更新日:2023/12/12
築浅の中古戸建ては新築戸建てと同然の性能を割安で購入できるチャンスの物件です。しかし、物件によっては購入してはいけないケースも少なからず存在します。今回はそんな「築浅」について基本的な情報から詳しい情報まで、築浅に関することについて解説していきたいと思います。
築浅とは?まずは築浅とは何を指すのかという基本的な事から解説していきたいと思います。
物件の建築年数についての基本的な説明
「築浅」の「築」は「築年数」の築です。築年数とは、建物が完成した後の経過年数のことです。不動産広告には建築年月の記載が義務付けられています。
物件の売買において、築年数は購入を左右する重要な判断材料でもあります。ここでいう完成とは完了検査を受けた日のことを指すことがほとんどです。
このような築年数を大まかに示すこと言葉に、「新築」・「築浅」・「築古」などがございます。
築浅の定義とその特徴
早速ですが、「築浅」には明確な定義がございません。各不動産会社によって、物件広告で「築浅物件」といった言葉で宣伝している場合でも、その物件の築年数は1年、3年、5年、長いもので10年など、さまざまです。
一般的に多いのが築5年以内を指すことが多いと思います。こちらは私的な見解ですが、築浅と広告などで記述する際は、5年から8年ぐらいの物件に関しては、建物の状況に応じて記述するかを決めます。まだ、割と新しい築5年の物件でも物件によってはそこまで新しさを感じない物件も存在するからです。逆に築10年を過ぎていても、リフォームを行っていれば築浅と表示されている物件よりも綺麗なこともあります。私自身築浅という言葉で煽るようなことはしたくないと思います。
補足ですが、「新築」、「築古」についても解説します。
新築について
「新築」については明確な定義がございます。「築1年未満かつ未入居・未使用」のものとされています。
築古について
「築古」とは「中古物件(中古住宅)・賃貸物件の築年数が古いこと」物件を際します。築浅と同じように明確な定義はございませんが、築年数が20年以上の建物は築古物件とされています。
ここでは、「築浅」のメリットとデメリットについて解説していきたいと思います。
築浅物件のメリット
まずはメリットから解説します。
新しい建物の利点や快適さ
「築浅」の建物は新築と比較してもあまり遜色がない事がメリットになります。例えば、そのまま住む場合築30年の建物と現在の建物では建物の性能が大きく変わります。また、瑕疵担保責任保険など売主から引き継げる可能性もあります。
新築よりも安い傾向がある
新築と築浅物件の価格を比較してみると、築浅物件は価格が安い傾向があります。物件によって異なりますが、同じ条件で探した物件の新築と築浅で比較した場合、築浅のほうが安い傾向にあります。
最新の設備が整っていて便利
大きな建築基準法の改正があるなどのイレギュラーを除けば、新築と同等の設備がその割っていることが多くなります。例えば、浴室乾燥機や追い焚き機能付きのお風呂などの最新の設備が整っていることが多いので便利に暮らせます。
古い物件より人間関係に困りにくい
築古物件ではご近所の皆様は長く住んでいる人が当然多くなります。その為、築古物件では人間関係が既にでき上がっているコミュニティになかなか馴染めない場合があります。
しかし、築浅物件なら入居者全員の入居時期が近く、人間関係ができ上がる前なので、他の入居者と馴染みやすい可能性が高くなります。
築浅物件は新築と同じように、瑕疵担保保険が引き継げるなど、新築と同等より少し落ちるぐらいのメリットが存在します。その上新築よりも少し安く購入できることがメリットになります。
築浅物件のデメリット
ここからはデメリットについて解説していきます。
価格が新築よりも高い
メリットでは新築よりも価格が安いと記述しておりますが、実は新築時よりも高く販売されているケースが存在します。
考えられる理由としては不動産会社の指示、元々投資用で購入、110%ローンを利用しているなどが考えられます。
不動産会社の指示というのは、例えば新築時に販売した会社は売ったものが安くなるとあまりいい印象を受けないと思いますので、高く値段を設定してみるという点と築浅はやはり、珍しいので、仲介会社も販売したい物件となります。その為「弊社なら高く売れます」などと査定金額を高めに設定します。また築浅物件が販売される背景の一つに投資による転売狙いの個人または業者がいるというものです。マンションなどはより顕著に分かりやすいですが、次に周辺で販売されるマンションが「相場」「建築単価の高騰」などで高くなることが分かった場合、今ある物件を購入して落ち着いた頃の売りにだすといったケースです。続いて110%ローンを利用している場合は、購入時よりも高く販売しないと、ローンの返済ができない為、物理的に売却ができないので、仕方なく販売価格をあげているケースです。どのケースでも購入者にとってはあまり良くないケースとなります。ですが、実は築浅物件にはよくあるケースとなります。価格が新築時よりも高くなることは消費者目線(購入者)で言えばデメリットとなります。
人が住んでいる可能性が
新築と違い「築浅」は人が住んでいる可能性があります。少しでも生活すると、傷や臭い、日焼けや汚れなど、やはり気になってしまうケースがあります。また、少し住んでいたが、大きな引っ越しはまだ行っていなかったので、売主が申告をせず、未入居として扱われているケースなどがあります。
「思ったよりも古い」などギャップがある
「築浅」は物件によって状態にバラつきがあります。始めから転売するつもりで住んでいる方は綺麗に扱われていますが、そうでない方もおられます。また、立地条件によっても建物が汚れやすい物件などもあります。新築と違って住んでからの様子がわかるというのは中古のメリットですが、皆さまは「築浅」と聞けば綺麗な状態を思い浮かべられるのではないでしょうか。実際に住まれてから使用感があるなど、ギャップがでやすいのも「築浅」の特徴ではないでしょうか。
このように、「築浅」といっても様々な状況がありますので、購入の際はこれらのメリット・デメリットを見極めて検討を進めましょう。
また、売却をお考えの方は築浅で売却は希少性があるので、プラスに働く可能が高くなります。購入して2から3年で引っ越しされるケースは少なくなく、過去の売却者の皆様、スムーズに住み替えができています。お住み替えをご検討の方は是非ご相談ください。
築浅物件が見つからない。
その他、物件のデメリットではないですが、築浅物件がそもそも見つからないという問題があります。自分の住みたいエリアに都合よく築浅物件が販売されるとは限りません。やはり、購入時には新築や築浅もそうですが、築古中古住宅まで、いろいろな角度で物件を探して選択肢の幅を広げることが重要となります。
築浅物件が求められる背景やトレンド
現在「築浅」はトレンドではなく敬遠されています。なぜなら、2025年に建築基準法の大きな改正を控えているからです。現時点の評価で、逆に数年後には築浅物件がおススメですと言っているかもしれません。建築基準法の改正など大きな建物の仕様・構造の変更がおこると、今で例えると、新耐震と旧耐震のような差がでることも考えられます。また、近年ではテレワーク・リモートワークに対応した間取りが注目されています。その他、間取りが今までのものと違った間取りが流行する可能性もあります。
また、現在の低金利の時代において、住宅ローンの金利が低いため、新築や築浅物件の購入がしやすくなっています。金利の面や住宅ローンの借りやすさなど、これが築浅物件の需要を後押ししているという現実もあります。
まずは、前述の築浅のメリット・デメリットをご覧いただいた点に注意してください。
仲介手数料に注意
価格についてはメリット・デメリットについて解説してきましたが、築浅物件と比較検討するのは新築住宅が比較対象になることが多くなると思います。物件だけの価格では築浅物件の方が安くなっていることが多いと思いますが、新築は売主が直接販売しているケースが存在します。つまり、仲介手数料が無料だという事です。物件代金+仲介手数料をした場合に新築よりも高くなってしまう可能性があります、もちろん、すべての新築が仲介手数料が無料ではないので、周辺の物件と比較しながら選びましょう。
悪意のある売却の可能性も
築浅について調べているとこのようなケースもあるみたいです。新築で購入した住宅が欠陥住宅で、知らないふりをして売却に出していたというケースです。本来ならこのような場合は重大な事態になりますので、告知事項有で買主に説明を行わなければなりません。その説明すらないことがあるようです。このような事に巻き込まれないようにご注意下さいと言ってもなかなか難しいです。このような場合は弊社のような戸建て住宅の専門家やホームインスペクションに依頼することをおすすめいたします。
売却理由に注意
築浅の物件が売りに出る理由について考えてみましょう。投資、転勤、本人もしくは家族がお亡くなりになられた。離婚、リストラ等で住宅ローンが支払えなくなったなどが上げられると思います。気にされる方もおられれば、気になされない方もおられると思います。ですが、そこに注意点があるかもしれませんので、注意して確認しましょう、過去には、注文住宅で理想の家を建てたつもりだったが実際に住むと思ったものと違うということで売りに出された方もおられました。ご近所が嫌などちょっとしたトラブルが関わっている可能性もあります。築浅もそうですが、中古住宅全般を購入する場合は売却理由も確認しましょう。後ほどさらに詳しく思い出話と共に触れたいと思います。
築浅物件はマンションの場合一戸建てと比較するとマンションは投資で購入している方も多くおられます。一戸建ての場合は実需(自分が実際に住む)の割合が多いと思います。一戸建てに比べて管理がマンションの方がしやすいところがあるかもしれません。自分で管理するのが苦手な方はマンション、建物の外観まで自分好みにされたい方は一戸建ての方が良いと思います。また、
東日本不動産流通機構の調査によりますが、新築マンションは0年から5年はほとんど値崩れしないのに対して新築戸建て住宅は住んだタイミングとそれと同時に少しづつ価値が下がっていきます。
何に趣をおくかにもよりますが、築浅一戸建ての方が消費者目線(購入者)がデータ的にはお得になります。
築浅物件でもリフォームやリノベーションが必要な可能性があります。築浅物件の値付けに設備の状況はあまり値段に含まれません(大きく影響しないという意味です)ですが、築浅物件でもリフォームを行わなければならない状態の物件かもしれませんし、自分好みにフローリングや壁紙を変更したいと思われる方もおられると思います。そこで、築浅物件でもリフォーム予算を考えながら物件見学を進めていくことをおススメします。
また、全体的に大がかりなリノベーションを行いたい場合は建物の評価額に加えて減価償却の早い設備等の価格分築浅物件は高くなりますので、築浅物件は損になります。
ここでは、購入してはいけない築浅物件について解説したいと思います。
- 耐震等級3ではない物件
- 断熱性能がHEAT20G1(それ以上)ではないまたはそれ以下の性能
- 瑕疵担保責任保険が引き継げない、新築売主のフォローがない
- 売却理由でわかる購入してはいけない築浅物件
こちら関連サイト増改築.com® で詳しく説明しておりますので是非ご覧下さい。
耐震補強工事リフォームをケース別に徹底解説網羅!|戸建てフルリフォームなら増改築.com® (zoukaichiku.com)
耐震等級3を有しない建物は熊本地震のような断続的な揺れに対して対応できません。1回の地震に耐えれても複数回の地震に耐えることが出来ない可能性があります。また、耐震等級1は倒壊することはないですが、地震に見舞われてしまった際に修繕しないと住めない可能性があります。
こちらも関連サイトの増改築.com® でこれまでのそしてこれからの断熱の指標について解説しています。
2025年省エネ基準適合義務化とは? - 戸建てフルリフォーム・フルリノベーションなら増改築.com® (zoukaichiku.com)
断熱リフォームについてhttps://www.zoukaichiku.com/dannetu
2025年に新築住宅に対して省エネ基準への適合が義務化されます。今後断熱基準が重要な購入要素になってまいります。
その3は保険の問題です。現在は瑕疵担保責任保険が引き継げるようになっていますが、ご購入の物件は大丈夫でしょうか。
その1その2は建物の性能についてです。新築も含めての話になりますが、建築基準法をギリギリ満たしたレベルで建てている建物は数多く存在します。将来的な資産が心配です。
今回はその4について詳しく解説したいと思います。
築浅物件の売主が個人の場合は、なぜ購入後数年で物件を手放すのかその理由の確認が重要になります。
例えば、転勤や病気、親の介護や離婚など、人生何があるかわかりません。筆者の若手時代の話ですが、新婚のお客様も一生住まれるつもりで購入されましたが、住まれて数年で離婚が決まり中古戸建てとして販売を依頼されたケースがあります。新築住宅の注文住宅でお渡しだったので、私も感情が入ってしまい冷静の判断ができないと考え販売は別の業者さんに依頼をお願いするようにと、中古での販売はお断りしたことがあります。(今思うとプロとしては失格です)
このような場合でも気持ち的に「ちょっとな」と思われる方もおられると思いますが、物件の価値としては問題ありません。
注意しなければならないのが、不動産自体が問題のときです。例えば、近隣トラブル・欠陥住宅などです。
これらはどちらも告知事項に該当しますが、悪意がある場合や、誤魔化されてしまっているとき、正直に話してもらえなかったときに、揉め事の原因になります。
例えば欠陥住宅だった場合、中古住宅として購入したあなたはすぐにその欠陥に気づかない場合も考えられます。購入後10年後に気づいた場合はどうなるでしょうか。建築した工務店によってはアフターフォローがあると思いますが、どうにもならない可能性が高くなってしまいます。これらの問題はホームインスペクションなどに頼るのが一般的です。
不動産の営業マン(宅地建物取引士)は不動産のプロですが、建物のプロではありません。基本的には不動産の営業マンには建物に関しては無知な方が多いので、築浅の物件であっても建築の目線を持った案内を行える会社や営業マンを選ぶ必要があります。
また、近隣トラブルはその原因にもよると思いますが、購入前にご自身であいさつして回ってはいかがでしょうか。「この辺りの住み心地はどうですか」などから世間話から入って素直に「なにかしら問題はないか」を何人かに聞いてみるのがよいと思います。
少しの手間がのちの利益につながります。
このように築浅物件は魅力的な物件も多いですが、目に見えにくい問題を抱えている物件もありますので、注意しましょう。
また、築浅物件は珍しいこともあり「人気物件ですぐになくなってしまいます」などと言われることが多いです。私もいいます。ですが、物件が売れてなくなってしまうことよりも、上記のような内容に気づかずに購入することが一番の問題点となります。
それでも、早く売れてしまう可能性が高いので、焦らず、早い判断を行えるように、建築もわかっている不動産のプロと物件を探すことが重要となります。
築浅物件は建売住宅の購入の流れと酷似しています。
築浅物件の購入時に気を付けることは、建物状況を詳しく調べるインスペクションを行うか、また、特に10年以下の建物に関しては、瑕疵担保責任保険の引継ぎができるかの確認を行う必要があります。現在瑕疵担保責任保険は売主から買主に継承できることが多くなっています。
また、リフォームを行う場合は見積もりと支払いのタイミングを注意しましょう。
リフォームを行わない場合はハウスクリーニングを行うか検討されてはいかがでしょうか。
注意が必要な法的なポイント
中古住宅は買取再販住宅の場合を除き住宅ローン減税の限度額が少なくなります。
認定住宅、長期優良住宅、認定低炭素住宅などによってそれぞれ限度額はことなります。
詳しくはこちらをご覧ください。
住宅ローン減税を徹底解説します!|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)
新築で購入した物件を売却する場合、いつ売却すれば良いのでしょうか。
新築を購入した際の値下がりのタイミング
※すべての物件に当てはまるわけではないので、参考程度にお読みください。例えば土地の価値が建物価格よりも圧倒的に高い(割合が高い)場合などです。
まず、「築浅」の定義は決まっておらず1年から10年とありましたが、その間にも価格が大きく変動する機会が存在しますので、解説します。
入居のタイミングでおおよそ1割から2割
日本人は特に住宅に関しては新築志向になります。木造住宅で特殊な建築物は除いて建物の寿命は望めない住宅が多かったことや、戦後、爆発的な人口増加によって住宅性能よりも戸数の確保が至上命題となってしまった事に起因します。
その為、入居したタイミングが一番価格が下落するタイミングとなります。
2年後から5年後 おおよそ1割から3割
築浅物件でも2年程したころから、住宅に劣化が見られます。住宅によって分かりやすい建物であったり、建物の管理によっても異なりますので、その点で大きく価格が変わります。
10年のタイミング 3割から5割その後ゆっくり減っていく
10年のタイミングも一つのポイントとなります。まず、「築浅」まだまだ新しいという感覚ではなくなります。また、中古住宅を購入する際、検索の絞り込み条件で10年以下という項目が非常に強かったのがなくなります。10年すぎるとその後は、ゆっくりと価格は下落していきます。
30年から40年 建物の価値はほぼへ
そして建物にもよりますが、築30年経つと、建物価格はほぼ0円になります。また、現在の建物は性能が上昇していますので、40年ぐらいが目安になるのではないでしょうか。
その他下記のタイミングは価格に影響を及ぼします。
年号が変わったタイミング
日本では、昭和、平成、令和と年号が変わっています。平成物件や令和物件など年号によっても価格に変動はあります。気持ち的な面もおおきいとは思います。
建築基準法の改正のタイミング
やはり、大きな要因には、2000年の2000年基準と1986年の新耐震基準があります。現在、旧耐震の物件は建物の評価がマイナスに扱われることもあります。ここで完全に線引きがあります。また、2000年基準では地盤調査などが事実上必須になり、やはり、2000年基準も大きな目安になっています。
大地震のあった年
大地震が起こった年を境に価格が変動します。大きな要因としては大きな地震によって建物へのダメージが考えられるからです。次に大きな地震が起こった場合に建物は大丈夫なのかの調査は難しいのです。
物件の将来性を評価する指標
また、周辺環境も価格に大きな影響を及ぼします。新駅ができた、ショッピングモールができたなどは価格上昇のポイントとなります。逆に閉鎖・閉店はマイナスの要因です。東京ではあまり考えにくいですが、地方にお住まいの方はそのあたりもポイントとして参考にしてください。
ここまでの記事は買主側目線の記事が中心でしたが、ここでは売却時のポイント注意点について解説していきます。
築浅物件を再販する際のポイント
築浅物件を売却する際のポイント1 「住宅以外の設備を残すか決めよう」
住宅を売却する際、基本的にはエアコンや照明器具などは撤去されると思います。捨ててしまうか引っ越し先で利用するか、築5年以内の住宅では設備がまだ新しいため、そのまま残しておく方が良いこともあります。付加価値を高めれる可能性もあります。趣味が分かれるカーテンなどは扱いが難しいいところですが、丈の問題もありますので、引っ越し先で利用しない場合は
築浅物件を売却する際のポイント2 「築浅ならではの清潔感」
築5年ほどの築浅物件の購入を検討している人は、建物の躯体や内装の傷みが少ないことを前提に考えています。築5年でもとは思えないようなひどい汚れがある場合には、壁紙を張り替える程度のリフォームやプロによるクリーニングを実施した方が見栄えがよくなります。
室内だけでなく、外観や外構も同様です、外の清潔感も、内覧時の印象に大きく影響します。特にカビ・蜘蛛の巣、ゴキブリの糞によるシミ、蓄積したほこりなどは、購買意欲を激減させてしまいます。特に水回りは築浅でも汚れが目立ちやすい場所なので、清掃を心がけましょう。
築浅物件を売却する際のポイント3 「欠陥を隠してはいけない」
売主は「契約不適合責任」を負います。家を購入する際に買主はその家で暮らしているわけで物件について、詳しく知りませんし、欠陥住宅を購入するとは夢にも思っていません。また、家という高額な購入をした後に大がかりなリフォームを行わなければならないことは大きな負担となってしまいます。
そこで、住宅に何らかの瑕疵(欠陥や劣化)が見つかった場合には、家の引き渡し後であっても一定期間内(個人間の売買は3ヶ月以内が一般的)であれば、買い主は売り主に修繕費用を請求することができるというもの。保証される範囲は、柱や土台など建物の躯体構造のトラブル(白アリなど)や、雨水の侵入を防ぐ部分の欠陥(雨もり)を指します。これらの欠陥は売主が購入した売主(業者)にまで責任は発生します。
がしかし、その被害の請求は簡単ではありません。
築浅だと、建物の経年劣化はそれほど進行しませんが、注意したいのが建築時の施工不良です。
売主が知らなかった(気づかなかった)瑕疵も保証の対象となるため、物件の売却の前に何らかの欠陥がないかをよく確認しておくことが大切です。なお、売り主が住宅の瑕疵を把握していたのに買い手に故意に知らせなかった場合には契約不適合となり、契約解除、損害賠償請求の対象となるので注意しましょう。
築浅の家を売る時は住宅ローンを完済できるかチェックが必要
築浅の家を売る時に大きな障害となるのが、購入時に組んだ住宅ローンの残債です。ほとんどの方は家を購入する際に住宅ローンの借入も同時におこないます。築浅の場合は特に、まだ高額の残債があるケースが多いでしょう。家を売る際は住宅ローンを完済してから引き渡す必要がありますが、残債が高額すぎると売却しても売却代金だけでは完済できない可能性があるので注意しましょう。
残債は売却代金で完済できるのが理想ですが、当たり前ですが、自己資金+売却代金で返済しても問題ありません。当初に考えていた査定や売り出し価格に比べて成約価格が低くなることもも考えられるので、事前に十分な自己資金を用意しておきましょう。
売りたい理由をはっきり伝えましょう
ここまでにも触れてきましたが、「築浅」なのにもどうして売りにだしているのだろうというのは、購入者のチェックポイントとなります。その理由がポジティブでもネガティブであったとしても、買主に対しては説明しておきましょう。
例えば、お隣の方が真夜中に音楽を大音量でかけてうるさい。など、もしかすると、告知義務違反で訴えられてします可能性もあります。
なるべく誠心誠意お伝えしましょう。
諸費用・諸契約の確認もしっかりおこなおう
家を購入する際の諸費用等の内、住宅ローンや火災保険は長期的に住むことを想定して見積もりをしていることがほとんどだと思います。その為、早く家を手放す場合は保険料や保証料が戻ってくる可能性があります。住宅ローンの保証料は現在融資事務手数料という形になって返金をされることが少なくなっていますが、保証料の場合は保証料が戻ってきます。また、手続きは全額繰り上げ返済を行う手続きをとると銀行の方で計算してもらいます。完済証明など抵当権の抹消手続きの確認と共に行いましょう。
また、火災保険は基本的に保険料が戻ってまいりますので、保険会社への連絡もお忘れなく。
その他にも、新築時に契約した内容が売却前に解除されていないこともある可能性がありますので、注意をしましょう。
築浅の家ほど早期に売却するべき
築浅の家の売却を検討している人の中には、「築浅だから高く売れる」と考えている方もいます。
ただ、築浅の期間どんどん過ぎていきます。もしかするとどんどん値下がりをしてしまうタイミングかもしれません。その為、売却の必要性がでてきた場合、築浅の家こそ早めに売却を検討し、場合によっては素早く売却することで、高い利益を得ることができます。
今回は「築浅」物件について、基本的なことから購入時のポイントや注意点そして、売却時の注意点やポイントについて詳しく解説してまいりました。新築で購入した際の、購入後の値段の移り変わりなども解説していますので、もしご購入をお考えの方は参考にしてみてください。また、そこで、建物価格が安くなった物件を購入するという選択肢も生まれます。ですが、他のページでも解説しているように中古住宅は築年数に応じて注意すべくポイントが多くあります。中古住宅にも精通した不動産会社と物件を探すようにしてください。
また、2025年には断熱基準の改正も控えており、現在、「築浅」物件は少し様子見をした方がよい物件となっておりますので、現在、築浅物件を購入をお考えの方は住宅性能評価書などを参考にして購入するようにしてください。このことを注意するかしないかで将来数百万円損をするのか得をするのかなんて事になるかもしれません。
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著者情報
宅地建物取引士 刈田 知彰
(かりた ともあき)
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
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