2023.09.25
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「贈与税について」住宅取得等資金贈与の非課税の特例と相続時精算課税制度について解説
更新日:2024年3月21日
住宅取得資金の贈与を受けたとき際には相続時精算課税制度と住宅取得資金贈与という制度を利用することができます。
贈与税や相続税の対策に有効です。
相続時精算課税制度と住宅取得資金贈与は併用することができますので、その注意点を確認していきましょう。
個人から現金や不動産といった財産の贈与を受けた場合にかかるのが贈与税です。
贈与税は、時価より著しく低い価格で不動産などのプラスの財産を買った場合や、金銭の支払いがないのに不動産の名義を変更した場合や借金の免除を受けた場合などは、贈与というイメージは薄いのですが、税法上、贈与があったものとみなされ、贈与税がかかりますので注意しましょう。
「暦年課税制度」の計算方法
この暦年課税制度における贈与税は、次の計算式で計算されます。
(1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価格の合計−基礎控除(110万円))×税率=税額
※基礎控除が110万円あるので、年間110万円までの贈与については税金がかからないということになります。
贈与税の早算表
1.20歳以上(令和4年4月1日以降は18歳以上)で直系尊属から贈与を受けた場合
2.上記1以外の贈与の場合
令和5年12月31日までに18歳以上(贈与の年の1月1日現在の年齢で、令和4年4月1日以前は20歳以上)の者がその直系尊属である者(父母か祖父母)から受ける自らの居住用家屋の取得に充てるための金銭の贈与については、1000万円もしくは500万円まで贈与税が課されません。
注意点としては、受贈者の贈与を受けた年の合計所得金額が2000万円以下(一定の者は1000万円以下)でなければこの非課税の適用を受けることができません。
この特例は、暦年課税又は相続時精算課税制度のいずれかと併せて適用することができます。
例えば、暦年課税の令和4年8月までの贈与では、一般住宅で500万円+110万円=610万円までが非課税となり、相続時精算課税制度との併用ですと2500万円+500万円(一般住宅の場合)=3000万円までが非課税となります。
注意ポイントですが、父母双方及び祖父母からの贈与についても対象とすることができるのですが、合計500万円(一般住宅の場合)が上限となります。
質の高い住宅は国土交通省が次のように定めています。
以下、この住宅取得資金贈与の非課税制度の内容についてみていきましょう。
(1)適用対象となる贈与者、受贈者
・贈与者 この非課税制度では贈与者は受贈者の直系尊属となっていますの、父母のほか、祖父母や曾祖父母からの贈与も対象となります。
・受贈者 その年の1月1日現在で18歳以上の贈与者の直系卑属となっていますので、子とか孫が対象となります。但し、贈与を受けた年の合計所得金額が2000万円以下(一定の者は、1000万円以下下記(3)参照)の者に限る
(2)住宅取得資金とは
住宅取得資金とは、次のいずれかに掲げる新築、取得又は増改築等(受贈者の配偶者その他の受贈者とは特別の関係がある者から取得又は増改築等をする場合を除きます。)の耐火に充てるたけに金銭をいいます。
①住宅用家屋の新築又は建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得
➁中古住宅用家屋の取得
③住宅用家屋の増改築等
(3)適用対象となる住宅用家屋の範囲
この非課税特例の適用対象となる住宅用家屋の範囲は、相続時精算課税制度の住宅取得資金の特例と同様(相続時精算課税制度の住宅取得資金の特例で後述詳しく説明)ですが、この贈与税の非課税特例の床面積基準については、令和3年1月1日以後に贈与により取得する住宅家屋等は、40㎡以上(所得税の合計所得金額が1000万円以下の者は40㎡以上で、2000万円以下の者は50㎡以上)240㎡以下
なお、相続時精算課税の住宅用家屋等の床面積要件には、240㎡以下という制限がありません。
(4)入居要件
この非課税特例の適用を受けるためには、贈与を受けた年の翌年3月15日までにその取得した住宅に居住すること、又は同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれるときには適用を受けることができます。贈与を受けた年の翌年12月31日までに入居できない場合は、非課税特例は適用できなくなり、修正申告をして贈与税を納めなければなりませんので注意が必要です。
(5)適用を受けるための手続き
この非課税特例の適用を受けるためには、贈与税の申告書にこの特例の適用の記載をし、一定の書類(相続時精算課税制度の住宅取得資金の特例で後述詳しく説明)を添付して、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに住所地の税務署に提出する必要があります。
注意点ですが、申告期限を経過すると特例の適用は受られません。一般の贈与になり、税額もその分増えますので注意しましょう。
平成15年1月1日以降に財産の贈与を受けた人は、財産の贈与をした人ごとに想像時精算課税制度を選択することができます。
内容をまとめています。
相続時精算課税制度において、平成15年1月1日から令和5年12月31日までの間に、「住宅取得等のための資金」の贈与を受けた場合、次の特例の適用を受けることができます。
(1)相続時精算課税制度の選択の特例
「住宅取得等のための資金」の贈与を受けた場合には、その贈与者が60歳未満であっても相続時精算課税制度を選択することができます。
(2)住宅資金特別控除の特例
相続時精算課税制度の適用を受ける人が「住宅取得等のための資金」の贈与を受けた場合には、2500万円の特別控除額が控除できます。
(3)相続時精算課税制度の選択の特例の適用を受ける住宅用家屋等の範囲
(4)適用を受けるための手続
この特例の適用を受けるためには、相続時精算課税制度の選択をする旨の届出書の他に、次の書類を添付しなければなりません。
①受贈者の戸籍謄本又は抄本
➁新築や取得の契約書の写しなど
また、相続時精算課税制度の住宅取得等資金贈与の特例を受ける場合は、上記添付書類のほかに、さらに次の添付書類が必要となります。
住宅取得資金贈与の非課税特例と相続時精算課税制度の住宅取得資金の特例とは共通する事項が多いのですが、大きな違いがあります。それは、相続時精算課税は贈与者の相続が発生したときに贈与財産を相続財産に加算して相続税の計算をするのに対して、非課税特例は、相続が発生しても相続財産に加算されることなく、贈与を受けた年において課税関係が完結することです。
先に贈与をしている方が良いのか、後に相続する方が良いのかこのコラムを参考にして頂ければ幸いです。
また、増改築等でこの制度を利用した方は「増改築.com」へお問い合わせお願い致します。
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著者情報
宅地建物取引士 刈田 知彰
(かりた ともあき)
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
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