきたので既得権が認められます。ですが、既存不適格の理由にもよりますが、多くは建て替えの際には同等大きさの建物に建て替えを行う事が出来ない可能性が高い物件になります。性能向上リノベーションで将来建て替えの必要がないリフォームを行う場合で、なお且つ安く物件を購入できる場合は検討の余地は残ります。

➁構造によっては買ってはいけない

結論 物件によって回答が異なります。

一戸建ての構造は、大きく分けて、木造、鉄骨造、RC造の3つがあります。総務省のの調査によると一戸建ての9割が木造がしめている状況ではありますが、木造以外の構造の住宅も沢山存在します。

問題は、中古住宅は木造以外は構造計算ができません。つまり耐震補強することができないのです。例えば積水ハウスさんの鉄骨造の一戸建てを中古で購入し耐震補強をしようと思っても耐震補強の可能性があるのは、設計施工を行っている積水ハウスさんのみになります。詳しくは下記をご覧ください。

型式適合認定をご存じでしょうか。|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)

また、木造住宅でも2×4などは、構造計算が難しくなります。詳しくはこちらのコラムをご覧ください。

木造戸建てでも、耐震診断できない建物がある。|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)
 

また、例を挙げた積水ハウスさんなどハウスメーカーの建物を購入する場合は最低でも新耐震基準のものを選びましょう。
このように物件の状況などのよって検討しましょう。

 

ここからは、性能向上リノベーションを行わない場合は買わない方がいい建物になります。

下記の建物は性能向上リノベーションを必ず行った方が良い建物になります。

③傾いている建物

費用が高額になってしまう可能性が高い

 中古の建物が傾いているのは、実はよくあることです。ビー玉が転がったら欠陥住宅なんてことが言われていましたが、そんなことはありませんよく転がります。がしかし、傾きによっては、危険なこともあります。仕上げではなく構造体や地盤が原因で傾きがある場合です。建物の傾きの許容範囲は、新築の家なら「3/1,000以内」、中古住宅なら「6/1,000以内」とされています。それ以上だと、構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が高いとされています。それに伴ってサッシや建具が稼働しづらくなることも考えられます。6/1,000以上だと健康被害も発生する可能性があります。また、傾きを根本的に解消する場合は、高額な費用となります。

 ひび割れが起こってる場合などや、ドアが風等ではなく勝手に動いたら注意が必要です。

 水平器などで家全体を確認してみましょう。

④建物に亀裂がある建物

費用が高額になってしまう可能性が高い

 建物に発生している亀裂には様々な種類があります。不同沈下や経年劣化、外的要因によるものなどが挙げられます。

 これらの亀裂を放置すると、劣化が進み、最悪の場合は基礎だと、ヒビ割れ部分からコンクリートが剥がれたり、雨水が侵入して内部の鉄筋を錆びさせたりする可能性があります。コンクリートの中性化が進みます。外壁などに亀裂がある場合も雨水の侵入を許し、腐敗腐食の原因となります。これにより、取り返しのつかない深刻な結果を招くこともあります。

 亀裂が特に大きい場合は、地盤沈下が影響している可能性も考慮すべきです。状況が見極め難い場合は、専門業者の助けを借りて不安要素を解消することが賢明です。

⑤雨漏りが放置されている建物

費用が高額になってしまう可能性が高い

 雨漏りが放置されている場合はどのくらいの期間放置されたかや規模にもよりますが、性能向上リノベーションを行わない場合は購入を見送った方がよい物件です。長期間空き家だとさらに状況は悪くなります。万が一雨染み等を見つけた場合は原因を把握しているか、対応はどの様に行ったのか、またその時の状況を確認しておきましょう。

⑥カビ臭い建物

費用が高額になってしまう可能性が高い

 家がカビ臭い時は更に注意が必要です。カビが発生するとアレルギーやシックハウス症候群などの健康被害が発生します。また、カビが発生している場合は木造住宅の場合は腐敗が進んでいます。入った時にじめっとするなど、はいつも以上に注意が必要です。

日当たりや風通し、雨水の水はけにも目を向けて確認しましょう。

⑦シロアリの被害がある建物

費用が高額になってしまう可能性が高い

 腐敗が進んだ木材はシロアリの好物です。湿度の高い場所が好きなシロアリは、主に床下の湿った木材を内部から食害してしまいます。そのため、異変に気づいた時には既に手遅れとなることもあります。専門業者に床下を点検してもらうことで、シロアリの被害を事前に把握することが重要です。

 シロアリ自体は駆除が可能で、被害を受けた部分も修復できますが、被害が広範囲にわたる場合は、物件の購入を見送ることが賢明です。一度シロアリが発生した家は、徹底的な湿気や防蟻対策が必要な物件として考えるべきです。

 これらの物件を購入した際の対策は性能向上リノベーションとなります。

11.専門家の意見を取り入れる家の点検や査定の重要性専門家の意見やアドバイスを参考にするについて

 中古住宅の購入は大きな決断です。専門家の意見やアドバイスは、安心して適切な選択をするための鍵となります。家の点検や調査は重要です。調査には建物状況調査(検査)ホームインスペクションなどがあります。
 専門家による点検や査定は、物件の真の価値や状態を中立的な立場から評価してもらえます。見た目ではわからない構造的な問題や経年劣化の状況を把握することができます。また2000年以前の建物の場合は耐震診断を行うことをおすすめします。

 専門家の意見から、将来必要となるであろう修繕やリフォームの計画を立てることができます。経験豊富な専門家の意見は、一般の情報源や個人の経験よりも信頼性が高くなります。

 不動産価格だけでなく、立地、構造、設備など多角的な観点からのアドバイスを受けることができます。また、専門家の評価や意見は、物件の価格交渉時の大きな材料となる。適正な価格での購入を目指す上での強い味方となります。

 ただし、信用性の高い調査になればなるほど調査費用が高額になります。

12.中古住宅購入の際の契約と手続き契約内容の確認必要な手続きや関連する法律について

 ここまで、中古住宅の購入に重要な部分について解説してきましたが、その多くは重要事項説明によって宅地建物取引士から説明を受けることになります。

 中古住宅購入のプロセスは、契約や重要事項説明書は専門的で難しい内容であることが多いですが、以下のポイントを注意深く確認し、スムーズに購入を進めるための指南としてください。

物件の詳細: 物件の大きさ、構造、設備、所在地などの基本情報を正確に確認
費用と支払い: 物件価格や仲介手数料、税金などの費用の内訳と支払い方法・時期を把握
引渡し時期: 契約後、物件の引渡しを受ける日程や条件を確認
保証やアフターサポート: 売主や仲介業者が提供する保証内容やアフターサポートの有無と詳細を確認
必要書類の確認:重要事項説明の際に添付資料として用意されるので確認

このような内容は契約日(重要事項説明)の前に送ってもらい確認しておきましょう。当日は補足で説明と質問を行いトラブルが起こらないようにしましょう。また、自分の不利益になる契約にならないかも不安に思う点などはしっかりと確認しましょう。

登記手続き: 中古住宅の購入には、不動産の登記手続きが必要です。その流れや必要書類、費用を把握する。
関連する法律: 不動産取引に関連する法律、例えば不動産取引業法や建築基準法などを一定程度理解しておくと安心です。
税制の理解: 物件購入や所有に関連する税金(住宅ローン控除、不動産取得税、固定資産税、登録免許税など)の計算方法や支払い時期を確認しておきましょう。

12.まとめ購入前の確認項目や注意点の再確認中古住宅の魅力とリスクのバランスについて

 中古住宅の購入は、新築住宅とは異なる独自の魅力とリスクを持っています。購入を検討する際、総合的な判断が求められます。

購入前の確認項目や注意点の再確認

物件の状態: 構造的な問題、経年劣化、過去の災害や事故の影響を再確認。
立地と環境: 騒音や振動、地盤の強度、近隣住民や施設との関係をチェック。
金銭面: 予算オーバーのリスク、修繕費用や隠れたコストを再度確認。
契約と手続き: 契約内容や必要な手続き、関連する法律についての理解を深める。

 

中古住宅の魅力とリスクのバランス

 価格の手頃さ、独自の歴史や風格、エコロジー的な再利用などの要素が中古住宅の魅力ですが、
経年劣化や既存の問題、法律不適格の問題、予測しにくい修繕コストなどのリスクが存在します。総合的に評価が必要です。中古住宅の魅力を最大限に活かしつつ、リスクを適切にマネージする方法を考えましょう。その一つが性能向上リノベーションになります。性能向上リノベーションでは断熱や耐震を新築の基準の1.5倍以上に性能向上を行います。

 今回は建物・予算・土地・周辺環境などの観点から買ってはいけない住宅の見分け方について解説してきました。

 不動産には注意点が思ったよりも多くあります。仲介業者は揉め事が無いように物件を精査して買主に伝える義務がありますので、トラブルが起こる事が少ないですが、戸建ての売却を依頼された際に上記のような内容を知らずに購入してしまっていることも事実として存在します。

 物件がその分安くなっているなら良いですが、知らずにそのまま購入してしまっては損しかありません。このような事案の実績が過去にあるので、デメリットがある物件は敬遠されているのだと思います。ですが物件の特徴をしった上でそのデメリットを補えてなお且つお安く購入できたのなら得することも可能になります。また、東京中古一戸建てナビのお役立ちコラムをご愛読いただくことで、ご自身目線でも物件や業者を見極めることができるようになります。また、中古住宅を購入する際にはさらに重要です。その他コラムもご覧ください。

 

 

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著者情報

宅地建物取引士 刈田 知彰

      (かりた ともあき)

ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。

私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。

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著者情報 刈田知彰

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