2023.01.13
不動産ガイド
お金・ローン・税金
住宅ローン
暮らしお役立ち
トラブル
マイホームを手放さないといけなくなる?住宅ローンの失敗とNG行動
更新日2024年1月19日
マイホームを購入する際、購入前そして購入後に「これはやってはいけない」というNG行動が実はたくさんあります。今回は、その一部を抜粋してご紹介します。
住宅ローン関連でやってはいけないNG行動についてまとめました。このNG行動を行ってしまうと、最悪の場合、せっかく購入したマイホームを手放さなければならなくなるかもしれません。
住宅ローンを組むことは、人生の中で最も大きな決断のひとつです。住宅ローンを利用する際には、様々なことを考慮しておかないと、後悔することになりかねません。そこで今回は、借入時や返済時にやってはいけないNG行動をご紹介します。
●預金をすべて使ってしまう。 生活予備資金を残さず住宅ローンを借りること。
住宅ローンを借りるときに頭金を多く入れれば、その分金利が低くなる可能性があります。しかし、頭金が多すぎて手元に十分な資金が残らないと、万が一のときに対応できなくなります。
●広告を信じすぎる(返済額が家賃と同じなので、家を購入した。)
どういうことかというと、返済額が「家賃と同額」のローンが組める。これは不動産広告でよく見られるフレーズですが、実際には次のような内容が含まれていると思われます。
①毎月の返済額とは別にボーナス払いを発生させる。
これはよくある手です。毎月の返済額だけだと思っていたら、ボーナス時に追加で支払いが発生するのです。昔はボーナス払いを併用するのが一般的でしたが、今はボーナス払いをするのはあまり良くないとされています。基本的に、会社からのボーナス支給は会社の経営状態に左右されるからです。実際に、ボーナスがなくなったために自己破産して家を手放した方も目の当たりにしています。例えば、ボーナス払いを10万円に設定し、借入をするときはボーナス払いにし、購入を検討するときは月々の支払いだけを考えておくということも必要です。将来も見据えた計画を立てましょう。
➁ 返済期間を35年または50年に設定。
ローンの返済期間は1年~35年、金融機関によってはさらに長い50年まで設定されているところもあります。長い期間ローンを組むと金利負担が大きくなり、総返済額が増えることになります。そのため、短期間でローンを組んだ方が利息の面だけで見れば望ましいのですが、支払額は多くなります。
例として、3,000万円を10年借りた場合と35年借りた場合の月々の支払額と総返済額の違いを紹介します。※元利均等返済、金利1.5%で計算
3,000万円を10年間借りる
総返済額 32,324,886円
3,000万円を35年借りる
総返済額 38,579,007円
何と総返済額でみると6,000,000円差が生まれます。この差が頭金を入れた方がよい、繰り上げ返済をした方がよい理由になります。
但し、返済期間やローンの金額を増やすと月々の返済額が上がってしまいます。月々の返済額が高すぎると、病気やリストラ、転職による収入減の際、不安が残ります。バランスを考えて借入しましょう。
③月々の支払額は変動金利を元に計算されます。
ローンの金利には様々な種類があります。変動金利、固定金利、2年や10年の固定金利、そして35年間金利が変わらない超長期固定金利などがあります。現在、最も低い金利は変動金利です。変動金利のデメリットは、金利が上がれば住宅ローンの金利も上がり、支払額が高くなることです。
④4つ目は、実際の支払額で記載されていることです。
最近はあまり見かけなくなりましたが、毎月の支払額から住宅ローン現在、控除で返ってくる金額を差し引いた支払いが、実質的な支払額として記載されます。さすがに最近はこのような支払いの記載は少なくなってきています。
●「よくわからないから」という理由で決断すること
住宅ローンを組む際には、金利や保険、手数料など、お金に関することが常に話題にのぼります。それを「難しいから」「よくわからないから」と簡単に片付けてはいけません。例えば、変動金利を選択した場合、金利上昇のリスクを避けるため、内容をよく理解した上で、20年、30年先までじっくり検討するようにしましょう。
●転職後すぐにローンを組む
住宅ローンを借りる際には、仮審査や本審査に合格する必要があり、また多くの銀行では最低2~3年の勤続年数を要求しています。そのため、仮審査の直前はもちろん、本審査や実際の返済の直前での転職は原則NGとなります。自己都合での転職は契約違反となり、違約金や損害賠償を請求されるされる可能性があります。
また、転職後すぐに住宅ローンを組む場合はは、銀行によっては金利の優遇などが減り、返済額が増える可能性もあります。
●夢に流されて無理なローンを組む。
あらかじめ予算を決めていても、待ち望んでいた理想の家が目の前に現れると、「予算オーバーだけど、頑張ればなんとかローンが組める」と背伸びをして契約してしまいがちな人もいるようです。
住宅を購入する際には、税金や手数料などローン以外の出費も念頭に置き、途中で返済不能に陥ることのないよう、具体的なシミュレーションや比較を行うようにしましょう。
●書類の不備や虚偽の申告
金融機関の審査に通らない人は、住宅ローンを借りることができません。しかし、どうしても審査を通したいからと言って、有利になるように虚偽の情報を書くのは論外です。
●教育資金を溜めずに繰り上げ返済をする。
繰り上げ返済をすると、利息負担が減り、残債も減り、返済期間も短くなるので、総返済額では得ですが、手元資金が減ります。
お子様がいらっしゃるご家庭では、教育資金を十分に積み立てないまま繰り上げ返済を行うと、高校・専門学校・大学など教育費のピーク時に資金が不足する可能性があります。
● ローン返済の延滞。
病気や親の介護、リストラなど、さまざまな理由でローンの返済が困難になるおそれがあります。4~6ヶ月の滞納が続くと、残債の一括返済を求められ、家を売るしか選択肢がなくなります。
このようなイレギュラーな状態に陥った場合は直ちに銀行に相談しましょう。
今回は、マイホームを手放さなければならないかもしれない、住宅ローンの「やってはいけない」NG行為についてまとめました。住宅ローンの支払いは35年間続く マイホームを購入するということは、住宅ローンの支払いだけでなく、税金の支払いや建物の修繕、災害リスクなど、さまざまな不安がつきまといます。しかし、住宅購入の理由としてよく挙げられる賃貸の家賃が勿体ないという考え方は実はかなり理にかなっています。生きるために住む場所は必ず必要です。そして、賃貸と違い、住宅を購入すると住宅ローンが完済されて自分の資産となりますし、マイホームでの暮らしの快適さは賃貸とは比べものになりません。今回ご紹介した内容を参考に、今後住宅ローンに悩まされることのないようお気をつけください。
もう一点、何度も繰り返して言っていることですが、長ければ35年間住宅ローンを組むわけですが、日本の木造住宅は30年が寿命だと言われています。もちろんそれは30年前の住宅だからという点もありますが、地震大国の日本では家は壊れるものという意識が根底にあるからです。
しかし、せっかく長い年月をかけて支払っていくものになりますので、長持ちするそして、快適に住める家に住むことをお勧めします。新築住宅ではその機能面を重視し、中古住宅では購入時に性能向上リノベーションを行うことを推奨いたします。
住宅ローン関連コラムはコチラ
住宅ローンが組める中古住宅と組めない中古住宅を見極めよう。再建築不可と違反建築物と既存不適格|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)
住宅ローンの返済期間はどのように決めればよいのか教えます。|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)
住宅ローンを組む時の注意点~住宅ローンの借入限度額について~|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)
著者情報
宅地建物取引士 刈田 知彰
(かりた ともあき)
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
新築戸建てから中古戸建てのことならなんでもご相談ください!