更新日:2023年12月5日
皆様の中には「住宅ローンはどんな物件でも組むことができるのでは」と思われている方はおられませんか、実は住宅ローンは借主の審査だけでなく、物件の審査も行っています。実は物件によってローンの審査が厳しくなることはよくあることです。特に中古住宅は色々な問題が発生しやすくなっています。そこで、今回は住宅ローンが利用できない物件や利用しづらい物件解説してについて解説していきたいと思います。
実際のどのような物件と言われますとこのように呼ばれている物件になります。
「既存不適格」 「既存不適格建築物」
「違法物件」 「違反物件」 「違反建築物」
「再建築不可」物件などなど様々な言い方をされます。言い方だけでなく意味合いが少し異なります。
どれも同じ大きさの建物に建て替えることができないという共通点がありますが、それぞれ違いがあるので説明させて頂きます。
まず、建物は建築基準法などの法律に則って建てることが義務付けられています。ですが、法律を遵守して建てられた建物ばかりではございません。中には法律に適合していない建物も存在し、これらの物件が「違反建築物(違法建築)」や「既存不適格」と呼ばれている建物になります。「再建築不可」に関してはまた少し意味合いが異なりますが合わせて解説させて頂きます。
まずは「違反建築物」と「既存不適格」は同じように法律に現時点での法律に適応していない物件を指しますが、明確な違いが存在します。
「違反建築物」とは簡単に言えば、建築基準法などの法律に違反して建築された建物のことです。具体的には、建ぺい率や容積率の決められた数値を超過しているものや、敷地が接道義務を果たしていない(再建築不可物件)や、接道はしているがセットバックがなされていないなどといったものがあります。「違法物件」 「違反物件」などとも呼ばれます。
また、建築した時点では適法であっても、その後、「違法な増改築」を行った場合も「違法建築」(違法改築・違法増築)となります。建築確認申請を行わず建物を増築して建ぺい率オーバーの物件などはよく目にする機会があります。また、適法な増築でも、建築確認申請を行ってない場合(一部例外あり)などは、申請を行わなかったこと自体が違法行為となります。
違反建築物にいては、特定行政庁が建築中であれば工事停止命令、完成後であれば建物の取り壊しや使用禁止などの是正措を命令することができます。建築確認申請を行っているのに大きさの違う建物が建っている場合などが事例として多く存在します。
1 違反建築物を建てると
東京都都市整備局、東京都多摩建築指導事務所からの引用です。
違反建築物は負(マイナス)の財産です。
違反建築物を建てるこということは、日照や環境、防災等の様々な面で、地域社会や近隣の方々に多大な迷惑を与えることになります。
また、違反建築物は安全が確認できないので、建てた建築主自身も安心して生活することができない場合があります。建売りや中古の物件についても、建築確認や中間検査・完了検査を受けていない建築物は、建築基準法などの法令に適合せず、建築物そのものの強度不足、地震や台風に対して構造上の問題があったり、防火上不備のある建築物であったりすることが考えられますので、注意が必要です。
さらに、最近では、購入資金の融資の際に、金融機関から検査済証の提出を求められるなど、違反建築物は売買・流通においても大きな支障を抱えることとなります。
こうしたことからも、違反建築物は、所有者にとって決して有効な資産ではないばかりか、社会にとっても良好なものとはならないのです。つまり、違反建築物は、所有者にとっても社会にとっても負(マイナス)の財産となるものです。
違反建築物の責任は、違反建築物を建てた建築主・所有者、施工者にあります。
また、違反建築物を取得した場合には、新たに所有者になった人が、違反を是正しなければなりません。
例えば、新築住宅を購入するときには、確認済証、中間検査合格証、検査済証が交付されているかということはもちろんのこと、現地の調査や建築計画概要書の閲覧などによって、違反建築物でないことを確かめましょう。
同様に、中古住宅を購入するときには、売主に確認済証、検査済証の有無を確認しましょう。
2 通報(陳情)とパトロール
通報(陳情)
違反建築物を発見された際は、可能な限り、以下の点を確認の上、ご連絡いただきますようご協力をお願いします。
・建築場所
・建築物の構造、規模 (例 木造3階建て、鉄筋コンクリート造など)
・工事状況 (例 基礎工事中 など)
・工事種別 (例 新築、増築 など)
・建築物の用途 (例 一戸建て、店舗 など)
・建築主等
・工事関係者 (例 施工者、設計者 など)
パトロール及び一斉公開建築パトロールの概要
建築基準法令違反の建築物の是正及びその発生予防のため、管内のパトロールに努めております。
また、国土交通省及び各特定行政庁では、例年秋の一週間を「違反建築防止週間」として設定し、一斉公開建築パトロールを実施しています。
調査結果等について
通報をいただいた方の情報は、監察担当から建築主等の外部の者へ伝えることはありません。
また、通報のあった建築物の調査結果については、公務員の守秘義務(地方公務員法第34条)により原則として通報をいただいた方への回答は行いません。
このように、違反建築物はそのままでは是正措置を受ける可能性があります。
中古住宅で違反建築物のリフォームを行う場合は建ぺい率や容積率オーバーなどの場合は、減築(減築とは、住宅のリフォーム・改築を行って「床面積を減らすこと」を指します。増築の対義語として使われています。)も視野に検討する必要があります。
「既存不適格」、「既存不適格建築物」は違法建築とは異なり、建築した当時は適法な建物だったものの、法律の改正によって現在の法律に当てはまらなくなってしまったものを指します。例えば、建ぺい率や容積率、高さ制限などの上限が変更されて現行法上ではオーバーしてしまった物件などです。そのまま利用していてもすぐに違法というわけではないですが、増築や建替えを行う際には、法令に適合するよう建築しなければなりません。
建築基準法などは、建築関連の法律は建築技術と密接な関係にあるため、その進歩によって改正されてきました。つまり、善意のものでも、自分も知らないうちに既存不適格に該当してしまうケースも考えられるのです。
違反建築物と既存不適格どちらも再建築時に同規模の建物を建てることができないという点は同じですが、違反建築物と既存不適格では法律に則って建てられた建物で建築当時の法律を守って建てられ建物か自己都合やミスで法律を破って建てられた建物かで大きな違いがあります。地域の整備の為に法改正があり、どうしようもなく法律上不適格な物件なってしまったのに違反です。ではあまりに道理がとおりません。そのため、既存不適格物件には既得権が存在します。
また、いくら違反物件だからと言ってすぐに取り壊すのは社会としても損であるという考え方もあります。
ですが、違法物件を許可していたらなんのために建築基準法をはじめ関係法令が存在する意味が分からなくなってしまいます。対応が難しいのが、特に違反建築物となります。
再建築不可物件や違反建築物を購入されて成功されておられる方も沢山おられるのも事実としてありますが、このような法律(建築基準法や各法令・条例など)に則っていない物件については購入に対しても以下のような弊害がでてまいります。
<問題点1> 住宅ローンの審査が通りづらい。
不動産を購入する際、大半の方は住宅ローンを利用すると思います。ですが違反建築物の物件は住宅ローンを組むことが容易ではございません。昔は住宅ローンが組めていた銀行も現在は住宅ローンの融資を断れるようになっています。少数ではありますが現在でも違反の度合いにもよりますが、ローンの借り入れ比率(返済比率)や金額、金利などの条件などによってローンの審査を行ってくれる銀行もありますが多くはありません。
もちろん違法物件のなかには、建物を評価した場合、販売価格が相場より安く購入できることが大半ですし、場合によっては、滅多に物件が市場にでることの無いエリアで物件がでてきたらかなり希少性の高い物件となります。このような物件の場合は違反物件と知りつつも購入したくなる方もおられるのではないでしょうか。
中には、「現金で一括で購入するから大丈夫」という方もおられます。
ここで説明しておかないといけない事があります。それが購入後のデメリットです。もし、この購入された違反物件を売却しようと思った際には、次に購入される新規購入者は住宅ローンを利用する可能性が高いので、売却する場合は不利になるということ、そして問題点2がでてきます。
<問題点2> 増改築などを行う場合に建築確認申請が通らない(通りにくい)
建物の増築を行う場合や、大規模修繕などを行う際には建築確認申請を行う必要があります。違法建築の場合は申請を通すことがかなり難しいですし、既存不適格の場合は適法な状況にすることが求められるので、役所との協議が必要になってまいります。
家族が増えるなど住まれている方や住まれ方にもよりますが、将来的に建築申請を行う必要が出た場合に対処できなくなってしまいます。
例にはよらず、条件は限られますが、銀行によっては住宅ローンを貸してもらえるケースがございます。しかし、多く建築確認申請が通らない(かなり通りにくい)物件に該当する場合、銀行の審査は通ったが金利が高くなる等、一般の住宅ローンに比べ不利な条件になってしまうことが多くなります。トータルでの判断が必要となってまいります。
<問題点3> 建て替えの際に建物のサイズが小さくなる
既存不適格建築物は建築当時の法律に則って建てられた合法の建物ではあるものの、現行の法律の基準は満たしていません。つまり、現在建っている建物を壊して新たな建物を建築する場合、建物のサイズが小さくなったり、形状が大きく変わる可能性があります。
違反建築物も同様に、建物のサイズが小さくなったり、形状を変えなければならない可能性があります。また、違反建築物は建て替えではなく大規模なリフォームを行う際も減築しなければならない可能性も考えられます。
このように、建て替えの際は建物のサイズが小さくなるといった欠点があります。
また、「違反建築物件」と「既存不適格物件」を比較した場合、既存不適格の物件は法律が変わってしまったので、仕方ないという見方もでき、救済措置をとってもらえるケースがありますので、現状「違法建築」なのか「既存不適格」を見極める必要があります。
簡単な見極め方の一つとしては検査済証がポイントとなります。検査済証がある場合は完成時点では適法に建っていることが証明されるので確認をしましょう。但し、検査済証があった場合でも完全に安心できるというわけではありません。その後に無許可で増築を行っていたりするケースが存在します。
次の方法としては、確認済証に記載してある面積と比較するという方法があります。確認済証と検査済証の違いを簡単に言うと、建築主事にこんな家を建てますと申請するのが確認済証で、こんな家が建ちましたというのが検査済証になります。つまり、確認申請を行った後に申請とは違う建物を建ててしまっている可能性があるのが、確認済証での確認のリスクになります。確認済証と面積がそのままの同じの場合は、違反建築物ではない可能性が高まります。最近の新築では検査済証がないケースは私は見たことがないのですが、過去の状況はというと、完了検査の実施率はH10年で約4割と検査済証がない可能性の方が多くあります。また、それ以前になると更に悪い数字になります。このため、「検査済証のない建築物ガイドライン」が定めらて、検査済証がないが確認済証のある物件についても対応できるようになっています。このように、検査済証がないことが中古市場では当然になりますので、これらを考慮して検討を進めていく必要があるのです。
話を戻して、確認済証や検査済証がある状態でも、検査済証の交付後や完成後に増築にあたる工事を行った可能性は残ってしまいますので、図面の面積、申請時の図面の面積、登記の面積を比較して相違していないかの確認が必要になります。ここまで確認したとしても、既存不適格の場合はそれでも見落としてしまう可能性があるので、専門家に依頼することをお勧めします。
また、増築を行っている建物なのに増築された分の面積が登記をなされていない物件もございますので、注意が必要です。この場合は、売主に登記を行っているかを確認してみましょう。その過程で、違反物件や既存不適格が確定してしますケースもありますので、検討中であれば、この辺りも確認しましょう。
次に「再建築不可物件」とはどのような物件を指すのでしょうか?
再建築不可物件とはその名の通り再建築ができない物件になります。再建築不可物件は大きく4つ理由により再建築ができません。
その理由の1つ目は、敷地上空に17万ボルト以上の高圧線が通っている場合です。
17万ボルト以上の場合は架線下の敷地だけでなく、最も外側の架線の真下から水平距離3mの範囲内には住宅など建物を建てることができません(簡易な付帯工作物は可能な場合があります)。
また、上空においても電圧に応じて架線から一定距離(27万5千ボルトで6.60m以上など)を開けることが法令で定められており、その範囲内は建築が制限されています。
上空の送電線が17万ボルト未満の場合でも、電力会社と地権者の契約にもとづいて建築そのものが制限されている場合もあります。
このような物件の場合は、事前に電力会社の担当部署に連絡をして、敷地を特定したうえで適用される制限の内容をしっかりと確認することが重要です。
2つ目は既存不適格物件である場合、何らかの理由で、建築当時の法律と、現在の建築基準法に隔たりがあり、現在の建築基準法では、同一の建物が建てられない場合を指します 。
3つ目は市街化調整区域内にある場合です。都市計画法により、市街化調整区域と市街化区域に分けられ、市街化調整区域はあまり市街地開発をせずに、無秩序な市街地の拡大を防ぐ地域で、逆に市街化区域は街を活性化させるための地域です。その為市街化調整区域には建物建築にあたって、制限が多くあり、建物の建築が難しいエリアになります。
市街化区域と市街化調整区域とに区分されていない都市計画区域のことを「非線引き区域」といいます。現在では一般に「非線引き区域」と呼ばれていますが、また、法律上の名称は「区域区分が定められていない都市計画区域」になります。
4つ目は、接道義務違反です。「建築基準法」内には接道義務というものがあります。接道義務とは、都市計画区域内で建物を建築する場合原則として、幅員4m(特定行政庁が幅 員6m以上を道路として扱う区域は6m以上)の道路に接する間口が2メートル以上確保で きない敷地に建物の建築を行うことはできません。また、接道義務の対象になる道路も建築基準法で定められています。多くの皆さんが問題とされるケースは4つめの接道義務違反にかかわる再建築不可に遭遇することが多くなると思います。弊社に相談されるお客様の多くもこの4つ目の接道義務違反による再建築不可に関するものが多いです。
このような、再建築不可の物件は、住宅ローンが基本的には利用できません。物件に対して法律違反も考えられますし、将来的に建て替えができない土地に対して担保評価がかなり低くなるからです。
但し、再建築不可の物件に対しても融資を行ってくれる銀行は存在します。しかし、その場合でも自己資金がかなり必要となりますので、自己資金(キャッシュ)で購入できるが、融資を使えるならという方向けといって良いでしょう。再建築不可の物件は安価で購入できるので、購入を検討したいという方向けではございません。
再建築不可物件と既存不適格や違法建築物の差は、ここまで読んで頂いた方ならお分かり頂けていると思いますが、再建築できるかどうかになります。既存不適格や違法建築物は建物のサイズは小さくなっても再建築は可能になります。(場合よっては出来ないこともありますが)これは大きなポイントとなります。違反建築物や既存不適格の物件を購入する際は再建築する際にどのくらいの規模の建物に建替えすることができるのかを確認しておくことが望ましいと思います。また、再建築不可物件を購入をご検討の方は、隣地の買収を検討しておくことが重要です。過去に隣地が購入できた場合資産価値が3倍になったケースがありました。投資という意味合いでも再建築不可物件は検討しがいのある物件となります。
また、再建築不可物件でも国が定めた一定の基準を満たし、建築審査会の同意を得ることで、建て替え可能なケースも存在します。ジャッジは各自治体によって異なりますので、確認しましょう。また「包括同意基準」というものがありますので、「包括同意基準」に適合するかどうかが合否ではないですが、参考にしてください。純粋な再建築不可物件よりは住宅ローンが組みやすくなりますが、購入時の住宅ローン審査が下りづらいという問題は存在します。
中古住宅は隣の家と地続きです。どこまでが自己の所有で、どこからが隣(他人)の所有か境界が重要になります。境界をめぐって深刻な紛争になっているケースも多々あります。
その中で、一番危険なのが、建物の基礎の一部分でも越境している場合です。隣の所有権を侵害していることになりますし、隣から越境されていると、自分の所有権を充分に利用できないことになります。このような場合は、住宅ローンの審査対象からはずされてしまいます。
また、建物の屋根や軒が隣地に越境している場合でも、住宅ローンが利用できない可能性があります。このような場合は越境物に関する覚書を作成します。その内容は、まず、越境しているかどうかの確認。そして、越境部分を取り壊して、越境しない状態にする約束をしています。
実際には、越境部分を認めて、再築する際には越境しないこととする覚書を取り交わすケースが多く存在します。住宅ローンを利用する場合はいずれにせよ、いずれかの方法で手続きを行います。
一般的には、建物が越境していることについての覚書(将来撤去の覚書)を締結することが多くあるのです。
ここでは、その他、住宅ローンが組みにくいとされている物件について解説していきたいと思います。
建築基準法、その他法令に適合していないもの
これまでに説明してきましたが、既存不適格や違法建築物などを初め、法律違反の建物は住宅ローンが利用できない可能性があります。このような場合は物件によっては、銀行によっては、借主によってはと個別案件になります。このような物件では、仲介会社の知識量が重要となります。依頼する仲介会社を変えてみるのも一つの方法です。
借地上の建物(定期借地権を含む)
土地には所有権と借地権という権利があります。
文字通り所有権は所有できる権利借地権は地主より借りる権利になります。また、借地権には旧法借地権、普通借地権、定期借地権の3つに分けられます。簡単にまとめると、旧法借地権は借主の方の権利が強く、普通借地権や定期借地権は定められて期間が終われば返却しないといけないものになります。建物の性能が良くなっている昨今普通借地権や定期借地権の物件を購入することはあまり得策とは言えません。(条件にもよりますが)同じように銀行も考えます。後何年しか住めない物件に対してローンを貸すのはリスクがあります。残存期間はあとどのくらいか更新はどうなるかによっても異なりますし、銀行によっては借地に対しては融資しない銀行もあります。借地の物件を検討する場合もまずは住宅ローンの審査を先におこなうとよいでしょう
店舗・アパートなどとの併用物件
店舗・アパートなどとの併用物件ですが、こちらも銀行によってルールがあります。基本的には、住居スペースに対しては住宅ローンは利用できますが、住宅ローン適用には自宅の床面積が50%以上あることを要件にあげている銀行が多いと思います。例えば比率が住宅部分が3割店舗部分が7割を占めていると利用できない場合などがあります。自己資金を5割以上用意できる方はお得にローンを組むことが可能になりますので、状況に合わせてご相談ください。
保留地・仮換地(従前地が第三者と共有の場合)の物件
保留地・仮換地(従前地が第三者と共有の場合)の物件も住宅ローンが利用できない可能性が高い物件となります。簡単ですが「理由は登記ができないから」になります。
「仮換地」とは?
「仮換地」は、土地を所有している人が新規場などや道路拡張工事などでその土地を必要とする場合、立ち退きという方法で移り住んでもらうのですが、その移り住む土地を「仮換地」と呼びます。
「保留地」とは?
「保留地」は、その存在が保留されている土地で簡単に言えば、一応土地を平地にして整備しているんですが、所有者が誰?という問題において所有者が存在しない土地です。ですので、一応土地だけがあり、だれも所有権を有していない土地なので登記簿謄本もありません。
両方とも工事、手続きが完了するれば普通に住宅ローンを利用することができます。
また、状況によっては、住宅金融支援機構などは融資をしてくれるみたいです。
旧耐震の物件
旧耐震の物件も住宅ローンを利用できない可能性がある物件となります。戸建てよりも、マンションの方がより厄介になります。マンションには築年数制限があり、55年や60年−築年数が借入可能期間つまり約40年の旧耐震の建物は15年や20年しかローンを借りることができないと定められている銀行が多くあります。
また、旧耐震の建物は築年数ではなく昭和56年6月以前に確認申請が行われたかによって決まります。また、旧耐震の建物は住宅ローン減税が利用できませんので注意が必要です。
旧耐震の物件の場合も金融機関の相談した方が良い物件となります
旧耐震について詳しく知りたい方はこちらのコラムもご覧ください。
必見!旧耐震から新耐震へ中古住宅を買ってリフォーム手続きの流れ(住宅ローンを使用し住宅ローン減税を利用)|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)
今回は、住宅ローンが利用できる中古住宅と利用できない中古住宅を見極め方について詳しく解説しました。再建築不可、違反建築物、既存不適格の違いの違いや対処法にも触れていますが、お分かりいただけたでしょうか。また、住宅ローンを利用する際に注意する必要がある物件についても簡単ですが、説明させて頂きました。その中で、旧耐震の物件についてですが、そもそも、旧耐震物件は既存不適格の物件に該当します。いえ、新耐震の建物ですら現行法に適合していないので、既存不適格となります。このような物件は中古住宅市場の大多数が当てはまると思います。耐震や断熱などの性能に関してフラット35など一部の住宅ローンを除いて審査で取り上げられることはありません。ですが、実は、耐震性能が足りていません。現在では、その線引きが新耐震基準となっておりますが、将来的に、この基準が2000年基準(現行基準)となる可能性も考えられます。つまり、中古住宅を購入する場合は耐震補強を行った方が良いとなります。また、2025年からは省エネ基準への適合も義務化されます。耐震に比べ断熱に対しては置き去りになってしまっていた日本の建築基準法ですが、これからは断熱基準についてもフォーカスして検討しなければならない時代がやってきます。また、実際に生活する上でも、地震におびえながら生活するのか、夏は暑く冬は寒い家に住むのか、結露やカビに起因した健康被害やヒートショックの心配を生活をするのか、これらを対策できる基準まで建物の性能を向上させてお住まいになるのか、どちらが良いか一目瞭然ではないでしょうか。
中古住宅をお探しの方、中古を買ってリフォームをお考えの方は物件を検討する当初より、性能向上リノベーション、耐震補強工事を念頭において物件探しを行う必要があるのです。また、中古住宅は新築と比べて性能が劣るという考え方が浸透しておりますが、更に耐震について考えると現行基準で大丈夫かという考えが生まれます。なぜなら、建築基準法とは、ギリギリの最低限の基準が定められている法律になるからです。熊本地震を例に挙げるなら耐震等級3が最適減の基準となるのです。つまり、新築住宅でも最低基準で建てられた建物と旧耐震の中古住宅だが、性能向上リノベーションを行った建物では性能向上リノベーションを行った建物の性能の方が性能が良くなるわけです。今回は住宅ローンが組めるか組めないか、についてのコラムですが、今回解説した内容の物件の資産価値を最大限まで引き上げる事によって、中古住宅の選択肢を広げることができるのです。
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著者情報
宅地建物取引士 刈田 知彰
(かりた ともあき)
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
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