2024.03.07
不動産ガイド
建築・リノベーション
お金・ローン・税金
補助制度
【2024年】令和6年版 中古住宅購入時の補助金を解説
中古住宅購入に関する補助金として、国や地方自治体が提供する様々な補助金制度があります。例えば、以下のようなものがあります。
【中古住宅(リフォーム時)補助制度】
「子育てエコホーム支援事業」「こどもエコすまい支援事業」の後継事業
「先進的窓リノベ2024事業」 「先進的窓リノベ事業」の後継事業
「給湯省エネ2024事業」「給湯省エネ事業」の後継事業
新たに「賃貸集合給湯省エネ2024事業」 経済産業省の新規事業
長期優良リフォーム推進事業
自治体の補助金
中古住宅を住宅ローンで購入した場合に利用できる制度
住宅ローン控除(減税)
その他、地方自治体が独自に提供する中古住宅購入時やリフォームに関する補助金などがあります。特に子育て世帯や若年世帯を対象にした補助金や、地域活性化のための補助金などが充実している場合が多いです。
これらの補助金を活用することで、中古住宅購入の際の初期費用や返済負担を軽減することができます。ただし、各制度には対象条件や申請期限などがあるため、詳細は国や自治体のホームページなどで確認することが必要です。
【中古住宅の補助金制度】 【補助金額】 【期間】
子育てエコホーム支援事業 最大60万円 「2024年3月下旬」から「予算が上限に達するまで」
先進的窓リノベ2024事業 最大200万円 「2024年3月下旬」から「予算が上限に達するまで」
給湯省エネ2024事業 最大20万円 「2024年3月下旬」から「予算が上限に達するまで」
賃貸集合給湯省エネ2024事業 最大7万円 「2024年3月下旬」から「予算が上限に達するまで」
長期優良リフォーム推進事業 最大250万円 令和5年度版は「2024年1月31日まで」申請
各自治体の補助金 自治体によって異なる –
子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業 とはエネルギー価格高騰の影響を受けやすい「子育て世帯」や「若者夫婦世帯」を中心に「住宅の省エネ改修」支援する事業です。2050年のカーボンニュートラルの実現を図る事業です。
【省エネリフォーム】
【対象世帯】
子育て世帯(18歳未満)
若者夫婦世帯(39歳以下)
【最大補助金】
60万円 30万円
詳しくは事業概要|子育てエコホーム支援事業
先進的窓リノベ2024事業
先進的窓リノベ2024事業とは、先進的な断熱性能を有する窓に交換するリフォーム費用に対し補助する事業です。
リフォーム費用の1/2相当「最大200万円」が定額補助されます。
【補助の対象になる窓のリフォーム】
内窓設置
外窓交換
ガラス交換
詳しくは先進的窓リノベ2024事業
給湯省エネ事業
給湯省エネ事業とは「⾼効率給湯器」の導⼊支援をおこない「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」の達成を目的としている事業です。
詳しくは給湯省エネ2024事業【公式】 (meti.go.jp)
長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業とは、良質な住宅ストックの形成や、子育てしやすい生活環境の整備等を図るため、 既存住宅の長寿命化や省エネ化等に資する性能向上リフォームや子育て世帯向け改修に対する支援を行う事業です。
新築の長期優良住宅とは異なります。
リフォームの内容によって「最大250万円」補助金を受け取ることができます。
【対象工事】
住宅の性能向上リフォーム
(内容)省エネ対策、構造躯体劣化対策・耐震性向上・維持管理・更新など
バリアフリー工事
インスペクションで指摘を受けた箇所の補修工事
テレワーク環境整備改修工事
高齢期に備えた住まいへの改修工事
子育て世帯向け改修工事
子育てしやすい環境へのリフォーム
事故防止・子どもの見守り・不審者侵入防止など
三世代同居対応化改修工事
キッチン・浴室・トイレ・玄関の増設工事
防災性の向上・レジリエンス性の向上改修工事
自然災害に対応する改修工事
地震・台風・水害・電力や水の確保など
自治体の補助金
中古住宅を購入した際に「国の補助金」と「自治体の補助金」を併用できるケースがあります。
財源が別の場合は併用できることが多くなります。
【自治体の補助金の例】
子育て補助金
リフォーム補助金
移住補助金
特にリフォーム工事の補助金を国と自治体で併用できれば大きなメリットになります。
現在発表されている範囲内で、2023年現行事業と2024新事業の違いについてまとめました。
「子育てエコホーム」でその他の世帯の補助上限額引き下げ(30万→20万)。
「子育てエコホーム」の注文住宅新築・新築購入要件引き上げ。「ZEH」の上位レベルとして「長期優良」が登場(その要件詳細は未発表です)。結果ZEH住宅への補助金引き下げ(100万→80万)。
「子育てエコホーム」で上限額引き上げ条件「安心R住宅」が消えて既存住宅購入のみに。
「子育てエコホーム」で上限額引き上げ条件に「長期優良リフォーム」が登場(その要件詳細は未発表です)。
「給湯省エネ」後継事業で製品ごとの補助額に幅ができ、かつ上乗せで撤去費用も補助対象に。
新しく既存賃貸集合住宅用の支援事業ができた。
「窓リノベ」で工法ごとの補助額に変動あり
要件から「契約日」が外れた(契約日は問わない)。
代表的な減税制度についてまとめています。
住宅ローン控除(減税)
住宅ローン控除とは、新築住宅や中古住宅など住宅ローンを利用して購入した場合に適用されます。
中古住宅(既存住宅)の場合
「年末の住宅ローン残高×0.7%」を10年間、所得税や住民税から控除されます。
中古住宅(既存住宅)の場合でも以下の2つに分かれます。
【住宅の性能】
長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH住宅・省エネ住宅
【借入限度額(2025年まで)】
3,000万円
【最大控除額】
210万円
【住宅の性能】
その他の住宅
【借入限度額(2025年まで)】
2,000万円
【最大控除額】
140万円
【主な条件】
自らが居住するための住宅
床面積が50㎡以上
合計所得金額が2,000万円以下
住宅ローンの返済期間が10年以上
昭和57年以降に建築又は耐震基準に適合した住宅
参照サイト:住宅:住宅ローン減税 - 国土交通省 (mlit.go.jp)
住宅取得等資金贈与は「最大1000万円」
住宅取得等資金贈与とは、中古住宅購入のための資金を父母や祖父母から贈与された場合に利用できる制度です。
最大1000万円までなら贈与税がかかりません。
【住宅の性能】 【非課税枠】
省エネ等住宅 1000万円
それ以外の住宅 500万円
【条件】
自身で所轄税務署に申請する必要がある
適用期間は「2025年12月31日まで」
詳しくはNo.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税|国税庁 (nta.go.jp)
リフォームの特別控除(投資型減税)
特定のリフォーム工事に対して所得税から控除されます。
限度額はリフォームの内容によって異なりますが「控除率は一律10%」です。
【対象工事】 【対象になる限度額】
バリアフリー 200万円
省エネ 250万円(※350万円)
三世代同居対応 250万円
耐震または
省エネ+耐久性向上 250万円(※350万円)
耐震及び
省エネ+耐久性向上 500万円(※600万円)
※省エネ工事と併せて太陽光発電装置を設置した場合の控除対象限度額です。
【条件】
自身で所轄税務署へ申請が必要
期間「2025年12月31日まで」
コチラで詳しく解説しています。
中古住宅の改修工事を行った場合の所得税の特別控除|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)
ここでは税金についてまとめています。
不動産取得税
土地や建物を取得した際に支払う税金が「不動産取得税」です。
【計算方法】
住宅:固定資産税評価額×3%
宅地:固定資産税評価額×1/2×3%
令和6年3月31日まで軽減税率の3%が適用されます(本則は4%)
固定資産税
リフォームをおこなうことで固定資産税を減額できます。
控除期間は「1年間」で内容によって減税の割合が異なります。
【工事内容】 【減税割合】
耐震 1/2
バリアフリー 1/3
省エネ 1/3
長期優良住宅化 2/3
【条件】
リフォーム工事完了後「3か月以内」に申請が必要
適用期間「令和6年3月31日まで」
登録免許税
中古住宅を購入時に「所有権移転登記」「抵当権設定登記」をおこなう際に支払う税金です。
【登記の種類】 【本則】 【軽減措置】
所有権移転登記(建物) 2.0% 0.3%
抵当権設定登記 0.4% 0.1%
令和6年3月31日まで軽減が適用されます。
中古住宅では補助金を利用すればお得にリフォームを行う事が現在可能です。
ですが、今回紹介した補助金等は事業者登録が必要だったり、期間が終わってしまったり、してしまう可能性があるという事、「併用できる補助金」や「対象になる中古住宅」などをすべてを把握するのが難しい場合もあります。
そのため、専門的な知識を元に適切なアドバイスを受けられる中古住宅やリフォームに特化している不動産会社に相談するのがおすすめです。
皆様も補助金などの国や都道府県、自治体の制度を利用してお得に中古住宅+リフォームを行いましょう。
著者情報
宅地建物取引士 刈田 知彰
(かりた ともあき)
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
新築戸建てから中古戸建てのことならなんでもご相談ください!