更新日:2024/3/20
オール電化住宅とは、ガスなどの他のエネルギーを利用せず、生活に必要なエネルギーをすべて電気でまかなえる住宅のことです。
今回のコラムではオール電化について解説したいと思います。オール電化はライフスタイルによって向き不向きがあるため、現在、中古住宅を購入する場合は多角面から家のエネルギーについて検討する必要があります。
中古住宅購入時やオール電化工事の参考にしてください。
オール電化の住宅では、家で消費するエネルギーがすべて電気でまかなわれています。
IHクッキングヒーターやエコキュートなどの機器を使ってエネルギーを供給するオール電化のおもなメリットは、以下の通りです。
・使用料の削減
当然ですが、オール電化にすると、ガスを一切利用しないため、ガスの契約する必要がありません。
つまり、ガスの使用料金(基本使用料)、を支払う必要もありません。
エネルギー的には同じぐらいの量を利用しますが、月々の光熱費はガスの基本使用料分だけお得になります。
このようにオール電化にすることで基本使用料を電気に一本化することができます。
もう一点、オール電化向け料金プランの多くは夜間の電気代が安く設定されています。
そのため、エコキュート・電気温水器・貯湯タンクなどを利用することで、日中に利用するお湯や暖房に使う熱源を格安の深夜料金で確保することができます。
さらに電気を貯める蓄電池や電気自動車と併用することで、料金を更に安くすることが可能です。
但し、現在は電気代の高騰が社会問題になっていますので、更なる電気代の高騰も考えられ選択が難しくなっています。
・安全性が高い
オール電化の特徴の一つに、コンロがあります。IHクッキングヒーターは、ガスを使わないので火災やガス漏れなどの危険性が少なく、そして、安全機能もついています。例えば、一定時間ボタンを操作しない場合、自動で停止するようになっています。子どもや高齢者がキッチンを使う際も安心して使用できるでしょう。
IHクッキングヒーター
折角ですので、IHクッキングヒーターにも触れておきたいと思います。
IHクッキングヒーターのメリットは高火力で調理ができるところ、火災の危険性が少ないこと、掃除がしやすいこと、オール電化や蓄電システムと相性がいいなどがあります。
デメリットは直火が利用できない、IH対応の調理器が必要、電気代高騰の影響を受けやすい、停電時は使えないなどです。
・復旧が早い
実は、災害時にダメージを受ける恐れがあるライフライン(ガス・水道・電気)のなかでは電気がもっとも復旧しやすいのです。緊急時のライフラインは電気に統一せずにばらした方が安心だという考え方もありますが、ガスを利用する場合でも実は多くの商品は電気が必要なケースが多く結局のところ、電気の復旧がまたれます。給湯器等がそうです。また、万が一水道が止まってしまっても、エコキュートには貯水機能があります。非常用に水を大量に備えられる点もメリットとなります。
・お手入れが楽
キッチンの熱源がIHクッキングヒーターになるので、サッと拭き取るだけでお掃除できて便利です。ガスの場合も最近ではお掃除しやすくなっていますが、IHの方が楽です。
オール電化はメリットだけではありません。ここでは注意点やデメリットについて解説していきたいと思います。
・日中の電気代が高くなる
メリットに使用料の削減と解説していますが、オール電化の最大の注意点は、日中の電気代が高く設定されていることです。
「子育て世代で日中家事を行う場合は逆に高くなったなんてことも」
夜間の安い電力を使って湯沸かしなどをすると光熱費をある程度抑えられますが、電気を利用する時間帯には注意しましょう。
・初期費用が高い
ガスコンロやガス給湯器などと比べて初期費用が高くなりがちなことが、大きなデメリットとなります。中古住宅をオール電化にする場合も同様で初期費用が発生します。
・調理器具に制限がでる
調理器具はIH対応でなければ使用できません。今まで使っていた調理器具を買い替えなければならない可能性があります。
・エコキュートの騒音
また、エコキュートのヒートポンプユニットから熱を発生させるための作動音が発生します。
機種や設置場所などにもよりますが、エコキュートの音に敏感な方は騒音が気になる人もいます。
中古住宅を選ぶ場合最初からオール電化の住宅もありますし、入居後オール電化に電化工事を行う住宅もあると思います。
まずオール電化の建物の注意点は、エコキュートや電気温水器など給湯器の寿命です。エコキュートは5年から15年、電気温水器10年から20年が寿命になります。買い替えの際は高額になるので、注意が必要です。
オール電化じゃない場合の注意点は、オール電化にするためにはガスを切断する必要があります。性能向上リノベーションなど大規模なリフォームを行う場合はさほど問題にはなりませんが、一部リフォームの場合は中途半端に線が残ったりします。
また、エコキュートは高額になりますので、リフォームの見積もりをしっかりととり、検討を行いましょう。
中古住宅を購入する際は、必ずしもオール電化が良いという明確な答えはありません。
オール電化の特徴やメリットとデメリットを把握したうえでライフスタイルに合うのはオール電化のお家かそうでないお家かを検討しましょう。
また、オール電化住宅は性能向上リノベーションととても相性がよくなります。性能向上リノベーションで断熱性能が高いお家だと更に光熱費の削減につながります。また、エアコンを使用する時間も少なくなりますので、日中の電気代が高いというデメリットの解消にもつながります。
その他、電気自動車や蓄電池V2Hや太陽光発電などオール電化住宅と相性の良いオプションを利用してオール電化住宅を使いこなすこともおススメです。
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著者情報
宅地建物取引士 刈田 知彰
(かりた ともあき)
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
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