更新日:2024年3月21日
東京都でマイホームを購入する際には様々な関係法規・法令が関係してきます。不動産の取引を行う場合は、不動産会社が関連する取引では、重要事項説明書などで、詳しく説明を受けることができますが、一般的にはそのタイミングまで知る事はありません。これらの情報は前もって調べることが可能です。様々な関係法規・法令の中で今回は都市計画情報について解説していきたいと思います。
都市計画情報とは、都市の発展や成長を適切に導くための計画や方針を示す情報のことを指します。これには、土地利用の指針、交通インフラの整備、公共施設の配置、緑地や公園の確保など、都市の持続的な発展や住民の生活の質を向上させるための多岐にわたる要素が含まれます。
都市計画情報の主な内容としては以下のようなものがあります。
都市計画が適用される地域を示します。
都市計画区域は、更に「市街化区域」と「市街化調整区域」「非線引き区域」に分けられます。
都市計画区域の他には、「都市計画区域外」と「準都市計画区域」があります。
土地利用の種類や範囲を示す。例えば、住居地域、商業地域、工業地域など。
都市計画法 の 地域地区 のひとつで、用途の混在を防ぐことを目的としています。 住居、商業、工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるもので、13種類あります。
用途種別
第1種低層住居専用地域
第2種低層住居専用地域
第1種中高層住居専用地域
第2種中高層住居専用地域
第1種住居地域
第2種住居地域
準住居地域
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
工業専用地域
建ぺい率と容積率についてはコチラのコラムをご覧ください。
簡単にわかる違法建築物の見分け方「建ぺい率(建蔽率)」「容積率」とは?中古住宅購入時の注意点は?|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)
外壁の後退距離とは、第1種低層住居専用地域・第2種低層住居専用地域・田園住居地域の3つの用途地域に対して、建物の外壁と敷地境界線までの距離を1.5mまたは1mにする事を定めた制限の事です
最低敷地面積とは、正式には「敷地面積の最低限度」といい、建物を建築するために最低限必要な敷地面積を定めたものです。各自治体が都市計画法や建築基準法に基づく地域地区・建ぺい率などに応じて、必要であれば定められます。
高度地区
東京都で高度地区に定められている地域は下記で確認できます。
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/cpproject/intro/list_koudo.html
種別
高度地区
最高限度
最低限度
建築物が密集している地域では、火災の延焼が発生しやすくなります。そのため、このような地域を防火地域や準防火地域と定めて、建築物の構造に一定の制限を設けています。防火地域や準防火地域に指定されていない地域を、無指定地域と言います。
種別
防火地域
準防火地域
特定街区(とくていがいく)は、都市計画法による地域地区の一つで、既成市街地の整備・改善を図ることを目的に、ある街区において、既定の容積率や建築基準法の高さ制限を適用せず、別に都市計画で容積率・高さなどを定める制度になります。
都市再生特別地区(としさいせいとくべつちく)は都市計画法による地域地区の一つで、都市再生特別措置法(2002年(平成14年)施行)により創設された。同法令により指定された都市再生緊急整備地域内において、都市の再生に貢献し既存の用途地域や容積率、高さなどの規制によらない高度利用(自由度の高い土地の有効活用)を必要とする区域などを対象とするもので、各都道府県の都市計画によって決定される。また、提案制度により都市開発事業者が提案することも可能である
特定防災街区整備地区とは、密集市街地での火災や地震などの災害に対して、防災機能の確保と健全な土地利用を図るために整備する地区です1。この地区は、都市計画法で定められており、特定防災街区整備地区または防災街区整備地区計画のうち一定の制限が定められた区域、耐火、準耐火建築物の割合が1/3以下、不適合建築物の割合が1/2以上、土地利用状況が不健全、特定防災機能の効果的確保に貢献することが条件となります
風致地区(ふうちちく)とは、1919年(大正8年)に制定された都市計画法で、都市内外の自然美を維持保存するために創設された制度である。指定された地区では、建設物の建築や樹木の伐採などに一定の制限が加えられる。「風致」とは「おもむき、あじわい、風趣」の意
(1) 制度概要
都市における枢要な自然的環境となる緑地において、建築行為など一定の行為を許可制と
し、現状凍結的に保全する制度。【都市緑地法第 12 条】都市計画の地域地区の一つ。【都市計
画法第 8 条】市民緑地制度を併用することできる。
都市計画法における地域地区として市町村(10ha 以上かつ 2 以上の区域にわたるものは都
道府県)が計画決定する。一定の行為を行う場合は、都道府県知事(市の区域にあっては当
該市長。以下同じ)の許可が必要となる。行為の制限により、土地所有者に著しい支障をき
たす場合は、都道府県知事等に対して、その土地の買入れを申し出ることが可能となる。
この場合、都道府県、市町村あるいは緑地保全・緑化推進法人がその土地を買入れる。
生産緑地地区(せいさんりょくちちく)とは、都市計画上、農林漁業との調和を図ることを主目的とした地域地区のひとつであり、その要件等は生産緑地法によって定められる。市街化区域内の土地のうち、一定の要件を満たす土地の指定制度(生産緑地地区制度)に沿って、管轄自治体より指定された地区を指す。この制度により指定された農地または森林のことを生産緑地(せいさんりょくち)と呼ぶ。
都市計画道路(としけいかくどうろ)は、「都市の基盤的施設」として都市計画法に基づく「都市計画決定」による日本の道路である。
優先整備路線とは、都市計画道路のうち、平成37年度までに優先的に整備する区間を、四つの基本目標 《1.活力、2.防災、3.暮らし、4.環境》 に基づいて選定したものです。
・都施行優先
・区市町施行優先
・その他施行優先
東京には、JR山手線の外側から環七通り沿いに木造住宅密集地域(木密地域)が広範に分布しており、次のような防災上の課題を抱えています。
木密地域の整備・改善に向け、都は、区と連携して「防災都市づくり推進計画別ウインドウで開く」を策定し、整備地域※等を定め、延焼遮断帯※となる道路の整備や、建物の不燃化・耐震化を推進し、一定の成果を挙げてきました。
これらの取組に加え、「木密地域不燃化10年プロジェクトPDF(別ウインドウで開く)」を立ち上げ、区と連携しながら、従来よりも踏み込んだ支援を行い整備を推進しています。
「都市鉄道」に相当する言葉として、北米ではラピッド・トランジット(rapid transit、直訳すると「高速交通」[1])、世界的にはメトロがある(これらは「(日本の)地下鉄」の対訳としても使用される)。これらは「都市内で、他の交通機関の支障を受けず、平面交差を有するバスや路面電車等と比較して、高速度・大量輸送で運行される(鉄道・軌道系)交通機関」の総称である。
都市計画公園・緑地・広場・墓園等は、都市計画法第11条第1項第2号に基づく都市施設として定められる公園、緑地、広場、墓園等のことです。
都市計画公園・緑地等の概要| 東京都都市整備局 (tokyo.lg.jp)
防災街区整備事業は、市街地再開発事業と同様に、土地・建物から建築物への権利変換による共同化を基本としつつ、土地から土地への権利変換も可能とする柔軟な手法が認められています。
老朽化した建築物を除却し、防災機能を備えた建築物および公共施設の整備を行う防災街区整備事業は、木密地域を解消する方法のひとつです。都は本事業の認可・補助等を行っています。
防災街区整備事業 | 東京都都市整備局 (tokyo.lg.jp)
地区計画は都市の中の一定の範囲である地区レベルに合った詳細な街の計画を定めます。
東京都の場合は以下の東京都都市整備局のサイトで調べることが可能です。
都市計画情報等インターネット提供サービス | トップ (wagmap.jp)
都市計画情報等インターネット提供サービスでは関連する下記の内容も調べることが可能です。
景観計画情報
景観法に基づく景観計画区域内における地区区分
景観基本軸
景観基本軸
景観形成特別地区
文化財庭園等
水辺
一般地域
一般地域
大規模建築物等に係る事前協議制度による景観誘導区域
景観誘導地区
眺望
文化財庭園等
水辺
皇居周辺
特定区域景観形成指針
東京のしゃれた街並みづくり推進条例による街並み景観重点地区
街並み景重点地区
(街並み景観ガイドライン承認地区)
歴史的建造物等
歴史的建造物等
東京都選定歴史的建造物
特に景観上重要な歴史的建造物等
歴史的建造物等
歴史的景観形成の指針の適用範囲
景観:景観ポータルサイト - 国土交通省 (mlit.go.jp)
建築基準法 道路種別
建築基準法による道路種別
法第42条第1項第1号の道路(1項1号道路)
道路法による道路で幅員4メートル以上のものです。
道路法による道路であっても、形態が存在しない場合や幅員が4メートルに満たない場合は、建築基準法上の道路に該当しない可能性があります。
法第42条第1項第2号の道路(1項2号道路)
都市計画法、土地区画整理法、旧住宅地造成事業に関する法律等の法令により、許認可を受けて築造された道路で、幅員が4メートル以上のものです。
法第42条第1項第3号の道路(1項3号道路)
基準時(建築基準法施行時)に現に存在し、一般通行されていた幅員4メートル以上の道です。
法第42条第1項第4号の道路(1項4号道路)
道路法、都市計画法、土地区画整理法等の法令により築造予定の道路で、2年以内にその事業が執行される予定のものとして、特定行政庁(平塚市)が指定したものです。
法第42条第1項第5号の道路(1項5号道路、位置指定道路)
土地を建築物の敷地として利用するために築造する幅員4メートル以上の道で、これを築造しようとする者が、特定行政庁(平塚市)からその位置の指定を受けたものです。
過去に指定された道路の図面や指定番号は、「道路位置指定の概要ページ」(新しいウィンドウで開く)にて確認できます。
位置指定道路の築造等については、建築指導課窓口でご相談ください。
法第42条第2項の道路(2項道路)
基準時に現に建築物が立ち並んでいる幅員4メートル未満の道で、特定行政庁(平塚市)が指定したものです。
後退方法については、建築指導課窓口で確認してください。(ひらつかわくわくマップでは確認ができません。)
建築基準法以外の道(法外道路)
建築基準法に規定されていない道です。
現況が道路状の形態であっても、上記の規定に当てはまらないと建築基準法以外の道になります。
開発許可情報
開発許可制度は、民間の宅地開発を都市計画に沿うように誘導することで、乱開発を防止し、暮らしやすい街づくりを図ることを目的としています。
※市街化区域では、一定規模以上の開発行為に公共施設の設置を義務づけて開発を許可し、市街化調整区域では、原則として開発は認められませんが、一定の条件に当てはまるものについては開発を許可する制度です。
開発許可制度 | 東京都都市整備局 (tokyo.lg.jp)
都市計画情報についてここまで解説してきましたが、マイホームを購入する場合はここまでの情報を調べる必要があります。直接関係ないものから重要な影響を及ぼすものまで多岐にわたります。
都市計画情報等インターネット提供サービス | トップ (wagmap.jp)では東京都内の都市計画情報を調べることが可能になります。
東京都の区域内には、基礎自治体として以下の23区・26市・5町・8村の区市町村があります。
区別だと
千代田区中央区港区新宿区文京区台東区墨田区江東区品川区目黒区大田区世田谷区渋谷区中野区杉並区豊島区北区荒川区板橋区練馬区足立区葛飾区江戸川区
市町村別
八王子市立川市武蔵野市三鷹市青梅市府中市昭島市調布市町田市小金井市小平市日野市東村山市国分寺市国立市福生市狛江市東大和市清瀬市東久留米市武蔵村山市多摩市稲城市羽村市あきる野市西東京市瑞穂町日の出町檜原村奥多摩町です。
都市計画情報等インターネット提供サービス利用の注意点
都市計画情報等インターネット提供サービス | トップ (wagmap.jp)の情報はすべて正しいとは限りません。最終的には最寄りの役場に確認を行いましょう。
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著者情報
宅地建物取引士 刈田 知彰
(かりた ともあき)
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
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